多忙の中、3人のお子さんのお弁当を日々作り続けている「賛否両論」マスターの笠原将弘さん。その〝父さん弁当〟には、毎日のお弁当作りに頭を悩ませるママたちへのヒントが隠されていました!今回は、笠原さんがお子さんのお弁当作りの経験から学んだ、頑張りすぎなくていいポイントをお聞きしました。
こちらの記事も読まれています
お弁当ママへのエール 1
〝お弁当=非日常感〟
好きなものだけでOK
「末っ子の長男が高校に入学し、毎日お弁当が必要になりました。シングルファザーになってから、長女次女のときは忙しくて親類にお願いし、せめてもと運動会のお弁当だけは作っていた状況。でも息子からリクエストされ、あぁ、これが最後だなと。ある意味〝禊〟のように始めました。2年経ち、ようやくこなれてきたかなと思っています。試行錯誤を経た結果、〝苦手なものは入れない〟と割り切るように。息子は肉とえびが好きで野菜はあまり好きじゃない。でも好きなものしか入ってない、でいいじゃないかと。卵も最初の頃はよかれと思ってゆで卵や炒り卵にしていたけど、後から『卵焼きがいい』と。なので今ではもう卵焼き一辺倒。彼の友達からも好評なので、分けてあげられるよう少し多めに入れています(笑)」
「息子のお弁当箱は2段タイプ。卵焼きはご飯の横が定位置。大好きな肉とえびはどちらかを必ず入れるように」
お弁当ママへのエール 2
盛り付けはNOルール!
彩りは市販品にも頼って
「基本的にお弁当ってすごく自由でいいと思っています。盛り付けは最後に足りない色味を足すぐらいでOK。そんなときは手軽な市販品を活用。買っておくととても助けになります。昔よかれと思って焼き鮭をわざわざほぐしてふりかけにしたこともありましたが、息子からは『いつものふりかけがいい』と…(笑)。 赤と緑のものは華やかになり、黒があると引き締まります。そして、ぎゅうぎゅうに詰めるのがカッコいい! そのほうが持ち運んでいたときに偏ったりしないので、開けたときにキレイ。あとは夏の傷みや液漏れを防ぐためにも汁気をよくきって入れること、冷めても美味しく食べられる脂身の少ない肉を選ぶこともポイントですね」
「例えば昆布だと渋くてカッコいい雰囲気になり、鮭ふりかけや梅などは可愛らしい印象になります」
お弁当ママへのエール 3
ときには作らなくてもいい
気軽にお弁当と向き合って
「料理人なので作ることは苦ではないですが、お店が夜営業ですっかり夜型生活だったので、朝早起きするのは当初とても大変でした。朝5時半に起きないと間に合わない。徹夜でヘロヘロになりながら作ったこともあります。大変な中でも、楽しくやることが大事。楽しく作らないと美味しくならない。だから『今日はダメ』って日は作らなくてもいいと思っています。買ってきたものを詰めるだけ、一品だけ、前日の残り物を詰めるだけ、おにぎりだけ…。それだって立派なお弁当! 映えとか狙わなくていい。考えるのがストレスなら何曜日はコレ、とルーティンにしたっていい。そうやって負担を少しでも減らして、楽しくお弁当を作ってくれたらいいなと思います」
笠原将弘さん
日本料理店「賛否両論」マスター。テレビをはじめ、雑誌や料理教室など幅広く活躍。本格的でありながら作りやすく美味しいレシピは人気も高く著書も多数。一男二女の父でもある。
最新刊『笠原将弘の 毎朝 父さん弁当』(KADOKAWA刊)ではお弁当レシピを多数掲載。お子さんへの愛情たっぷりのエピソードも必見です!
あわせて読みたい
料理/笠原将弘 撮影/福本和洋 スタイリング/竹中紘子 取材・文/佐々木陽子 編集/井上智明
*VERY2022年7月号「お弁当は「毎日卵焼きでもいい」理由」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。