「母は強し!」とはよく言いますが、子供を産んですぐに強くなるわけではありません。世のママたちは、出産や子育てという未知の体験の中で、様々な荒波に揉まれ、もがきながら何度も立ち上がり、たくましくなっていくのです! そんなママたちの〝私を強くした〟事件簿をご紹介します。
都会のど真ん中で気づけば大泣き
丸の内、号泣事件
◉重田今日子さん(31歳/文京区在住)
大好きな彼と結婚、子供を授かり幸せな日々を過ごすも、子育ての忙しさからおしゃれや美容など、自分のことはないがしろにしていました。ある日、夫の仕事の忘れ物を届けに、子供を連れて丸の内へ。ふと周りを見渡すと、おしゃれをして颯爽と歩く綺麗なOLさんばかり!
抱っこ紐をつけ、スーパーの袋を持ち、Tシャツにデニム姿の自分とつい比べてしまい、ガツン!と頭を殴られたような気持ちになりました。「私って、女として終わっているかも……」と思った瞬間、オフィス街のど真ん中でブワッと涙が溢れてきました。
なんとか涙をぬぐい夫に忘れ物を届けた後、近くに住む母の家に直行し、泣きながら話を聞いてもらいました。「子供を預かるから、旦那さんとゆっくりしてきなさい」と母が言ってくれ、夫と二人で1泊2日の弾丸旅行へ。久しぶりに過ごす二人きりの時間の中で、おしゃれをして出かけることの楽しさを思い出し、心身共にリフレッシュすることができました。それからというもの、女性として綺麗でいることも忘れてはいけない、と考えを改め、服装やメークにも気をつけるように。あの丸の内での出来事がなかったら、今の私はないかも……と日々感じています。
イラスト/腹肉ツヤ子 取材・文/森田晴菜 編集/太田彩子
*VERY 2019年1月号「理想と現実、子育ても人間関係も……あの涙があったから今がある 私を強くした、○○事件簿」より。
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