環境や価値観が変わっても、自分らしくいられる〝好きなこと〟。タレントの竹内由恵さんは、学生時代からボクシング観戦が好き! 仕事と家庭を充実させたいと模索し続ける真摯な姿勢は、競技とどこか共通点があるように見えました。
※掲載中の情報はVERY2023年6月号掲載時のものです。
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タレント竹内由恵さんは……
ボクシング観戦が好き!
❝なんて熱いスポーツなんだ!と
感動して以来、寝かしつけの
後に見てスカッとしています❞
試合ごとのドラマに我を忘れて
心から夢中になれるんです
ボクシングを題材とした映画「ロッキー」と漫画「がんばれ元気」との出合いが衝撃的で。どんな状況でも逃げ場のないリングの上で真摯に闘う。挫けそうになっても立ち続ける姿や強い心に、胸が熱くなりました。気持ちは大学生になっても冷めなくて、「マネージャーをやらせてください」と当時マネージャーを募集していなかったボクシング部に直談判しに行きました。
減量が常にあるので飲み会もないストイックな部活動でしたが、選手たちの努力過程から試合展開まで細かく把握した経験は、のちにオリンピックで金メダルを取った村田諒太選手のインタビューなどに生かせた気がします。今も、寝かしつけの後にじっくり観戦したり、新幹線の中で雑誌「ボクシング・ビート」を読み込んだり、この先も私の琴線に触れる大好きなスポーツなんだと思います。
東京を離れてからは
〝家族に必要なもの〟だけが欲しい
夫の仕事が静岡に決まった時、新天地での生活にワクワクしました。自然の中で暮らしてみたいという気持ちがあって。住んでみると、情報や物が溢れている東京での生活に疲れていたんだな、と気づかされました。最先端のファッションを見れば欲しくなってしまうし、無意識に人と比べてしまう自分がいたな……と。ただ、それと同時に、仕事がなくなって、とてつもない虚無感に襲われました。夫と相談を重ねた末、週2、3日は東京で仕事をすることに。
大きな荷物を抱えて息子と移動するのは、旅をするような大変さと高揚感があり、色んな意味で濃厚な日々に満足しています。仕事も東京で暮らしていたころよりも絞られて丁寧に向き合えるのも良かったです。物欲も、それまでは〝色々試したい!〟という気持ちだったのが、今は楽しく家族で生活するために必要なものが大切に。二人目が生まれたら、また悩みも増えると思いますが、せっかくなら今より仕事も生活も充実させてみたいと思っています。
息子への接し方が社会を変える
という気持ちで子育てをしています
静岡での子育てにはとても満足していますが、ひとつ課題だと思っているのが、東京に比べると子どもをシッターさんにお願いするという文化が少ないこと。周りにもシッターに頼っているママはいなくて、そもそも浸透していないと感じています。祖父母に頼るとしてもやはり子どもを預かるということは大変なことですから、時にはプロに頼れる環境があるほうが、社会全体として子育てがよりしやすくなるんじゃないかと思うことがあります。
男性の育休制度もしかり、仕事は量や求められる質に対して男女差はありませんから、女性が思いっきり働きたいときは、男性ももっともっと子育てをする社会への理解も必要なのではと考えています。その理解を繋ぐために、母親がどういう接し方をするかで、これから大人になっていく子どもたちも変わっていくと思います。もう少し大きくなったら私の働いている姿を見せて、仕事内容や、どういう気持ちで働いているか、包み隠さずシェアしていけたらいいなと。できるだけ対等に接して息子の意思を尊重しつつ、社会全体の価値観も少しずつ変わるような子育てをしていけたらと思っています。
PROFILE
●竹内由恵さん
たけうちよしえ・タレント。テレビ朝日を退職後、結婚を機に生活基盤を静岡に移し、仕事と家庭のオンオフを充実させた生活がSNSでも話題。第二子妊娠中の今も、TV番組やポッドキャスト「竹内由恵のT-times」など活躍の幅を広げている。
撮影/佐藤航嗣〈UM〉 スタイリング/西村菜月 ヘア・メーク/窪田健吾〈aiutare〉 取材・文/高橋夏果 編集/城田繭子
*VERY2023年6月号「オトナになっても好きなこと」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。