家事育児は〝手伝う〟から〝シェアする〟時代に。頑張るパパの悩みに、2児の父として育児に積極的に関わる東大人気講義No.1のジェンダー論学者・瀬地山角さんが回答。ぜひ夫婦でご覧ください!
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▶︎【東大人気No.1講義】ジェンダー論の瀬地山角さんが“妻に感謝されたい”パパにアドバイス
今月の悩めるパパ ②
稲垣直人さん(仮)/32歳。弁護士。学生時代にドラマ『HERO』を見て法曹界に憧れ弁護士の道に。妻とは共通の友達の紹介で出会い結婚。エビデンスがないものは信じたくない理論派。
妻から「モラハラだ」と言われます。
心当たりはあるのですが、
今さらどう直せばいいかわかりません
息子2歳、妻はフリーランスで第二子妊娠中です。家事育児のシェアがうまくいかず喧嘩が絶えません。妻曰く、「自分の時間がない」「パパ友の育児ぶりを話したら、〝俺の仕事だと無理〟と切り捨てられた」「口癖は、〝データあるの?〟」「家族の予定を入れようとしても、〝そんなのまだわからない〟と先延ばしにする」「風邪を引いたら〝自業自得だ〟と言われた」などです。すべて心当たりはあります。ただ、僕としてはひと通り文句を言った後は妻の気持ちに寄り添っているつもりです。もっと可愛く頼んでくれたらまだ聞く気にもなるのですが…どうしたら穏やかに過ごせるでしょうか。
ジェンダー論のプロ・瀬地山さん
から悩めるパパへのアドバイス
このままでは離婚一直線。
小さくてもできることから
改善していくべき
このままだと離婚でしょう。相手を配慮しようという気持ちがまったく見えません。なぜこんな形で夫婦が暮らせるのか理解できませんが、夫のほうが収入が高いことからくる、性役割分業の維持なのでしょう。第二子妊娠中とのことですがこのままだと生まれてからがもっと大変です。新生児を抱えながらこの調子でダメ出しがきたら、妻は気が狂うと思いますよ。今は一時保育やシッターを利用しているとのことですが、本来は早く保育園に預けて妻の負担を軽減するのも手なのですが。通常なら夫婦の話し合いも有効ですが、話し合っても「そんなこと言われても無理」「俺は違うから」と平行線になりそう。夫に自覚がないわけではないのなら本人が直すしかなく、どこを直せばいいのか探さないとダメですね。全般的に家事に関わるのは無理でしょうから、最低限、家族の時間を優先する、妻の自由時間をこれだけ確保するなど、ハードルの低いことから改善していく。土曜の日中は妻の一人時間にするなどルールにするのもひとつの方法です。離婚を望まないのなら、小さくてもできることから始めましょう。
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▶︎りゅうちぇるさん「上から目線でママを言いくるめるのはやめるべき」
瀬地山 角先生
東京大学大学院総合文化研究所教授。専門はジェンダー論で、東大での人気講義No.1と評判。自身も2児の父として10年間保育園の送迎をし、現在も普段の夕食作りを担っている。
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撮影/杉本大希 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 イラスト/N.Ryosuke 編集/井上智明
*VERY2021年11月号「りゅうちぇるの「パパの子育て悩み相談室」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。