実父のコトバ……
「美穂なら絶対大丈夫」
実母のコトバ……
「どんな時も一緒だよ」
時が経つにつれ、生きていることが当たり前となり、欲望や願望が上乗せされ、人を羨ましく思ったり、自分を追い込んでしまったりして、いつの間にか「幸せ」のハードルをあげてしまうこともあります。今では小さな喧嘩も、もちろんあります。そんな時、私たちが立ち返るのがこの「生きてさえいれば」という気持ち。後々彼から、結婚を決意したのは、そういう気持ちを初めて女性に抱いたと気づいたから、と聞きました。
ところで再発かと疑われた検診には、彼が半休を取り付き添ってくれたのですが、結果は何事もなし。むしろ吉本先生に「いい彼ができたみたいだから、ホルモン治療は終了。出産を考えるのも遠くないかもしれないから!」と言われ、8年半に及ぶ治療が終了。事後で、家族に検診の結果を伝えると、病院嫌いの私を、家族以外で病院に連れて行けた相手ということに驚き、ひょっとして……と思ったそう。思い返せば、私の人生が新しく動き始めたひと騒動でした。
義母のコトバ……
「美穂さんが結婚してくれたら嬉しい」
ひょっとして……は、付き合いたての私に会った時から、義母も感じてくれていたそうです。私の全てを知っていながらも、「美穂さんがお嫁さんになってくれたら嬉しい」と言ってくださっていたことには感謝しかありません。とても温かく、でもシングルマザーで兄弟3人を育て上げたたくましさも持ち合わせている、女性としても尊敬できる義母と家族になれたことも心から幸せと感じています。
病気になってから、結婚ができなくても、子どもがいなくても、幸せだったと本気で思える人生を過ごしたいと願ってきました。私にとっての幸せは、突き詰めると、人に愛されたり必要とされること。そうありたくて、これまで本業もマギーズもがむしゃらにやってきたのだと思います。今はその先に新たな心強い家族ができて、さらにやりたいことは臆せずにチャレンジしていきたい。だって生きてさえいれば、たとえ失敗したとしてもいつだって挽回できるのだから。
「強い芯を持ちながら穏やかで愛情を注いでくれる夫がいるからがんばれます」