2019年11月、漫画家・清野とおるさんと結婚した壇蜜さん。話題になった“半別居婚”から１周年を迎えた心境や、閉塞感のある今の時代を生きるヒントについて語った＜前編＞壇蜜さん半別居婚で１周年「“結婚してみる”ことにしてわかったこと」に続き、後編では、心身の健康を保つ秘訣や、壇蜜さんの日常が窺える“壇蜜写真館”も公開。

※VERY2021年1月号掲載「壇蜜さんが結婚しても『縛られない』理由」より。

「これは仕事！」と
言い張ってサボっていい

──日頃、忙しい読者に「これをやるといい」とすすめられることはありますか？　美容でも、心身の健康を保つ秘訣でも。

お聞きする限り、基本的に一人になる時間を作るのも難しい人が多いんですよね？　美容とか健康へのこだわりってその一歩先にあるものだと思います。まずは、何としてでも自分だけの時間を作ることができるといいですね。今は、こういう時だから難しいでしょうが、家族には「大事な用があるから、どうしても行かなくちゃいけない」って言って出かけてもいいと思う。仕事と言い張ってもいいから、言い訳を作って、定期的に集まって、好きな事だけをする。そういう部活を作れたらいいですね。それでみんなでお尻搔きながら、『愛の不時着』を見るの。自助会みたいにケアしあう集まりです。多少大げさでもいいから、翼が片っぽ折れています宣言をして、「病院に予約を入れちゃった」「仕事のスキルアップのための大事なセミナーなの」とかなんでもいいですよ。今は、合理主義がまかり通って、他人が楽しているのが大嫌い、自分は絶対損はしたくないという人の多い世の中です。そこでは、ちょっとズルくならないと。正直な人、優しい善人ばかりが損する世界にはなって欲しくないです。それでも何か文句を言われたら、これは、おすすめしてよいのかわかりませんが、「お母さーんっ!!」って泣き叫んでみせればだいたいの人は、怯ひるみますから（笑）。そこで、「行ってもいいよね？」。別にお母さんじゃなくても好きなアイドルの名前でも何でもいいんですけどエマージェンシーボタンとなるものは、必要ですよね。

《 壇蜜写真館 》

食事中、ネコがいつも清野さんの利き手の上に座るのでご飯が食べられなくて彼は困っています（笑）。うちで飼っている鳥にもよく頭の毛をついばまれていて、清野さんの周りに切れ毛が散乱している。彼は基本的にいつも弱っている人なのですが、動物ってそういう人を狙ってくるみたいです。

脱皮をすることで大きくなる爬虫類は、私たちと違うサイクルで生きているので神秘的。2匹飼っていて、1匹は80センチ、写真のヘビコちゃんはもう120センチに成長しました。理屈じゃ動いてくれない生き物がいると、自分の想像力が広がったり、手に負えないものと向き合うことで諦めがつくこともある気がします。

『結婚してみることにした。壇蜜ダイアリー2』
（文藝春秋・1,100円＋税）

──「嘘は少しついたが比較的善人のふりをして生活できた」。食べる、眠る、ゆっくり泳ぐ、長めのサウナ……そんな毎日から「いい夫婦の日に、結婚。まさか自分がそんな日を選ぶとは」。壇蜜日記史上最大の出来事……!?　ほろ苦くて甘い蜜、のリアルな日々。結婚前後の日々を綴る人気日記シリーズ最新刊。

取材・文／髙田翔子　編集／フォレスト・ガンプJr.

＊VERY2021年1月号「結婚しても、この世界が変わっても 壇蜜さんが『縛られない』理由」より。
＊掲載中の情報は誌面掲載時のものです。