1人目の子育てで、家族という“チーム”になった夫と、いざ2人目の子作りと思っても、そういう雰囲気にならなかったり、疲れ果てて毎日寝落ちしてしまったり…。「最後のセックスから、2年経っちゃった!」「このままでいいのかなって焦る…」「子どもがいるのにそもそも場所はどこで?」そんな悩みを抱える人は多いはず。そこで2人目妊活で出産したママに取材し、セックスレスな状況をどのように打破したのか伺ってきました。
お話を伺ったのは…
Mさん(主婦・33歳。子ども4歳&1歳)
3年交際ののち結婚。結婚3年で第一子が誕生後、3歳離れで第二子を出産。現在は子作りを目的としないセックスに挑戦しようとしているところ。
子作りのためのセックス
どこか、義務感を感じて…
――さっそく単刀直入なのですが、第一子出産後のセックスはどんなペースでしたか?
Mさん(以下M):授乳中はあまりする気がおきず、0です。正確には1度、産後半年くらいの時に挑戦したのですが、裂けた部分が痛くてまだ無理だなと…。
――授乳中あまりする気が起きなかった、という理由は?
M:裂けたところが痛かったほかにも、育児に疲れていてそれどころじゃなくて。夫も「おっぱいは子どものもの」みたいな感覚で、触るのも申し訳ないと思っていたみたい。私は授乳の人、という感じ(笑)。
周りのママ友は、している人としてない人に分かれていましたね。している人は産後1ヶ月くらいで再開、してない人はうちと同じように全くしていなくて。頻繁にしている人は旦那さんの性欲が強めなのか、妊娠中もしていました。うちのように子どもができにくかったり、妊娠に関してナイーブだった人ほどしてない気が。
1人目の時は排卵検査薬をして、「いざ」という感じでセックスしていたので、楽しむというより義務でしたね。もともと子どもは2人を希望していたので、産後の再開は自然な流れでできたらなと思っていました。
――したいなという気持ちはあった?
M:頻繁にしている友達の話を聞くと、女性として見られてないのかな?って悲しくなったり、焦ったりすることもありました。でも夫にお願いしてするのも癪だし、なにより私自身子育てで疲れ果てていました。
――積極的になれなかった理由は他にもありますか?
M:産後に体型が変わったことです。胸がシュンと萎んで垂れて、お腹もなんだか違うし、こんなんだったっけ?見られたくない!って思いました。特に授乳が終わってからの胸がすごくコンプレックスで、夫と一緒にお風呂に入ることも避けていました。
――旦那さんはどうでしたか?
M:1人目が生まれてから性欲が減ったらしいです。夫は2歳下なんですが、2人目も早めにチャレンジしないとね、という感じでお互いの考えは一致していたのですが、セックスを楽しむというよりは義務感からで気分が乗らないこともあったり…。
――そこからどうやって、妊活するようになっていったんですか?
M:テンションを上げるためにお酒と映画と下着ですね。ラブコメなどの映画を観ながら、リビングに布団を敷いて…とか。子どもが寝ているベッドでするのは抵抗があり、もともと夫のいびきがうるさく、夫だけリビングに布団を敷いて寝ていたので、そこで。寝室を分けていたので、寝る前の接触がなくなっていたのもレスに突入した原因なのかなとも思います。
――なるほど。下着はどんな工夫を?
M:授乳中はカップキャミばかり着ていたのですが、授乳が終わってから盛れるブラジャーに。「ちゃんと上下揃えるのは怠っちゃダメだよ」と、友達に言われて(笑)、黒い普通のものですが新しく買いました。いざつけると、その方が自分もテンション上がるなって。あとは化粧を落とさないことぐらいですかね。灯りは消しますけれど、回数をしないからこそ、その時くらいは、と思っていました。
1人目の育児で夫婦共に体力が…
話し合いで乗り越え、念願の2人目妊娠
――2人目の子作りを再開してから、自然と回数は増えていきましたか?
M:いえ、1回したらあっという間に半年空いてしまったりして危機感が芽生えました。でもその話をすると「する気はあるよ」と言うので、じゃあ今度してみる?という感じで話していました。
でも実際、夫の帰宅は割と早いのですが、そのぶん子どもの面倒を見るので帰ってきてからの疲れがすごいんです。とはいえしなさすぎると、ひょっとして他でしているのかな?と心配になっちゃって、めちゃめちゃ探ったりもしました(笑)。悩んでいるママ友の中には、実際浮気された人もいたので。
――お互い疲れてると、何のために?と思っちゃいますよね。
M:そう、それよりひとりで寝たい(笑)。お互い疲れている状態だとやりたくならないじゃないですか。でもそうすると子どもが小さいうちって永遠にできない。
――それでも、ちゃんとしようと思って行動できたのはなぜでしょう?
M:うーん、うちの場合はフラットに2人目の子作りについての話し合いが夫婦でできていたことが大きかったと思います。産後もレスにならなかった友達を見ていて、私は女性として夫に見られているのか心配な気持ちはありましたし、夫から求められる友達が羨ましくもあったので、会話の中での議題としてよく話をしていました。
――「レスが続くとパパの前でどんどん怖い妻になっていっちゃう」という声も他の読者さんから聞きます。
M:わかります。私も化粧せずいつも疲れた感じでピリピリしていたし、ストレスは夫にぶつけちゃうタイプなので暴言も言っていたし。うたた寝されてるだけでムカついて、「私の前でうたた寝しないで!」とかよく言ってました(笑)。でもそれを受け止めてくれる人だったから、2人目も一緒に育てていける、と妊活に前向きになれたのかもしれません。
――なるほど(笑)。家事育児もちゃんとシェアできる人だから歩み寄れた、ということですね。
M:セックス以前のコミュニケーションがけっきょく一番大事ですよね。2人目が生まれたのがコロナ禍のなかだったので、緊急事態宣言のあいだ夫はずっと家にいて、より子育ての大変さが身に染みたみたいです。でも今はそれで夫婦ともども家事育児で体力を使い果たし、疲れちゃって夜はその気になれないっていう感じです(笑)。でももう3人目は考えていないので、子作りというプレッシャーからは解放されました。これからは軽い気持ちでできたらいいなと思っています。やっぱり今まではセックス=子作り、だったんです。終わった後に、できたかな?できるといいね、って重い空気になっていたので。
まずはこれからの夫婦関係について、話し合ってみようかと思ってます。子作りを目的としていないセックスが久しぶりすぎて、まだどんなものか未知ですけど、できれば楽しみたいなと思いますね。
取材・文/有馬美穂