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【夫婦のセックスレス、避妊etc…】助産師YouTuber・シオリーヌさんが大人の“性の悩み”に答える

「妻だけED」「私たちのセックスレス」など、VERYでは、結婚後の「性の悩み」について何度も特集してきました。あれから何年経っても……やっぱり悩みは消えません。性教育YouTuberとして、日々若い世代の性の悩みや疑問に真摯に向き合うシオリーヌさんに、VERY世代の悩みにこたえていただきました。

※掲載中の内容はVERY2021年10月号誌面掲載時のものです。

シオリーヌ(大貫詩織)さん

助産師、思春期保健相談士、性教育YouTuber。1991年、神奈川県生まれ。総合病院産婦人科にて勤務ののち、精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。全国の学校や地域のイベントで性に関する講演活動を行い、2019年からYouTubeで「性の話をもっと気軽にオープンに」をテーマに動画投稿を開始。著書に『こどもジェンダー』『もやもやラボ~キミのお悩み攻略BOOK!』などがある。

夫婦のセックスレス

──子どもが生まれてから、夫とセックスレスです。期間限定ではなくて、多分この先もずっとしたくない気がします……。よくセックスレス夫婦へのアドバイスとして、話し合えとか挿入しなくても、キスやハグ等のスキンシップを大切にというけれど、それも無理!というのが正直なところで……。

そもそも性の話題を夫婦で話し合う土壌ができてないご家庭が多いと思うのです。長年連れ添ったカップルであっても、セックスの話に限らず、真剣な話し合いができる関係性が作られていないこともあります。おっしゃる通り、セックスレスの話になるとよく、夫婦でコミュニケーションを取りましょうというけれど、話し合いをするにも「慣れ」とか「練習」が必要だと思います。日本では、自分の感情を冷静に言葉にして伝えるレッスンをほとんど受けずに大人になった人がほとんどです。夫婦喧嘩ではなくて話し合いがしたいんだと思っても、「話があるの」というと、何を言われるのかと身構えてしまいがち。はじめに、「あなたのことを責めているわけじゃなくて、二人の関係をより良くするために話したいんだ」ということを伝えるのが大事で、お互い心のバリアを外して、安心して話す場を作ることに慣れていく。その延長線上に性の話があるのだと思っています。

──「産後はそんな気分になれない」とホルモンのせいにする言い訳も子どもが成長するにつれ苦しくなってきました。「したい」と「したくない」の平行線で譲歩案はないような気がして。「したくないけど仕方なく応じる」という声もよく聞きますが、それでも続いていく夫婦って何なんだろうと思うことも……。

夫婦関係の「正解」は他人が決めるものではありません。セックスレスの定義に当てはまる関係性になっていたとしてもお互いが納得できているならそれでいいと思っています。でも、夫婦どちらかに我慢や不満があるのだとしたら、お互いが納得できる形を探る必要がありますね。それがなかなかハードルの高い作業であることは分かったうえで言っていますよ。難しいですよね。相手を傷つけないように「育児に忙しくて」と言ってみたり、本心を素直に話すのが難しいこともあるでしょう。「スキンシップを拒否すること=あなたを拒否しているというわけではない」と伝えることも大事です。性的な欲求も年々変化するのが当たり前で、この先も変わる可能性があるから、今の自分がどんな気持ちでいるのか、言葉にして伝えていく努力も大切だと思います。私は、夫に対して言いたいことは直接言っています。自分の心の内をすべてさらけ出すわけではないけれど、伝えたいことは言おうと思うと、自然に話し合いになります。結婚当初からできていたわけではなく、話す練習を何度もして試行錯誤するうちに今の夫婦関係になったように思うのです。

セックス中に
「NO」と言えない

──「セックスしたくない」「この行為は嫌」と思っても言えなかったり、やんわりとしか断れなかったりすることがあります。

夫婦や恋人同士であってもはっきりとNOを言うのって難しいですよね。私たち自身が家庭や学校教育で「嫌なことには嫌だと言っていいんだ」と教えられてきていないことも要因だと思っています。性教育の根底にあるのは、真剣に自分の体と向き合うこと。子どもたちが不当な我慢をしたり、つらい目にあうことのないよう、「自分のしたくないことはしなくていい」という権利は誰もが持っているんだよということを、大人たちが口に出して実践しないといけません。恋人、夫婦関係であっても「なんか嫌」「これはしたくない」という気持ちは大事にしていい感覚で、封じ込めなくていいんですよ。

 

NEXT>>>「結婚後の避妊、どうしてる?」

結婚後の避妊、どうしてる?

──2人の育児中で、今後は子どもを産む予定がありません。ミレーナ(黄体ホルモン付加子宮内避妊器具)にも興味があります。

総合病院の産婦人科病棟に勤めていたとき、3人目、4人目が予定外にできたという話は時折耳にしました。妊娠を希望していない場合には、確率の高い避妊法を取り入れることが大切です。ミレーナは産婦人科での挿入が必要で数万円程度の費用はかかりますが、一度入れてしまえば約5年間使用可能。ピルのように毎日服用する必要がないので、飲み忘れのリスクもなく効果的な避妊法の一つだと思います。挿入する際の痛みが不安という方もいますが、産婦人科の先生に聞くと出産経験の有無も含め、個人により痛みの感じ方もかなり違うようです。

最近の生理用品の
おすすめは?

──今は生理用品も種類が豊富ですね。シオリーヌさんのおすすめは?

私は月経カップの「MELUNA(メルーナ)」をよく使います。カップを直接、膣に挿入しますが、タンポンを使ったことのある方なら抵抗も少ないと思います。トイレに行ったときに中の経血を流し、カップを拭いて再装着すればいいのでかさばるナプキンを持ち歩く必要なし。外出時の荷物はふき取り用のウエットティッシュ程度で済むようになりました。紙のナプキンやタンポンに比べれば高価ですが、数年間は使えるので長い目で見れば経済的だと思います。吸水ショーツも便利ですよ。私は「Nagi(ナギ)」を使っています。長時間使えるタイプもあるので、会議や接客などの仕事や育児などで、頻繁にお手洗いに行けないときにも安心です。

NEXT>>>子どもに「何歳からセックスしていいの?」と聞かれたら…

やっぱり子どもの性教育も
お願いします!

「何歳からセックスしていいの?」「エッチな動画を見ちゃいけないの?」と子どもに聞かれたら?

──子どもが動画が好きで、色々と見ているうちに卑猥だとか、差別的な内容だとこちらが思うようなものに行き当たることも。「見ちゃダメ!」と取り上げるのもちょっとな……と。

子どもが使ったタブレットでYouTubeの検索履歴を見てびっくりした!というお母さんの話をよく聞きます。どういう対応が正解ですというものではありませんが、親御さんが感じている気持ちは素直にお子さんに話してもいいと思います。「見ちゃダメ」というのはきちんと理由を説明しないと理不尽だと思うので、なぜ良くないと思ったのか、どういう影響を受けることを心配しているか、そういうことを子どもと話し合うのも学びになるのではないでしょうか。

──「何歳からセックスしていいの?」と子どもに聞かれたら、どうしたらいいのでしょう?

まず、誰がセックスしていいとか悪いということを第三者が決めることはできません。何歳からしてもいいと言うことはできなくて、自分自身で決めるしかないのです。そのうえで考えてほしいポイントは私の本や動画でも解説しています。自分の体をどう扱うか決める権利は、その人自身にしかないし、子どもが自分で意思決定するための判断材料を与えることが大人の役割だと思っています。

──日本の学校の性教育は「教えない」ことが多くて、海外の事例を見ると全然違う……と驚きます。一朝一夕には変わらないでしょうが、私たち保護者ができることはありますか?

まず、親御さん自身が「性教育」について学び直してみてほしいのです。性教育の本や動画を子どもにすすめるだけではなくご自身も見てみて、お子さんにどんな伝え方ができるか考えてもらえたらうれしいです。もしも、日本の性教育を変えたい、学校でも今の時代に合った性教育をしてほしいと感じているなら、そういうニーズがあるのだと可視化できるように、学校側に伝えてほしいです。先生方の中にも「性教育をしっかりやりたい」という方はいるのですが、学年主任や学校長の賛同がないと、一教員の声だけではなかなか実現に至らない、というケースも多いようです。保護者から要望が来ているという事実があれば、実現の可能性が高くなるので、保護者会や個人面談などの際に、「こういうことができないか」と提案してみるのは一つの方法だと思います。

『CHOICE自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス 税込¥1,430)

体の仕組み、感情や欲求との向き合い方、大切な人との付き合い方、自立について……。学校でも、社会に出ても誰からも教わることができない「性」にまつわるあらゆる問いに、真剣に向き合い、具体的な知識を伝えるための一冊。生理・射精の仕組み、さまざまな生理用品、妊娠の起こる仕組み、正しい避妊方法、性的同意、女らしさ・男らしさ、ルッキズム、セクシュアリティ、SNS付き合い……など、38のトピックスを収録。解説動画(YouTube)へのリンクや、困ったときの「相談窓口一覧」も。「性」について改めて学びたい大人や、子どもへの伝えかたに悩む親にもおすすめの本。

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イラスト・マンガ/カツヤマケイコ 取材・文/髙田翔子 取材/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2021年10月号「教えて!性教育YouTuberシオリーヌさん、おとなの性の悩み相談室」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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