VERY December 2021
VERY NAVY

VERY

December 2021

2021年11月6日発売

890円(税込)

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年末年始の食卓に“漆のお椀” 普段使いしたい作家ものおすすめ6選

艶やかで美しく、食卓にぐっと高級感が出る憧れの漆器。頻繁に使うと漆が剥げたりしそうでデイリーには向かない?と思われがちですが、実は、漆器は一生もの。 使ううちに変化する色や表情も魅力。子どものうちから良いものに触れるためにもとてもいい習慣といえそうです。漆器デビューは毎日食卓で使う「お椀」が取り入れやすくおすすめ。普段使いはもちろんギフトにも最適な漆のお椀を厳選しました。

“毎日使うこと、毎日洗うことが、
漆器のなによりのメンテナンスになります”

 

◉お話ししてくれたのは……
輪島キリモト七代目 桐本泰一さん

石川県輪島にて、200年以上「木と漆」の仕事に携わってきた桐本家。老舗七代目の桐本泰一さんに漆器の扱い方についてお伺いしました。「何も特別なお手入れは必要ありません。強いて言えば、洗った後なるべく早く木綿の布巾やタオルなどで拭くことくらい。乾燥が大敵なので、毎日使って毎日洗うことが必要な水分を補給することになり、何よりのメンテナンスです。漆は丈夫ですが、衝撃によりヒビが入ったり、急激な温度変化で漆の表面が変色してしまうことも。でもしっかりした木地に丁寧な下地が施された漆器なら直すことができます。漆器は、直しながら使っていく生活の道具で、代々受け継いで楽しめるものです」。

 

長井塗りといわれる
熟練の技術で漆器を制作

◉Hitoshi Nagai produce

「長井 均」

輪島の塗師である長井さんは夜間高校に通いながら住み込みで修業をされ、職人として独立後作家に。このお椀は、はなびらのように口元が広がったデザインが特徴。長井さん独自の呼び方で「茜朱」と呼んでいる魅力的な赤溜。使って洗って拭いてを繰り返すことでさらに艶が増すためどんどん愛着がわくはず。はなびら椀(φ12×H8㎝)茜朱¥12,000(うつわ楓)

 

 

「お料理を盛る、洗う、拭きあげる」
繰り返すうちに独特の艶がアップ

◉Takayuki Hachiya produce

「蜂谷隆之」

輪島にて修業ののち独立。古典的な技法を用いながら、装飾を排したシンプルで飽きのこない独自のスタイルを確立し、気軽に普段使いできる漆器を提案。多用椀は輪島塗に古くから伝わる合鹿椀(ごうろくわん)をベースに、使いやすいサイズにアレンジ。高台の底と縁に施された布着せがアクセントに。多用椀(φ12×H8㎝)黒・朱各¥10,000(ともにMARKUS)

 

 

飯椀として、具だくさんの味噌汁や
煮物を盛る鉢としても応用自在

◉Akito Akagi produce

「赤木明登」

元編集者という経歴を持つ赤木さんは、現代の漆デザインをリードする漆師のひとり。この飯椀は、木地に和紙を張った後、漆を塗り、研ぐという工程を何度も繰り返して生まれた独自の作風の飯椀。最初はマットな質感ですが、使い込むほどに色は深みを増し、光沢が生まれます。飯椀(φ13×H8.2㎝)赤・黒各¥20,000(ともにyaichi)

 

 

傷がつきにくくて目立たない!
刷毛目を残した漆器は日常使いに最適

◉Atsuo Yamagishi produce

「山岸厚夫」

実家の「河和田漆器」で修業。気軽に使える漆器をと、根来(ねごろ)塗をベースに刷毛目を残す技法で製作。このお椀は、コロンとした手まりをイメージ。根来は黒漆の上に朱漆を重ねたもので、使っていくと黒の部分が多くなり、曙は朱の部分が多くなる経年変化も魅力。まり汁椀(φ10.5×H7.5㎝)黒/曙・赤/根来各¥6,000(ともにKOHORO)

 

 

裏底に指がかけられるよう窪みがあり
持ちやすさの工夫もうれしい

◉Shinji Kobayashi produce

「小林慎二」

赤木明登さんに師事し、2007年に独立。現代の食卓に似合う、カジュアルでおしゃれな漆器が人気。高台のない漆の椀は自由に使ってほしいという小林さんからのメッセージが込められており、汁椀、小鉢、飯椀、デザート鉢、なんでも活躍しそう。落ち着きのあるマットな漆の質感も美しいお椀です。まゆ椀〈小〉(φ10.5×H7㎝)赤・黒各¥10,000(ともにうつわ楓)

 

 

漆器が本来持つべき美しさ
使い心地を形にした漆器

◉Tomoaki Nakano produce

「中野知昭」

河和田塗で知られる福井県鯖江市の塗師。「塗り立て」と呼ばれる刷毛塗りでフィニッシュする上塗りの美しさに定評が。独立以来、毎日使うことを信条とし、暮らしの中で使えるシンプルでスタンダードな漆器を作り続けています。息子さんのお名前に因んで付けられたという「日愉椀」という名前も素敵。日愉椀〈小〉(φ11.5×H7.3㎝)朱・黒各¥8,500(ともにギャラリーやまほん)

 

 

<あわせて読みたい>

▶︎安田美沙子さん日々の漆器使い「子どもに本物のよさを感じ取ってほしい」

■これらの美しい漆器が揃うお店

特別な漆器を選びたい人におすすめのお店。人気作家さんの作品展を開催したり、オンラインで購入できることもあるのでチェックしてみて。

【長井さん、小林さん器】うつわ楓 東京都港区南青山3-5-5 ☎03-3402-8110 utsuwa-kaede.com
【赤木さん器】yaichi 埼玉県北本市中央2-64 ☎048-593-8188 www.yabedesign.com
【蜂谷さん器】MARKUS 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-15 武蔵野カントリーハイツ112号 ☎0422-27-2804 marku-s.net/
【山岸さん器】KOHORO 二子玉川店 東京都世田谷区玉川3-12-11 1F ☎03-5717-9401 kohoro.jp
【中野さん器】ギャラリーやまほん 三重県伊賀市丸柱1650 ☎0595-44-1911 www./gallery-yamahon.com

撮影/山田英博 スタイリング/岩﨑牧子 取材・文/沼田珠実 編集/永吉徳子

*VERY2020年10月号「そろそろ、きちんと漆器デビュー」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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