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新体操・鈴木歩佳選手の自己肯定感の陰にお母さんあり

挫折も「最後に笑って終われればいい」と乗り越える強さがあります

フェアリージャパンといえば可愛い女の子の競技。アスリートの彼女たちが心身ともにタフなのは想像に難くありませんが、その競技生活は想像以上の厳しさ。重力に逆らった動きに美しさを求められるだけでなく、逆境にも逆らって走り続ける精神力はどうマネージメントされているの?フェアリージャパン6年目にしてエースの鈴木歩佳選手を取材しました。ロシアでの練習漬けの日々でも母を身近に感じるのだそう。

鈴木歩佳さん

1999年9月27日生まれ。5歳から新体操を始めた。華麗な動きで正確に道具を操り、2014年の全日本ジュニア選手権で個人総合6位に入賞。翌2015年に団体代表フェアリージャパンのメンバー入り、2019年世界選手権で44年ぶりの団体総合銀メダル、団体種目別ボール金メダルに貢献。初の五輪代表、団体メンバー最年少。

最後に笑って終われればいい。五輪もその思いで挑みました

8月に開催された東京オリンピックで、チーム最年少ながら新体操日本代表「フェアリージャパン」のエースとして活躍した鈴木歩佳選手。3秒に1回繰り出される技の大半が鈴木選手が中心となって披露されるなど、言葉通りチームを引っ張りました。金メダルも期待されたオリンピックでしたが7位で決勝に進出し、8位でフィニッシュという結果に「直後は落ち込んだ」という鈴木選手ですが、「そればかり考えても前には進めない」と、気持ちを切り替え10月の世界体操・新体操選手権に照準を合わせて練習を開始したそうです。

大好きだからこそ辛くても頑張れました

新体操を始めたのは5歳のときです。もともと踊ったり体で表現をするのが好きで、家ではテレビの前でずっと踊っていましたし、幼稚園の発表会もとても楽しかったです。そんな様子を見ていた母が、新体操のクラブに連れて行ってくれたのですが当時は踊れるのが楽しくて、お遊び感覚でした。徐々に練習も厳しいものになりましたが、それでも続けられたのはやはり大好きだからこそ。技を習得していくにつれて、もっと難しい技に挑戦したい、それを見てほしい、表現したいという気持ちが大きくなっていきました。

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中学3年生で「フェアリージャパン」に合格できてとても嬉しかったのですが、その翌年のリオデジャネイロオリンピックの直前にメンバーから外されてしまい、初めて大きな挫折を経験しました。その時は「もう新体操は諦めようかな」と思うほど落ち込みました。しかし、ここで諦めたらこれ以上強くなることはできないと考え直し「東京オリンピックには必ず出るぞ」と、奮起しました。

異例のオリンピック開催延期。励ましてくれたのは母でした

東京オリンピックがコロナの影響で1年延期されることが決まった後、練習拠点のロシアに帰る前に2カ月ほど実家に滞在できたんです。1年延びたことで不安もありましたが、地元では応援してくださる人がいっぱいいて、そのことを再確認できたのはとても大きかったです。

特に母は、いつも笑顔で前向きな言葉をかけてくれるので心の支えになっています。フェアリージャパンに入ってからは、ロシアでの生活で離れて暮らしているのですが、たとえば海外での試合で日本時間の夜中に開催されるとしても、必ず配信で観戦してくれています。東京オリンピックの本番直前には、「いつも通り笑顔で楽しむことだけ忘れずに頑張ってきて」と送り出してくれました。母の影響もあり、「最後に笑って終われればいい」というのが私の信念になっています。その思いが根底にあるからこそ、前を向いていられるのだと思います。チームでも練習中によく、「今は辛いかもしれないけど、これを乗り越えたら絶対に強くなれる。笑って終われるなら、頑張れるよね」と話しています。

オリンピックは悔しい結果になってしまい直後はかなり落ち込んでしまいましたが、終わったことばかりを考えていても前に進めない、と気持ちを立て直しました。

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東京オリンピックの演技で宙を舞う鈴木選手。 

350日の共同生活。大切なのは互いを尊重すること

2014年の全日本ジュニア選手権で個人総合6位に入賞し、個人競技での代表出場も選択肢にはあったのですが、私は団体競技をあえて選びました。それは、達成する喜びをみんなで分かち合いたいと思ったからです。辛い練習もチームのみんながいたから頑張れました。

一年のうち約350日はロシアでの共同生活で練習に明け暮れる日々でした。喧嘩など人間関係のトラブルは一切ありません。寝食を共にする中で、1人ひとりの性格を理解した上で言葉をかけることをみんなが心がけています。家族よりも多くの時間を共にしていて、顔を見るだけで考えていることが分かるんです。厳しい生活の中で辛さが分かっているからこそ、一歩引いて客観的に捉えられていると思います。自然と互いを尊重する環境になっていますね。

フェアリージャパンに入った当時は、周囲はお姉さんばかりでついていけばなんとかなると思っていましたが、今は自分よりも若い選手が入り、引っ張っていく立場にもなったことで私自身も成長しました。目まぐるしく、大技に挑みながらも周囲も見渡せるようになったと思います。

今年9月にこれまで共に戦った仲間が引退したことは寂しいですが、相当な覚悟で本人が決めた道だと思うのでその決断を尊重したいです。いつでも仲間だと思っているので、笑顔で「またどこかで会えたらいいね」と言いたいです。

プライベートではK-popで表現力を勉強しています

一年のほとんどは練習があるのですが、プライベートな時間では友達との電話でリフレッシュしています。自分のいる環境とは違うさまざまな世界を知ることができるのが楽しいです。チームメートとの会話も盛んで、お互いにいろんな感情を吐き出すだけでストレスが発散できます。

K-popが好きなので、TWICEやBTSなどのダンス動画を見ては曲調によって変わる表情などを研究していますね。完全に新体操から離れることはないかもしれません(笑)。10月の世界体操・新体操選手権では、「クルリンパ」「ランドセル」「ミルフィーユ」といった見どころの多い技はもちろん、曲に合った表現なども工夫しているのでぜひいろんな方に見ていただきたいです。

「世界体操・世界新体操2021」を子どもと一緒に楽しもう!

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オリンピックの興奮が冷めやらぬこの秋、体操&新体操の世界大会が北九州の地で同時開催!初日は10/21の木曜日。見どころはなんといってもオリンピックでメダルを獲得した若きエース橋本大輝選手や、女子村上茉愛選手。VERY7月号でも取材をしたキング・内村航平選手の鉄棒も全力で応援したい!その翌週に続くのが世界新体操。フェアリージャパン実力発揮なるか!今回鈴木選手が中心となり繰り広げられる技の数々にお子さんも目を見張るはず!VERY編集部(@veryweb.jp)でも、インスタライブを通じて応援を予定していますのでご注目ください!

「でんぐり返しのその先へ!」プロジェクトでは松岡修造さんと我らがVERYモデルの辻元舞ちゃんが子育て目線で体操の魅力をトーク、深掘りしました!
G(=重力)に逆らえ!キャンペーンでは(=重力)お子さんの体操動画を募集。鉄棒、逆立ち、でんぐり返しほかお子さんの「できた!」という動画を募集しています。
\動画の送り先はこちら/

撮影/有馬秀星〈MOUSTACHE 〉 取材・文/馨都 デザイン/安藤恵美
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