イレギュラーだと思っていた在宅ワークが定着し、家族が家で過ごす時間が増え、結局一番忙しくなり、アレコレ気を回してアワアワしているのは私だけ……? 夫と子供が一日家にいるとどうもリラックスできない、そんなママの悩みを解決するヒントを専門家の先生にもらいました。
\教えてくれたのは/
◉五百田(いおた)達成さん
作家・心理カウンセラー。『察しない男説明しない女』など男女コミュニケーションをテーマとした本も多数執筆。
家で居心地が悪くなる妻には3つのタイプがある
1. 夫の邪魔をしてはいけない「萎縮タイプ」
「夫は仕事の70%の時間、オンライン会議をしています。私は育休中で、保育園にも預けられず、子どもが騒ぐたびに〝シー! パパお仕事中だから!〟と注意するのも切なくて……」(Sさん・37歳、2歳・0歳女の子ママ)「夫は仕事モードになると人が変わったように空気がピリピリ。テレビもつけられなくて居心地が悪いです」(Aさん・32歳、7歳女の子ママ)
2. 夫が邪魔をしてくる「割り込まれタイプ」
「もともと私は在宅ワーカーで、3月から夫も同じ空間で仕事をすることに。〝お昼どうする?〟〝夕食の買い出ししてある?〟と、家事のタスクを聞かれるたびに、一人になりたい……と思います」(Yさん・35歳、5歳女の子・3歳男の子ママ)「専業主婦の私が暇だと決めつけ、〝コーヒー淹れて!〟〝スキャンして!〟と、雑用係扱い」(Kさん・39歳、5歳女の子ママ)
3. 久しぶりの二人っきりが気まずい「戸惑いタイプ」
子どもが登園校後、夫と毎日二人きり! 産後初めてどころか、付き合ってた頃もこんなに一緒にいる日々はなかったので、ぎこちなく、会話も続かなくて気まずい」(Tさん・41歳、9歳・4歳女の子ママ)「海外赴任から帰任が決まり、バラバラの生活に慣れてしまっていて、こんなことも報告しなきゃだっけ……と戸惑いました」(Kさん・37歳、6歳男の子ママ)
◉専業主婦のママたちへのアドバイス
夫に言い出せない妻たちへ。
イライラしない・わかってもらえる
魔法の言葉
夫婦は今、まさに過渡期! ここを乗り越えたご夫婦は、以前よりも平和になったという声を耳にします。
実はこのお悩みは、子どもが巣立ったときや、定年後にやってくる、夫婦にとってお決まりの問題。ここをしっかり乗り越えておけば、熟年離婚などもないと言えるでしょう。
そもそも夫婦は、同居人であり、戦友であり、恋愛相手(友人)です。同居人であれば、最低限のマナーとルールで、お互いが過ごしやすい環境を作るべきです。戦友なので、〝報・連・相〞が不可欠です。恋愛相手(友人)には、気遣ったり、労いの言葉をかけますよね。これらを守れば、うまくいくはずなのです。
在宅ワークに充実感を感じると話す男性の背後で、献身的な妻のハウスメーキングが見え隠れします。それに男性は気づいていないことが多い。女性側も少しずつでも声を上げるべきです。夫婦関係がうまくいく声かけのヒントをご紹介します。
1. 「家族を効率よく運営するため話し合いしませんか?」
仕事モードの男性が受け入れやすい表現を
女性の方が、多くの家事や雑務を受け入れ、不満をため込んでいるのも事実です。理屈っぽいタイプの男性が相手だと、言い包められてしまったり、事を荒立てたくないという人もいると思います。そんなときは、仕事用語を使って「システムを変えませんか?」など、会社でプレゼンをするように話してみると、話を聞いてくれる人が多いようですよ。
2. 「お疲れ様!リンゴむくけど食べる?」
些細なことでいい、コミュニケーション3割増
今まで一緒に過ごす時間が極端に短くて、いまさら何を話したらよいかわからない、会話がぎこちない、というご夫婦は、まずは気遣いの声かけも重要です。ありがとう、お疲れさま、これ食べる?など、友人が隣で仕事をしていたら当然のようにかけられる言葉が、夫婦だと出なくなってしまっている場合があります。冗談が言い合えるようになったら成功ですね。
3. 「相談したいことがあるんだけど、一人の時間が欲しい」
家族の問題として相談する〝We話法〟を
まずは話の導入で「相談があるんだけど……」と切り出します。不満や主張ばかりを並べず、「我が家のルール、見直した方がいいと思うんだけど、どうしたらいいかな」など、私たちという〝We話法〟で会話を進めます。その上で、「私ももっと家族のために効率的に動きたいから〇〇したいんだけど」など自分の主張も織り交ぜていくことがおすすめです。
4. 「私も疲れているので、手伝ってください!」
〇〇だから△△という構文で
女性側もただただイライラしたり、ツンケンしていても、その理由は一向に相手に伝わりませんし、解決もしません。その心の内を声に出すことが大切です。「私は朝からイライラしています。だから優しくしてください!」と明文化してみてください。思ったよりもあっさりと「そうなんだ、わかった」という返事が返ってくることが多いのです。
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撮影/五十嵐 洋 取材・文/渡邉里衛 編集/井上智明
*VERY2020年11月号「夫と子供が一日家にいる日が苦痛……に悩む人もいる『どうしてだろう、家に私の居場所がないなんて』」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。