こんばんは!とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事・のじまなみです。
4月に入り、新学期のシーズン。初めての通学や初めて会うお友だち、新しい環境に囲まれる今の時期は子どもたちを狙う性犯罪も増える時期です。
今日は、我が子が性被害にあってしまったときに親はどうすればいいのか。ここについてお話していきますね。
男の子だから、まだ幼いから大丈夫……ということはなく、性被害はすべての子どもに起こりうると考えて、子どもたちの様子を観察していただければと思います。
◆幼い子どもでも狙われる
よく、幼い子は性的な対象にならないと思っている親御さんも多いのですが、実際には未就学児の子たちが巻き込まれる性犯罪は多数報告されています。
幼い子どもは自分に何が起こったのかを理解できず、もちろん性被害であることには気づきません。さらに、その状況を上手に言葉にできないことから、発覚しづらい傾向にもあります。
話せる年齢であっても、親や大人に言えないまま、一人恐怖心を抱き続ける子どももいます。実は、性被害は顔見知りの犯行が8割と言われていて、尊敬する立場や好きな大人が加害者である場合、関係が壊れることを恐れて親に言い出せないケースが多いのです。
◆子どもの「もしかしてSOS?」に敏感になろう
ある時から、なんだか子どもの様子がおかしい。何かを話したそうなときもあれば、不機嫌だったり、時には泣き出したり。性的な話に異様に興味を持ったり、性器を親の体にわざとこすりつけるようなそぶりをしみたり、急に保育園や学校に行きたくないと言い出したり……。
そんなふうに『いつもと違う』と異変を感じた時が、子どもからのSOSかもしれません。
まずは二人きりになれる環境をさりげなく作った上で『ママに何か話したいことない?』とやさしく尋ねてみましょう。
◆相談したときの大人の対応で、さらに傷つく子どもたちがいる
子どもが大人に自分の体験を語ることは想像以上の勇気がいること。子どもたちが性被害にあったと告白してきてくれた時は、必要以上に感情をあらわにしたりせず落ち着いて子どもの言葉を受け止めましょう。『話してくれてありがとう』『あなたが話してくれことを信じる』『あなたは悪くない』そんな思いが伝われば、受け止めてくれる大人がいることが安心感へとつながり、心の傷もはやく癒える可能性があります。
くれぐれも、『だから危ないっていったでしょ!』『うそでしょ!?』というような激昂した感情を子どもにぶつけるのはNGです。怒られた、否定されたと思うことで、さらに心に傷を負わせることになりかねません。性被害を受けた方からお話を聞くと、やはり大人にきちんと【受け止めてほしかった】と話してくださいます。
大人がするべきことは
「子どもの言葉を聞く、メモする、通報する」
子どもたちが打ち明けてくれる時に大人がすべきことは、子どもが話してくれる情報をメモや録音に残しておくこと。そして、尋ねすぎないことです。何度も被害状況を聞かれることは、子どもの傷を広げてしまうことも少なくありません。
いつ、どこで、何を、どんなふうになどの詳しい状況を聞くのは専門家の仕事です。
親は、子どもが一生懸命に話してくれる言葉を受け止めて、信じて、メモや録音に残しておくことができれば十分なので、まずはすぐに警察に相談を。
その日着ていた服や荷物は、証拠になる場合があるので、できればそのまま保存することをおすすめします。
顔見知りによる被害となると警察に届け出ることにためらう親御さんも多いですが、悪いのは加害者です。
『自分が悪かったのかも』と子どもが自分を責めていくことは、自己評価を下げることにもつながります。いち早く警察へ届け出ましょう。
真面目でやさしそうに見える人も用心しましょう。イラスト/おぐらなおみ 出典:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)
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◉のじまなみさん
性教育アドバイザー。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師としてのキャリアを経て、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」を設立。夫と3人の娘の5人家族。著書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)『男子は、みんな宇宙人! 世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)がヒット中。
『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』のじまなみ/著 おぐらなおみ/イラスト(辰巳出版)¥1,400