──今回の形になるまでにどんな話し合いがあったか、もう少し詳しく聞かせていただけますか。
りゅうちぇる 二人で本当にいろんな話を重ねたし、お互いの両親を交えて話もしました。その中で、自分のセクシャリティが発端で夫婦や夫でいることがどんどんしんどくなってしまったけど、息子と出会わせてもらえて、素晴らしい息子のパパでいさせてもらっていることはすごく誇りに思っているので、それは守りたいと伝えました。てこの幸せを夫として守れなかったのは本当に申し訳ないけど、パパとして息子を立派に育てていくことは必ず守りたかったので、ちょっと新しい形ではあるけど、家族としてしっかり守っていきたいという気持ちでした。
ぺこ 私はあらゆる知恵を絞り出していろんな提案をしました。りゅうちぇるが少しでも楽に生きられるようにと心から願っていたし、今もそう思っているので、どうにかバランスよくいられる方法はないかなって。それこそ沖縄に移住してもいいんじゃないかとも言いました。でも、りゅうちぇるは紙切れ一枚のことだけど、それをしないとやっぱり自分は次に進めないって。正直、今でもりゅうちぇる当事者の気持ちを100%理解は多分出来てないかもしれないけど、りゅうちぇるが少しでも楽に生きられて次に進もうと思えて、バランス良く新しい家族としてハッピーでいられるならそうしようと。私もなによりも息子が大事だし、パパとママがこれからも毎日一緒にいて、おうちが楽しくてハッピーな空気であることが私たちと息子にとっては一番だと思ったので、その居場所は守りたかったです。
──ぺこさんの幸せ、と言われてぺこさんはどう思いますか。
ぺこ りゅうちぇるはこの先のことを考えてそう言ってくれたと思うんです。でも、今の私にとっては、息子のママであることが何よりも大事で。あと、確かに私に話してなかった部分はあるけど、今までりゅうちぇるからもらった愛は全部本物だったって信じられるから。もともと私たちは夫婦であり親友でありきょうだいでありって全部の関係を持っている存在だったのが、その中から一つ、夫婦っていう関係がなくなるだけで、これからも人として大切だし大切にしてくれているし、家族としてパートナーとして私も守っていきたいし、守ってくれるっていうことは信じてます。