妊娠中は、食べ物や飲み物にとても気を使うもの。NGなもの、避けたいものも多くありますよね。今回は、妊娠中に安心して飲めるおすすめドリンクをリサーチしました。限られた妊婦ライフを、おいしい飲み物をお供に楽しんで。
監修者
広尾レディース院長・茨城県立医療大学客員教授
宗田 聡 先生(産婦人科医・医学博士 ・産業医)
母体と 胎児の遺伝医学研究で米国ボストンに留学。 現在は女性の健康をサポートするクリニックを開設。企業向けに働く女性のヘルスケアでの講演なども多数。筑波大学・都立大学・東京慈恵会医科大学などの非常勤講師。著書に『31歳からの子宮の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『周産期マニュアル』、『これからはじめる周産期メンタルヘルス』、『EPDS活用ガイド』(以上、南山堂)等。
妊娠中も水分摂取をしっかりするべき理由とは?
妊婦さんは、妊娠する前よりも積極的に水分を摂る必要があり、その必要量や1.5リットル〜2リットルと言われています。妊娠中は基礎体温が高くなり新陳代謝が活発になるため汗をかきやすく、脱水を防ぐためにも水分摂取を意識することは大切です。その他にもたくさん理由があります。一つ一つ見ていきましょう。
撮影/五十嵐 洋 *妊娠・授乳中のホッと一息に【ノンカフェイン&オーガニックティー】4選! より
胎児に栄養を送る血液の元だから
妊婦さんは非妊娠時と比べて血液量が約40%増加するとも言われ、そのぶん水分も必要に。血液量が増えるのは、赤ちゃんに酸素や栄養を運ぶためです。水分をしっかり摂りましょう。
妊娠中に多い便秘予防になるから
妊婦さんはホルモンの関係で腸の動きが鈍くなっているので、体内の水分が不足するとより便秘になる傾向があります。
尿路感染症や血栓症を予防するから
赤ちゃんが大きくなることによる尿管の物理的な圧迫のほか、ホルモンの影響で、妊娠中は尿路感染症にかかりやすくなると言われています。水分をしっかり摂ってこまめにトイレに行くことで、尿路感染症を防げる可能性が高まります。また血液を濃縮させないことで血栓症の予防にも。
妊娠中に避けたほうがいい飲み物は?
妊娠中には、アルコールはもちろんのこと避けたほうがいいと言われているものがいくつかあります。
撮影/芹澤信次
コーヒーやお茶
コーヒーやお茶など、カフェインを含む飲み物は鉄分の吸収が阻害され赤ちゃんの発育に悪影響がある場合が。どうしても飲みたいときは、コーヒーやお茶は1日コップ1〜2杯にとどめて。ココアやコーラにもカフェインは微量ですが入っています。
ちなみに、まったくカフェインが含まれないノンカフェインと違って、デカフェとカフェインレスには微量でもカフェインが残っています。カフェインレスは、日本ではカフェインを90%以上取り除いたもののこと。気になる人はノンカフェインを選びましょう。
エナジードリンクや栄養ドリンク
エナジードリンクは一般的にカフェインが多量に含まれます。ビタミン摂取などのための栄養ドリンクもカフェイン入りのものがあります。また、栄養ドリンクには微量のアルコールが含まれていることもあるため、確認が必要です。
清涼飲料水や甘いドリンク
前述したココアやコーラのほか、ジュース類など甘い飲み物は糖分の摂りすぎになる場合があるため飲みすぎないように気をつけましょう。
アルコール
妊娠中は、ごく少量でもアルコールを飲むのはNGです。妊婦さんがお酒を飲むと、胎盤を通じてアルコールが赤ちゃんへ渡り、体重の減少や脳の障害などの悪影響が出る原因となる可能性があります。妊娠判明前の飲酒はほぼ影響がないとされますが、妊娠がわかったら必ず禁酒をしましょう。飲酒を続けると、胎児性アルコール症候群になってしまうことが。
ノンアルコールドリンクは0.00%のものは飲んでも問題ありませんが、0%とうたっていてもごく少量含まれている場合があります。また、栄養満点の甘酒も、酒粕タイプにはアルコールが含まれます。麹タイプを選び、念の為表記を確認して。
妊娠中のアルコールについて詳しくはこちらの記事もご参照ください
産後も、授乳中は基本的にアルコールやカフェインを避けて
撮影/五十嵐 洋
出産後も基本的にはカフェインを摂取しないほうがベター。授乳中のママがカフェインを摂取することで、母乳を通じて赤ちゃんに伝わります。赤ちゃんは代謝機能がまだ未熟なので、代謝に80時間ほどかかると言われ、寝つきが悪くなる可能性も。コーヒー約2〜3杯程度のカフェイン摂取なら安全とされますが、気になる人は避けましょう。
また、同様に授乳中のアルコール摂取も避けたほうがいいとされていますが、少量のアルコールは摂取後2〜3時間経ってからの授乳であれば赤ちゃんへの影響は少ないとされており、必ずしもまったく飲んではいけないわけではありません。お酒が好きな人は少量を楽しみ、しっかり時間を空けたり飲酒後はミルクに替えるなどして工夫してみましょう。
妊娠中も楽しめる、おすすめの飲み物
お茶
・ハーブティー
ビタミンや抗酸化作用のあるローズヒップやルイボス、エルダーフラワー、ネトルがおすすめ。子宮収縮効果のあるローズマリー、リコリス、シナモン、カモミール、ジャスミン、マテ、ハトムギ、レモングラスなどはNGとされます。また、妊娠後期から勧められることが多いラズベリーリーフも同様に子宮収縮作用があるため、妊娠初期〜中期は避けて。
・麦茶
カフェインが入っていない麦茶は妊婦の水分補給としてもおすすめ。カリウムやカルシウムなどのミネラルを含み、汗をたくさんかく妊娠中のミネラル補給としてもぴったりです。ただ原料の大麦には体を冷やす作用があるため、冷たい麦茶を大量に飲まないように気をつけて。
・黒豆茶
黒豆茶もノンカフェイン。ポリフェノールが含まれており、血行促進作用で冷え性の改善や便通やむくみの改善も期待できます。また鉄分も豊富で、ほのかな甘みがあります。
・タンポポ茶
根を焙煎して作ったお茶で、カフェインを含まず、妊婦さんでも安心して飲めます。出産後も母乳を出やすくしたり、ホルモンバランスを整える作用があると言われ、妊娠出産期には特におすすめです。タンポポコーヒーもノンカフェインです。
・コーン茶
香ばしさとほんのりとした甘さで人気のとうもろこしのお茶。ノンカフェインで、食物繊維や鉄分、ビタミンも摂れる妊婦さんの味方のお茶です。生姜やナツメなどを入れて薬膳茶のようにアレンジもできます。
・ノンカフェインの青汁
食物繊維が豊富なため、便通改善にも役立ちます。水だけでなく牛乳に溶かすこともでき、手軽に栄養補給ができます。ただ、商品によっては人工甘味料が入っているものも。糖分の摂りすぎは妊娠糖尿病のリスクを上げるため注意が必要です。
ノンアルコール飲料
・ノンアルビール・サワー
ビールらしい本格テイストを求める人には、海外のノンアルビールがおすすめ。日本のノンアルビールやサワーはプリン体や糖質など気になる成分をカットしているものも。ノンアルコールとはいえ、アルコール度数が「0.00%」であるかを確認しましょう。
・ノンアルワイン
普通のワインと同様に、赤、白、シャンパン、ロゼなど各種揃います。それぞれ辛口・甘口もあり、妊娠中のパーティータイムも仲間外れにならずおいしいワイン気分を楽しめるように。
・甘酒
米麹から作られる甘酒はアルコールを含まないので安心。飲む点滴ともいわれ、ブドウ糖やミネラル、ビタミン豊富で疲れたときのエナジードリンクに。今やさまざまな酒蔵がオリジナルで作りはじめているのでチェックしてみて。
その他
・炭酸水
つわり中の人も、口の中や胃がすっきりしておすすめなのが炭酸水。ただし、糖分の含まれていないものを選ぶことがポイント。また夏の暑い時季などは、冷やしたものを大量に飲まないように注意しましょう。
・白湯
白湯は妊婦さんが安心して飲めるもの。白湯を飲んで体を冷やさないようにすることで、むくみ対策にもなります。また温めると良いとされる陣痛中にもおすすめ。
・フルーツジュース
果汁100%でも市販品は糖分が多く、摂りすぎは妊娠糖尿病のリスクも上がるため注意が必要。自分で搾るフレッシュなジュースは、カリウムや葉酸、ビタミンを摂ることができます。ただし、フレッシュジュースも1日1杯を目安にしましょう。
チームVERYがマタニティ中に愛飲していたドリンクは?
マリアージュ フレールの代名詞「マルコ ポーロ」のルイボスタイプ
ブランド大定番「マルコ ポーロ」のノンカフェイン・ルイボスティータイプは、アジアの花とフルーツをイメージした香りで優雅な気分になれます。ホットはもちろん、水出しアイスティーやミルクティーでも。ティーバッグもあり、ギフトにもおすすめ。「元々愛飲していたマルコ ポーロ。妊娠中でも飲めると感動したノンカフェインタイプを、いつも水筒に入れて飲んでいました」(美容ライター・矢﨑彩さん)、「エキゾチックで華やかな香りに、気持ちが満たされます」(ライター・藤井そのこさん)
マルコ ポーロ ルージュ[100g缶入り 化粧箱付き]¥3,456(マリアージュ フレール)
ルピシアのルイボス「ピッコロ」はミルクを加えても
南アフリカ原産のハーブの一種であるルイボス。ベリーやアプリコット、ハニーが香る「ピッコロ」は、ミルクを加えてもおいしく飲めます。「普通のルイボスはもちろん、豊富なバリエーションのフレーバーも大好き」(ライター・人見友梨さん)
ピッコロ[ティーバッグ10個入り]¥900(ルピシア)
妊婦のお茶といえばの、MARIENのマタニティブレンド
妊娠中期の方向けにブレンド。カモミールやヤロウを中心に、ネトルやセントジョーンズワートなど多彩なハーブをブレンド。困難やストレスを感じるときにも寄り添ってくれるお茶です。「柑橘系のすっきりとした香りが心地よく、疲れを感じやすい夕方によく飲んでいました」(美容ライター・矢﨑彩さん)
マタニティブレンド[中期][1.5g×30ティーバッグ]¥4,430(MARIEN)
米由来のやさしい甘さ、八海醸造のあまさけ
砂糖や酒粕を使っていない甘酒。すっきりとした麹の自然な甘さで、甘酒が苦手な人も飲みやすい!ビタミンやアミノ酸が含まれ、疲れたときにも。肌の潤いを守るのを助け、腸内環境を整え便通を改善するとして機能性表示食品に。「お茶頼みになりがちな妊娠中どうしても甘いものが飲みたくなり、健康に良さそうなものをと探してたどり着きました。くせがなくておいしく、朝はヨーグルトと割って飲んだりも」(ライター・桃井真由さん)
八海山 麹だけでつくったあまさけ[825g]¥864(八海醸造)
本場ドイツのノンアルビール、ヴェリタスブロイ
創業640年以上のブルワリーと共同開発、本場ドイツのビール純粋令を守って造られた無添加のノンアルコールビールです。原料に麦芽、ホップ、酵母、水だけを使用。ビールを一度造ってからアルコールを抜いているため、ビールの原料由来のビタミンやミネラル、発酵工程で生まれるアミノ酸を含んでおり妊娠中、授乳中の方にぴったりです。「本格派で、授乳期間もずっと愛飲。飲み口もよく、昼から飲みたいときにも最適」(ライター・増田奈津子さん)、「本格派で、ビールを飲んでいる気分になれる!」(ライター・桃井真由さん)
ヴェリタスブロイ ピュアアンドフリー[330ml×24本入り]¥3,180(PANAVAC)
妊婦さん&産後ママにおすすめの飲み物は他にも!
漢方薬剤師が監修したカフェインレスの紅茶
ルイボスなどがブレンドされた「WOMEN’S TEA」、レモングラス配合の「EVERYDAY TEA」など全6種類。それぞれ疲れを溜めたくない日に、むくみ予防のためになど気分や用途によって選んで。
【右上から】ENERGY TEA[8袋]、 WOMEN’S TEA[8袋]、HEAL TEA[8袋]、CHAI TEA[8袋]各¥1,860(すべてティンク)
*妊婦さんにも贈れる「コーヒー&ハーブティー」のおすすめ手土産 より
※写真の「MATERNITY BLEND」は現在は「WOMAN’S TEA」に名称が変更しています。
コーヒーバッグで手軽さも魅力のデカフェ
お湯を注ぐたけのディップタイプは、ドリップも面倒なお疲れ気味の日にも!チョコレートのような風合いで、ちょっぴり酸味があるさっぱりした飲み心地。
コーヒーバッグ[10パック]¥2,300(SWITCH COFFEE TOKYO)
*妊婦さんにも贈れる「コーヒー&ハーブティー」のおすすめ手土産 より
栄養豊富! 国産びわの葉茶
巣鴨とげぬき地蔵商店街にある山年園のお茶。栄養成分豊富な〝びわの葉茶〟は、100%国産、無添加・無農薬、ノンカフェイン。フルーティーな味が魅力。
びわの葉茶[100g]¥1,900(山年園)
*【手土産4選】喜ばせ上手な人がホムパに『白ワイン』を持参する理由 より
揺らぎが気になる日に、WRAYのバランシングブレンド
有機JASオーガニック、ノンカフェイン、無添加のハーブを主体にしたブレンドティー。
バランシングブレンドティーバッグ30包入り¥2,750(WRAY)
*ほっこり優しいオシャレギフト5選!ママ友&自分をねぎらいたい より
華やかな香り♡ ルピシアのフルーツ麦茶
撮影/渡辺修身
珍しい麦茶のフレーバーティー。「出産後にノンカフェインのおいしいお茶を探していて出会ったのがこのフルーツ麦茶。ベースのお茶も芳しく、フルーツの風味も心地よい。子どももゴクゴク飲めて大好きな麦茶だけど、差し上げるならルピシアの特別感も◎」(犬山紙子さん)
パイナップル麦茶、りんご麦茶 [10個パック入り] 各¥500(ルピシア)
*犬山紙子さんの「家事・育児がラクになる手土産」4選より
しっかりしたコクのある、ブラウンシュガーファーストのデカフェ
カフェインレスなのに穏やかな酸味としっかりとしたコクがあるコーヒーは、コーヒー党も満足。パッケージもかわいく、ちょっとしたギフトにも最適です。
ORGANIC DRIP COFFEE Good Night -DECAFE-(5パック)¥842(ブラウンシュガーファースト)
*妊婦さんが喜ぶ妊娠祝いのプレゼントおすすめ20選!選び方やマナーも より
TWG Teaの大定番、人気フレーバーティー
TWGの中でも人気のフレーバー。ルイボスティーをベースにバニラで香り付けされ、酸味と甘みのバランスが良くすっきりした味わい。
Vanilla Bourbon Tea(コットンティーバッグ15個入り)¥3,564(TWG Tea)
*妊婦さんが喜ぶ妊娠祝いのプレゼントおすすめ20選!選び方やマナー より
アルコール0.00%、NONの「ワインオルタナティブ」
ワインのように楽しめるノンアルコールドリンクとして注目されている「オルタナティブアルコール」は食事とのペアリングを楽しめるノンアルコールのスパークリングワイン。オーストラリアで収集されたワイン用のブドウ果汁を使用し、ハーブやスパイスの香りとのマリアージュを楽しめる一杯です。スタイリッシュなパッケージでギフトとしても喜ばれそう。
No.1ソルティッド・ラズベリー&カモミール¥3,450 (NON)
*妊娠中・授乳中に「ノンアルコールワイン」はOK?美味しさで選ぶおすすめ10選より
とっておきの1杯にも!ココファームワイナリーのロゼスパークリングジュース
オーストラリア産マスカットを主役にした、見た目にも華やかなバラ色のノンアルコールのスパークリングジュース。ラベルも可愛いらしくギフトとして喜んでもらえそう。出産お疲れさまの気持ちを込めて出産祝いにもおすすめ。ハーフサイズもあるので、自分時間を楽しみたい時にも!
ロゼスパークリングジュース ¥1,620 (COCO FARM&WINERY)
*妊娠中・授乳中に「ノンアルコールワイン」はOK?美味しさで選ぶおすすめ10選より
定番ティーにノンアルも! お気に入りをたくさん見つけて
妊婦さん用のハーブだけでなく、カフェインレスコーヒー、ノンアルコールドリンクも年々種類が豊富に。妊娠中だけでなく出産後の授乳中、また寝る前にカフェインを摂りたくないときにもおすすめできるものばかりです。妊婦さんが飲めるものは、基本的に多くは子どもも飲みやすいものも多いので、子どもがいる家庭へのギフトとしてもぜひ活用してみて。
取材/有馬美穂
*本記事の一部は過去掲載記事を元に再編成したものです。商品は販売終了している場合があります。
*掲載中の情報は公開時のものです。肩書きや年齢などは取材当時のものです。商品へのコメントは個人の感想です。