今、VERY読者のママから「ぜひ話を聞いてみたい!」と必ず名前が挙がる、タレントのpecoさん。夫さんはご存じ、VERYでも「りゅうちぇるの『パパの子育て悩み相談室』」を連載中のryuchellさんです。いつも仲良しでハッピーオーラ溢れる二人は、若い世代からVERY世代までの憧れの存在。pecoさんは現在3歳の男の子のママとして、子育て中心の生活を送る日々。ryuchellさんとのパートナーシップや、ちょっとした言葉がけの工夫、仲良しの秘訣や子育てについてお話を伺いました!
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夫婦の会話は、話合えていることへの
感謝の気持ちを忘れずに
——pecoさんは今、子育てメインの生活をされていますが、家庭に入るか仕事を続けるかについて、ryuchellさんと話し合いなどはされたんですか?
pecoさん(以下、敬称略):ryuchellも私もすごくお喋りなので、付き合っている時から将来についてたくさん話をしていたんですよね。日常の会話の中に小さなヒントがたくさんあって、価値観のすり合わせもできていたから、特に話し合ってということもなくて。私は子どもができたらある程度の期間は子育てに集中したいとずっと思っていたので、家庭に入ったのはすごく自然な流れで、「僕が頑張るから、子どもと一緒にいたいならそうしてくれたらいいし、そしたら自分は安心して仕事を頑張れるよ」と言ってくれてました。
——ryuchellさんにはVERY本誌でも連載していただいているのですが、言葉の選び方が本当に優しいし、何かを伝える時の気遣いがすごいなと感じていて。家庭でもお互いに気をつけているとおっしゃっていたのですが、夫婦のコミュニケーションの秘訣は?
peco:プライベートでは関西弁なのでキツく聞こえるみたいで、付き合い始めの頃、ryuchellに「なんで、シバくぞとか言うの?」ってよく言われてたんですよね。別にシバかへんし、私からしたら普通なんだけどって(笑)。でも、ryuchellが優しい口調だから、私ももっと気を遣おうと思って。たとえばAとBで揉めてる時でも「ryuchellはAって思ってるかもしれないけど」じゃなくて「Aって考えてくれてるやんか」って。こうやって今話してくれてる、お互いに考え合えていることに感謝しながら話そうと意識してます。
——お子さんへの言葉がけで意識してることはありますか?
peco:子どもにもできるだけプラスな言い回しにしようと思ってます。たとえば「片づけないとテレビ見られないよ!」じゃなくて「片づけしたらテレビ見ようね」って。でも、心がけてるだけで、できない時もたくさんあります。もともと短気な性格で子どもといたらさらに短気になっちゃうし、怒っちゃう時もあるし。怒っちゃうのは仕方ないから、その後の言葉のかけ方は気をつけようって。ハグをしたり、「ごめんね、ママこういうふうに思ったから怒っちゃったんだ」ってちゃんと説明するようにしています。
——ストレスが溜まったりした時は、どうしてるんですか?
peco:夜中にポップコーンを食べます(笑)。あと、「今日はこれもしたしあれもしたし、すごくない?」ってryuchellに報告して、褒めてもらう。息子と二人の時にイライラした感情をグッと飲み込めたら、「ちょっと待って、今の私、すごい偉いやん!」って心の中で思ったり。自分をちゃんと褒めるようにしてますね。
夫婦デートはしません
寝る前に15分話せば十分
——ryuchellさんはすごく聞き上手だし褒め上手だと思うのですが、特に印象に残った言葉はありますか?
peco:この前、息子がめちゃくちゃ大変で、朝から夜までイライラが募って息をするのもしんどい日があって。その日はryuchellも一緒にいられるはずだったのに急に仕事になって、それもあって「なんでおらへんねん、腹立つわ」と思ってしまって。それをryuchellにメールしちゃったんです。「こんなん言ってもしゃあないけど、ryuchellに対してもイライラしてきた」って。そしたら「そうだよね、本当にごめんね。何でも聞くからね。これは文句でもないし、感情だから、全部言ってくれていいからね」って。私も子どもの文句なんて言いたくないなって思いながら話していたから、文句じゃないんだよって言ってくれてすごく救われました。毎日私が息子といて頑張ってるのをわかってるし、十分完璧なママだからそのままでいいんだよって。息子を怒っちゃって落ち込んだ時にもそう言ってくれるから、いつも本当にありがとうって思ってます。
——話を聞いてくれる人がいるのって大きいですよね。
peco:育児は一人でするものじゃないし、どんどん人に頼ったほうがいいと思います。旦那さんじゃなくても、ママ友でも親でもいいし。聞いてもらうだけでストレス発散になるから。
——本当に理想的なパートナーに見えるのですが、ryuchellさんにイライラすることってあるんですか?
peco:もちろんあります!素直に「ごめんね」と言ってくれることもあれば、ryuchellにもryuchellの意見があって、バトルになることもあります。そういう時はとにかく話しますね。息子の前でできるだけ喧嘩しないと決めてるので、息子が寝た後にソファに座って、ひたすら話す。それでお互いに謝ってという感じですね。
——原因はどういうことが多いんですか?
peco:ryuchellはうっかりがめちゃくちゃ多くて、私がイライラしちゃうパターンですね。本当にしょうもないことなんですけど、久しぶりに3人で出かける予定でいざ出発しようとしたら、車の鍵をYouTubeスタジオに置いてきちゃったとか。取りに行って、鍵があったよってメールが来たと思ったら、“ごめんね”の後に桜のマークがついてて。「なんでここで桜やねん!?」みたいな(笑)。私はめちゃくちゃせっかちで口癖が「早くして」なんですけど、そういう意味では、ゆったりマイペースのryuchellとバランスがいいのかなって。
——お互いを補い合う、ベストパートナーなんですね。仲良しのお二人ですが、夫婦でお出かけしたりすることは?
peco:息子がスクールの間にたまたま時間が合ってお茶したとかはありますけど、子どもを預けてまではないですね。新生児の時に二度あったきりかも。
——すごく意外です!
peco:子どもを預けて二人でデートとかすごく素敵だと思うんです。でも、改まって会話をしようって思わないから、それなら家族3人で過ごしたいかな。逆に言えば、息子が寝た後に15分喋るだけで十分。そこで思いっきり話すし、笑うし、それで満たされるんですよね。
専業主婦でもワーママでも
自分をもっと褒めてみて
——息子さんがスクールに通い始めて、ブランドのお仕事(Peco Club※)も徐々に再開されたそうですね。
※インタビュー後に2022年3月での終了を発表。
peco:打ち合わせやサンプルチェックはスクールの時間内に調整してもらって、デザイン作業は息子が寝てから夜な夜なやっています。でも、本当にマイペースで、優先順位は完全に子育て。だから、平日朝から夕方までびっしり働いて子どもを迎えに行って、そこからご飯を作って寝かしつけてってやってるワーママは本当にすごいと思います。働いているママには「本当に天才だよ!」って言いたいですね。
——世の中、バリバリと働くワーママが増えてきたからか、専業主婦や子育てメインだと肩身が狭いと思うママもいたりして。pecoさんはそんなふうに感じることはないですか?
peco:私、主婦に向いてないんです。料理は苦手だし、家事も得意じゃないし。自慢みたいになっちゃうと嫌なんですけど、それでもryuchellが「ぺこりんのしたいようにすればいいよ」と言ってくれて。一日中家にいたのに部屋が片づいてなくて「ごめん、今日何もせんかった〜」と言っても、「いいよいいよ、ゆっくりできてよかったね」と言ってくれる。でも、そうじゃない旦那さんもたくさんいると思うと、そういう意味で肩身が狭いなって感じるのもわかるし、逆にプレッシャーですよね。けど、ママがハッピーなのがおうちも子どももハッピーなのは絶対だから、甘えられるところはいっぱい甘えて、自分の気持ちも旦那さんに話してみるのがいいのかなって。
——もしかしたら世代的なことかもしれないですけど、「自分は自分」というか、人と比べない価値観があるような気がして。人を羨むみたいな気持ちってあったりしますか?
peco:あんまりないです。逆に羨ましいって思われたとしたら、純粋に「ありがとう」って。今の自分と環境に満足して幸せだと思ってるから、人とも比べないっていうのはありますね。もし誰かを羨んでしんどいんだとしたら、周りがどうとか一回全部忘れて、おうちがあって旦那さんがいて可愛い子どもがいて、仕事をしてるなら仕事も頑張ってて、専業主婦なら子どもと毎日向き合ってて、「そんな私ってすごくない?」って捉えてみたらいいと思います。嫉妬しちゃう人って、自分をちゃんと褒められてないんじゃないかな。誰かに褒められるのも大事だけど、自分でももっと自分を褒めようよって思います。
Profile
peco
ぺこ・1995年6月30日生まれ。原宿の人気ショップの店員の傍ら読者モデルとして人気を博し、ryuchell氏と多数のテレビ番組に出演。2016年ryuchell氏と結婚、2018年7月男の子を出産。夫ryuchell氏のYouTubeチャンネル「RYUCHELL WORLD」には夫婦でもたびたび登場し、価値観や夫婦関係のコツには多くの共感を呼んでいる。
取材・文/宇野安紀子