VERYでは10月号を皮切りに、特設サイトを設けるなど『カーボンニュートラル』について取り上げてきました。子どもたちの未来を考えたとき、「環境問題」は重要なことの1つですが、自分なりの考えを持ったり、〝じゃあ、どうすればいいの?〟と次のアクションをとるのがなかなか難しい題材でもあります。ましてや、日々多忙なママたち。どこから学び始めればいいのか入口もわからず、自分の学びは後回しになりがち。そこで、「ならばVERYが検定という形で学びの場を作って一緒に学ぼう!」というのがすべての始まりでした。今回はその一環で開催された、2回のオンライン講座の模様をレポートします。このページからアーカイブも観られますので、リアルタイムでは観られなかった方もぜひご覧いただき、検定にもトライしてみてください♪
第一回
子どもの誕生やライフスタイルの変化で車を新たに購入したり、買い替えたりする機会が増えるVERY世代。本誌11月号の申真衣さん、辻元舞さんとの対談でもわかりやすく解説してくれたモータージャーナリストの岡崎五朗さんに、車選びと環境問題について、さらに教えていただきました。
「電気自動車じゃなくてもライフスタイルに合わせたクルマ選びでもエコ貢献はできる」
モータージャーナリスト 岡崎五朗さん
世界が電気自動車(BEV)に舵を切ったのに日本はカーボンニュートラルに積極的じゃない、遅れていると言われるのですが、主要国のCO2排出量を20年前と比較すると、米国は+9%、ドイツは+3%と、むしろ増えている。フランスでさえ-1%、イギリスは-9%。
では日本はどうなのかと言うと、おそらく意外だと思うのですが、なんと-23%。断トツと言っていいと思います。では何故なのかと言うと、主な理由は2つあって、1つは「日本は世界一ハイブリッド車が普及している国である」こと。ハイブリッド車は燃費が良いから、つまり排出するCO2が少ない。もう1つは、「日本は軽自動車を選ぶ人が多い」こと。軽自動車は小さくて燃費が良く、さらに製造時に排出するCO2も少ないんです。日本の人はこういった車を好んで選んでいるから、大きくて速いクルマが人気の海外に比べて日本は断トツの削減実績があげられているんです。
地球環境に良いクルマと言うとつい電気自動車を思い浮かべがちですが、国や人それぞれのライフスタイルに合わせたクルマ選びでもエコ貢献はできるし、まだまだ価格の高い電気自動車じゃなくても地球環境を考えたクルマ選びはできるんです。10人いたら10通りのカーボンニュートラルの方法があるのだから、世界が、皆が、こうだと言っているからそれだけが正しいと答えを1つに決めつけず、自分にあった方法を無理せず続けることが、すなわち地球全体のカーボンニュートラルの実現に繋がっているのだと思います。
では日本はどうなのかと言うと、おそらく意外だと思うのですが、なんと-23%。断トツと言っていいと思います。では何故なのかと言うと、主な理由は2つあって、1つは「日本は世界一ハイブリッド車が普及している国である」こと。ハイブリッド車は燃費が良いから、つまり排出するCO2が少ない。もう1つは、「日本は軽自動車を選ぶ人が多い」こと。軽自動車は小さくて燃費が良く、さらに製造時に排出するCO2も少ないんです。日本の人はこういった車を好んで選んでいるから、大きくて速いクルマが人気の海外に比べて日本は断トツの削減実績があげられているんです。
地球環境に良いクルマと言うとつい電気自動車を思い浮かべがちですが、国や人それぞれのライフスタイルに合わせたクルマ選びでもエコ貢献はできるし、まだまだ価格の高い電気自動車じゃなくても地球環境を考えたクルマ選びはできるんです。10人いたら10通りのカーボンニュートラルの方法があるのだから、世界が、皆が、こうだと言っているからそれだけが正しいと答えを1つに決めつけず、自分にあった方法を無理せず続けることが、すなわち地球全体のカーボンニュートラルの実現に繋がっているのだと思います。
「〝意識する〟〝考える〟ことが大切。できることからコツコツと。」
VERYモデル 笹川友里さん
今日のように座学で客観的且つ包括的な知識や情報をたくさん教えてもらえると、多面的な見方ができるようになり、決して義務や強制ではない、じゃあ私なら何ができるかという〝考える〟ことができるようになると思いました。エコについていざ学ぼうと思って、例えばスマホやPCで検索してみると、一方的な見方のサイトが多いんですよね。具体的には、私はエコなこと全然できていないなと反省点だらけだったのですが、今日からできるることとして、ネットショッピングの注文はできるだけでまとめてするようにしようと思います! 意識するだけで随分変わると思います。
「無理な我慢はしない、長く続けられるリバウンドなしのエコが目標」
VERYモデル 優木まおみさん
ダイエットの話に例えて説明してくださったのがわかりやすかったです。私もカラダ美容家としてピラティスのクラスを持っているのですが、生徒さんにはダイエットは習慣化した方がいいと言っているんです。来月までに○キロ痩せる! と高い目標を決めてしまうと、たとえ達成できても、その翌月タガが外れたように暴食してリバウンドしてしまう人が多い。楽しいことまで一切我慢してしまっていては続かない。エコも同じ。ちょっとずつでも確実にCO2排出量を減らしていけたらといい。無理はせず、リバウンドしないエコを目指したいと思いました!
「まずは大物買いのときから〝ライフサイクルアセスメント〟を意識したい」
VERY編集長 今尾朝子
これまで目の前にあるそのもの自体がエコかそうじゃないかは考えることはありましたが、作る→運ぶ→使う→廃棄まで全体を「ライフサイクルアセスメント」で考えるべきということを知りました。意識すると、これはどこで作られてどうやって運ばれてきたのだろうと気になるように。私たちは、まず〝大物買い〟のときなどが、イメージしやすいのかと思います。VERY世代って、子どもができて家を買ったりクルマを買ったり、大きな買い物をする世代。家庭からのCO2排出も思っていた以上に多いということも知ったので、家づくり、家電購入、クルマ選びなどから考えてみたいですね。
【笹川さん】ブラウス¥33,000パンツ¥29,700(ともにサードマガジン)パンプス¥15,950(ダイアナ /ダイアナ 銀座本店)【優木さん】ブラウス¥34,100(EVE MANN/サードマガジン)パンツ¥19,800(ユナイテッドアローズ /ユナイテッドアローズ 六本木店)パンプス¥14,850 (ダイアナ /ダイアナ 銀座本店)【今尾】ニット¥20,900(エレ ストリオフ)パンツ¥37,400(スタンブリー)パンプス¥14,300(ダイアナ /ダイアナ 銀座本店)
第二回
今、サスティナビリティを謳うブランドは続々登場していますが、公約をいち早く発表し、その一歩先を行くのがロンハーマン。取り組みについてお話しいただきました。
「ロンハーマンでは〝2030年までにカーボンニュートラル達成〟を目指します」
ロンハーマン ウィメンズディレクター 根岸由香里さん
洋服って着ても着なくても、1着を生産するのに、500mlペットボトル約255本分に相当する平均25.5kgのCO2を排出してしまうんです。環境負荷業界第2位。作られた衣類を買って、着て、捨てる衣類のライフサイクルは人間の活動によるCO2の排出量の約10%。航空業界より多い数字。ファッション業界は、エコとは対極にある業界になってしまっています。事実、ここ10~15年、服の供給量はうなぎ上り。大量生産して安く売るビジネスモデルが主流になったことが理由としてあげられます。
ただ手をこまねいているだけではなく、本当にここ最近になってファッション業界全体で、環境に与える影響についてアクションを起こさなくては! と言う意識が高まっているんです。弊社でも〝Love for Tomorrow〟と題し、さまざまなSDGsの取り組みを行なっています。その1つが環境面で、温室効果ガスの削減(2030年までにカーボンニュートラルを達成)、余剰在庫を出さない、素材・資材の見直しなどになります。具体的には、電力会社から購入した再生可能エネルギーを用いた店舗の運営。すでに25店舗中5店舗が移行していて、残りは駅ビルなど商業施設に入っているため、施設側と対話を続けています。また、電気も自分たちで作ってしまおうということで、太陽光発電の施設も作りました。2023年までには既存店舗でのセールを廃止。仕入れや在庫の適正化を図っています。売り切れは、これまでは販売機会の損失と捉え、バイヤーとしてはミスでした。でももうそういう時代じゃなくなりました。大好きなファッションを諦めるのではなく、選ぶときの基準をちょっと変えてみるとか、今年買った新作でなくても今っぽいコーディネートを考えてみるなど、〝どうやって楽しむかを変えてみる〟ということを考えてみていただけたらと思います。
ただ手をこまねいているだけではなく、本当にここ最近になってファッション業界全体で、環境に与える影響についてアクションを起こさなくては! と言う意識が高まっているんです。弊社でも〝Love for Tomorrow〟と題し、さまざまなSDGsの取り組みを行なっています。その1つが環境面で、温室効果ガスの削減(2030年までにカーボンニュートラルを達成)、余剰在庫を出さない、素材・資材の見直しなどになります。具体的には、電力会社から購入した再生可能エネルギーを用いた店舗の運営。すでに25店舗中5店舗が移行していて、残りは駅ビルなど商業施設に入っているため、施設側と対話を続けています。また、電気も自分たちで作ってしまおうということで、太陽光発電の施設も作りました。2023年までには既存店舗でのセールを廃止。仕入れや在庫の適正化を図っています。売り切れは、これまでは販売機会の損失と捉え、バイヤーとしてはミスでした。でももうそういう時代じゃなくなりました。大好きなファッションを諦めるのではなく、選ぶときの基準をちょっと変えてみるとか、今年買った新作でなくても今っぽいコーディネートを考えてみるなど、〝どうやって楽しむかを変えてみる〟ということを考えてみていただけたらと思います。
「5年10年愛せるものを着られる大人になりたい」
VERYモデル 笹川友里さん
なんとなく、ファッションと環境って対局にあるものなのかなという気はしていましたが、家やクルマと違って、買い替えサイクルの速いものでもあるから、若干それは仕方がない部分もあるのかなと思っていましたし、私自身ができるのはお買い物を少し控えることくらいだと思っていました。でも今日具体的な数字を知ると驚愕。ファッションに関わる者としても考えを更新してアクションを起こしていきたいと感じました。まずは、(なるべく) 流行り物に飛びつくのではなく、5年10年愛せるものを着られる大人になりたいなと思います。微力ながら変わっていくことが大事。
「自分のときめきを信じて、愛着を持てる服選びをしたい」
VERYモデル 優木まおみさん
オシャレをすることは楽しみなことなのに、序盤、ファッションが排出しているCO2の量を聞いたらゲンナリしてしまいました。でも、自分がときめいたアイテムをじっくり愛することで、これからもファッションを楽しみながら、地球環境にも良いことができると分かり安心しました。価格が高い安いだけじゃなくて、ファストファッションでももの凄く気に入れば10年着たっていい。その1着に込められたメッセージや思いなどを知って選ぶことが大事ですね。そのために、ブランドサイトなどで発表されているそのブランドの取り組みを読むなど、アンテナを張りたいと思いました。
「これからは着たいブランド選びの基準の1つになると思う」
VERY編集長 今尾朝子
「マインドチェンジ」。お洋服を選ぶとき、見た瞬間のインスピレーションで「これ着てみたい!」というのもありますが、今日のようにブランドさんの考えや取り組みを知ると、これからはブランド選びの基準の1つになると思います。一方、消費者はこの服がどのくらいのCO2を排出して作られ、ここに並んでいるのか把握しにくい。だからこそ、信頼する企業やブランドが、ちゃんと開示してメッセージで伝えてくれると安心して買うことができると思います。
【笹川さん】トップス¥39,600パンツ¥29,700(RH ヴィンテージ/ロンハーマン)パンプス¥17,600(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)【優木さん】ニット¥25,300オーバーオール¥42,900(ともにロンハーマン)パンプス¥15,950(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)【今尾】シャツ¥28,600<ロンハーマン>デニムパンツ¥34,100<RH ヴィンテージ>(ともにロンハーマン)
オンライン講座からも検定問題が出題されます!オンライン講座用のメモシートをご活用ください。
まとめ
実際にオンライン講座を受講していただいた方々からも「考えるきっかけになった」「意識するようになるといろいろなことに疑問を持つようになった」というお声をいただいております。講座のアーカイブをご視聴いただきましたら、1月いっぱい『カーボンニュートラル検定』も受けられますので、ぜひ腕試しをしてみてください!
CN検定を受けてアンケートに答えると
プレゼントが当たる!
\#カーボンニュートラル検定に関する記事はこちら/