映画『えんとつ町のプペル』が公開されて以来、子供を持つママ達の間で話題になっています。Instagramでも〝家族みんなで泣ける物語〟とのコメントを多く見かけたり。そんな映画を作った西野亮廣さんに、ママライターが「聞きたいことがいっぱいある!」と臨んだ100分インタビュー。子育て世代必見の〝新しい着眼点〟が続々と! ここではその【前編】をお届けします。
※掲載中の内容は誌面掲載時(VERY2021年5月号)のものです。
Q:最初から子供向けに描いたんですか?
A:小さい頃から書き込み量の多い絵が好きだったんですよ。プラモデルの箱の絵とかジブリ見て、カッコイイと思ってた。絵本になると急に可愛らしい絵になることを疑問に思ってたんですよね。絵に対象年齢ってあったっけ?と疑問に思っていて。ビジュアルの好き嫌いに年齢はないんじゃないかなと思って、少なくとも僕に「絵本書きなよ」と言ってくださったタモリさんと僕は同じだったので、たくさんの人に刺さるかはわからないけど、対象年齢を設けるのではなく、好きなものを描こうと思ったんですよ。忙しいお父さんとお母さんが本屋さんで絵本を探す暇はないんだろうなと思って、だから昔読んだ本を手に取るのは仕方ないと思っていて、そこにグッと割って入りたいと思ったので、とにかく自分の好きなものを。エンタメを考えるときは基本母ちゃん世代が面白いと思うものを、それが基本なので。
Q:叩かれても理解してもらえなくても頑張り続ける原動力は?
A:目立つことをすれば反対意見は当然あるだろうし、もしかするともっと根深い妬みみたいなものもきっとあると思うんですね。そのときに、僕だけじゃない、周りのスタッフやファンの方まで叩かれる。「そんな間違ってることやってるっけ?」ってのがずっとあって、まわりが理不尽な叩かれ方をしているので、自分を支えてくれてる人達が間違ったことやってないよ、ということを証明したいじゃないですか。そこが一番の原動力。だから普段周りの方にガソリンもらってるんだと思います。力をもらってる。だから頑張れる。1人じゃとっくに諦めてたと思います。
Q:失敗があって今があると思いますか?
A:もちろんそれは。失敗しない人なんているわけない。基本的に人って損したくない生き物だと思うんですよ。「AとB、どちらか選んでください」となった時に、結果よりもその場で損しない方を選ぶのが人だと思うんですよ。子育てもそうなんじゃないかなと思う。基本的に損したくないから怪我しないように、トラブルが起きたら困るから起きないように先回りしちゃいたくなるんじゃないですかね。でも人間って〝回避行動してるんだな〟ってわかっておくだけで、面白い判断ができるんじゃないかなって思う。実は危機回避してるときの方がすごい損をしてる場合があるんですよ。これを理屈でわかっておくと、選択を迫られた時に、感情で判断するんじゃなくて対応が変わってくると思う。
西野亮廣さん
’80年生まれ。お笑いタレントでありながら絵本作家であり、国内最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の運営など幅広く活躍。5月に絵本『みにくいマルコ〜えんとつ町に咲いた花〜』が発売。
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撮影/倉本ゴリ〈Pygmy company〉 取材・文/高橋志津奈 編集/井上智明
*VERY2021年5月号「キングコング西野さん、絵本で何を伝えますか?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。