家事育児は〝手伝う〟から〝シェアする〟時代に。頑張るパパの悩みに応える連載の第11回。RYUCHELL(りゅうちぇる)さんの愛ある叱咤激励と、ジェンダー論のプロ・東大人気No.1講義の瀬地山 角先生の分析を、ぜひ夫婦でシェアしてみてください。
今月の悩めるパパ ⑪
水野信二さん(仮)/38歳。広告代理店勤務。趣味はゲームと観葉植物を集めること。妻の知らぬ間に観葉植物を増やすので、家中が植物だらけに。3歳年下の妻とは合コンで知り合い結婚。
妻と意思の疎通がうまくいかず喧嘩ばかりです。時には暴言めいたことも言ってしまい…娘への悪影響がないかも心配です
「娘2歳、妻はフリーランス。妻と言い争いが多く疲れます。土日に娘を預けて外出したいと言われて返事をしていなかったら妻に勝手に予定を入れられた、妻が僕に頼み事をする時にミスがあり、結局うまく事が運ばなかった等でお互いに責めてしまいます。娘の前で喧嘩してしまうこともあり、悪影響がないか心配です。正直、毎日終電まで働いていて土日は休みたいし、家のことは妻にまかせたいです。収入も私のほうが多いですし、それではダメなのでしょうか? 育児に興味がないわけではなく、教育には強い関心があります。自分が国立大学出身なので娘にもできれば国立を目指してほしく、小学校も国立小を受験する予定。ご縁がなければ中学受験に切り替えますが、公立小の学区選びなどでまた妻と揉めるのではと心配です。」
りゅうちぇるさんの回答
文句って言いはじめると止まらないもの。傷つけるための言葉からはいいことは生まれない
夫婦は〝伝えすぎ〟に注意
キャッチボールせずに
たまには流すことも必要
僕がよくするたとえ話があるんですけど、一枚の紙を思い浮かべてみて。それは〝自分の心〟で、ひどいことを言われたら端っこがクシャッてなる、また言われたら別の場所がクシャッとなる。傷つくごとに紙がクシャクシャになって、紙を伸ばせば元には戻るけどシワの跡は消えないですよね。ごめんねと謝っても暴言は一生忘れない、それは常に頭に入れててほしい。相手も頑張ってるうえでのひとつやふたつのミスで怒っていたら自分が辛くない? もっと沸点を抑えなきゃ。子どもはずっといい子なわけじゃないし、朝は優しくできても夜は疲れて怒っちゃうこともある。そんな余裕のない状態で大人にイライラすること言われたら本当に嫌だし、自分がキツい時は相手もキツいんです。一番大事な思いやりが足りてないと思います。あと、夫婦ってたまには流す力も必要。文句を言いはじめると思ってないこともどんどん出てきて、ムカつかせるだけの行為になっていくんですよね。伝えないで流す、大人の対応も必要かな。教育についてはいろんな希望もあると思うけど大事なのは三角形。パートナーの話も子どもの意見も聞かなきゃいけない。パパがレールを敷く以上、レールがないと進めない子になる可能性もあるので、そのリスクはちゃんと理解しながら足りない部分を補うことは意識して。暴言はもちろん子どもにも影響があって、人を信じられなくなるし結婚への憧れも持てなくなる。父親になった以上、子どもが見てることは忘れちゃダメ。人の人生に影響を与える立場になった覚悟を今一度、考えてほしいですね。
▶東大人気No.1ジェンダー論講義の瀬地山 角先生からパパへの回答はこちら!
【PROFILE】
RYUCHELL(りゅうちぇる) 1995年沖縄県生まれ。モデル、タレント、歌手、YouTubeなどマルチに活躍。育児セラピスト1級、食育インストラクターの資格も持つ。妻のぺこさんと4歳息子の3人家族。
シャツ¥7,590 スニーカー¥5,390(ともにBIG TIME 下北沢)パンツ¥4,400(フロリダ下北沢)
撮影/杉本大希 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 イラスト/N.Ryosuke 編集/井上智明
*VERY2022年8月号「りゅうちぇるの「パパの子育て悩み相談室」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。