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【家事支援サービスもっと身近に】苦手な家事は「プロに頼っていい」!

家事支援サービスを利用するママが増えるいっぽうで、「他人を家にあげることに抵抗がある」と、利用に足踏みする人が多いことも事実。その気持ちをより詳しく聞くと、「自分でできるからお金を払ってまで頼むことじゃない」「家が散らかっているのを見られたくない」など、さまざまな思いが。こういった、【家事支援サービスを頼む抵抗感】を、変えていくには? 東京大学多様性包摂共創センターの中野円佳さんに、VERYモデルの木佐貫まやさんが聞きました。
中野円佳さん

中野円佳さん
東京大学多様性包摂共創センター准教授。東京大学教育学部卒業後、日本経済新聞社を経て2015年よりフリージャーナリストとして活動。 2022年から東京大学男女共同参画室、24年から現職。 女性の就労やジェンダー、教育などを研究・取材する。著書に『なぜ共働きも専業もしんどいのか』など。

VERYモデル木佐貫まやさん

木佐貫まやさん
VERY専属モデル。2022年にモデル事務所「YELF INC.」を設立し、モデルマネージメント業に加えブランド運営など幅広く活躍。4歳と2歳の男の子のママ。

家事支援サービス、使わない理由は?

VERY読者に聞いてみた

N・Nさん/5歳女の子ママ、共働き、東京都在住
S・Nさん/6歳男の子ママ、共働き、神奈川県在住
4歳、8歳男の子ママ、共働き、大阪府在住

2人目出産後、しんどかったけれど
家事支援サービスに頼れなかった過去

中野円佳さん(以下、中野) 木佐貫まやさん(以下、木佐貫)
木佐貫:夫は出張や会食が多く、基本的にはワンオペ。でも私、家事支援サービスを実はまだ使ったことがないんです。私自身が結構きれい好きで、家が整っていないとイライラしてしまうので、自分でなんとかやってきました。
中野:それでも、お子さんが小さい頃は大変だったんじゃないですか?
木佐貫:2人目のときは本当にしんどかったです。家もぐちゃぐちゃ、子どもたちは泣いているし、自分のメンタルもしんどくて。家事支援サービスのアプリに登録して、依頼しようかどうか迷ったことも。でも結局依頼しなかったんですよね。
中野:なぜだったんでしょう?
木佐貫:今考えると、「自分でできるしな」という気持ちだったのかもしれません。それに、知らない人が家にいることに慣れていなくて。産後で自分もボロボロだし、散らかっているところを見られたくないという気持ちがありました。
中野:そこは、日本で家事支援が広がりにくい理由のひとつですよね。私たちの親世代は専業主婦だったり、たとえ働いていても母親が家のことを主に担っていた場合が多い。だから「家事は母親がやるべき」という意識が残っているし、加えて、いま都市部の住宅は家の中がかなりプライベートな空間になっています。そこに他人が入ってくること自体がハードルになりやすいのだと思います。
木佐貫:すごくわかります。実は私、シッターさんは6年くらい利用しているのですが、今でも来てもらう前に、本当は必要ないのに掃除したり(笑)。
中野:以前暮らしていたシンガポールでも、日本人の駐在家庭は家事支援を利用する際に「今日はメイドさんが来るから掃除しなきゃ」と言う、みたいな冗談がありました。家事ができていることが女性への評価と結びついてきた、社会的背景もあると思います。できていないところを見られるのが恥ずかしい、というか。

「家事」ってひとくくりにしすぎかも?
得意・好きなことは自分で、苦手はプロに頼っていい

木佐貫:あ、でも洗濯代行のサービスは利用することがあります! 本当に苦手なので……。
中野:苦手なものを切り出して頼んでいるんですね。
木佐貫:はい。私、洗濯が好きじゃないのかもしれない(笑)。いっぽうで片付けや断捨離は大好き。ストレス発散になるくらい。
中野:私は逆で、洗濯はそんなに苦にならないけれど、掃除と料理はできるだけやりたくない。家事とひとくくりにすること自体が、ざっくりしすぎているのかもしれませんね。料理、洗濯、掃除、整理整頓、買い物と細かく分けて、どれを自分でやり、どれをプロにお願いするか考えてもいいのかもしれません。
木佐貫:確かに。家事って細かくしたら100項目は軽くありそう。炊飯器の内蓋を洗うとか、シーツ交換とか、洗濯機のフィルター掃除とか、もう無限に(笑)。
中野:そうそう。エアコンのクリーニングや水回りの掃除なら「プロに頼もう」と思える人は多い。ただ日常の食器洗いや洗濯、掃除になると、自分でもできるのに急にお金を払うなんてと考えてしまう。
木佐貫:でも料理ができるとか、掃除ができるって、私はすごい才能だと思うんです。本当に、お金を払ってしかるべき労働ですよね。
中野:そうなんです。家事支援サービスを“家事のプロフェッショナル”として考えてみると、「自分でもできることにお金を払う」ではなく、「自分ができないことを、得意な人にお願いすること」なんですよ。
木佐貫:私はシッターさんに対しては、まさにそう。子どもが0歳の頃から利用しています。正直、はじめは抵抗感が多少はありました。でも3回目くらいには「これ、すごくいい時間」って。赤ちゃんから少し離れて、気分転換して戻ると、子どもへの接し方も変わるんですよね。それに何より、シッターさんに来てもらうことで、子どもの新しい面が見えるんです。シッターさんは子どもと接するプロなので、私とはしないような会話をしていたり、子どもたちが自分の力で色んなことができるよう上手に促していたり。
中野:そうなんですね。家事支援も似ている部分があると思います。人にやってもらうと、「こうすれば家の中って片付くんだ」「この味付けだと家族みんなが食べるんだ」などと、プロの介入で家事の新たな一面を知ることができたりするんです。

「外注すればいい」で終わらせない
夫婦で考えたい、我が家の家事の分け方

中野:私の場合ですが、実の親が家に来て家事をやってもらうより、むしろ外注するほうが気持ちが楽でした。親が家に来て「やろうか」と言ってくれると、自分ができていないことを指摘されているような気持ちに勝手になってしまって。
木佐貫:同じように感じるVERY読者の方も多そうです。世代差もありますよね。
中野:お金を払って第三者に仕事としてお願いするほうが、余計な価値判断が入らず気楽なんですよね。
木佐貫:ただ、いざ家に他人を入れるとなると、セキュリティが気になる人もいそう。私はシッターさんをお願いするとき、ご本人にもお伝えした上でカメラをつけているのですが、家事支援を利用する際にもカメラをつけていい事業者はありますよね。
中野:それに、利用し始めの時期は留守宅ではなく、自分が家にいる時間にお願いする方法もいいかもしれません。子どもと遊んでいる間に、キッチンで料理をお願いするとか。それから、トラブルがあったときに本部が間に入って対応してくれる会社なのか、単に利用者とスタッフをマッチングするだけなのか。そして我が家だったらどんなサービスと相性がいいのか、といった点もチェックしてほしいです。利用する側も、家事支援サービスについて少しずつリテラシーを持っていけたらいいですね。
木佐貫:相性もすごく大事ですよね。一度信頼できる方が見つかると、本当にありがたくて。
中野:家事支援も同じ。私も一時期、一人の方に定期的に来てもらっていたことがあり、すごく楽になりました。「このスポンジはこれに使ってください」などと、毎回細かく説明する必要がなくなるから。ちなみに、事業者を探したり、料金を比較したり、相性のいい人を見つけ、管理するというところも、つい女性に偏りがちなので、一人で抱えないことも大切です。
木佐貫:それ、うちは夫も一緒にやってくれているんです。
中野:それだって立派な役割ですよね。
木佐貫:夫は皿洗いこそあまりしないけれど、自治体への手続きなど事務的な作業は請け負ってくれるんです。それでバランスが取れているのかも。
中野:家事を細分化して考えると、料理や洗濯だけじゃなく、家庭を回すための事務作業も家事のひとつということが分かる。我が家は今、夫が料理担当で、今は作り置きのサービスも夫が頼んでいます。家事支援サービスが広がっても、結局「女性が自らケアを頼む」という構造だと、男性は蚊帳の外のままとなりがちだと思います。夫婦で誰が何を担うのか、何を外に頼むのかをフラットに考えられるといいですね。

人に頼る姿を見せることも大切。
「家事は立派な仕事」と子どもに伝えたい

木佐貫:確かに、夫に「外注すればいいじゃん」とだけ言われてしまうと、モヤモヤしそう!
中野:妻は外注したいのではなく、「あなたと一緒に担いたい」と思っているかもしれないし。あと、子育て中は「待てないこと」と「待てること」を分けてもいい。子どものケアは“今”対応しなければならないことが多い。でも掃除は、多少待っても死なないです。
木佐貫:死なないです(笑)。
中野:それに日本の家庭は、きれいにしすぎている部分もあると思う。家事を多少ためて、2週間に一度プロにガーッときれいにしてもらう、という考え方だってあります。
木佐貫:SNSの「毎日リセット」みたいな動画、すごいですもんね。見て、自分もやった気持ちになって、終わることも(笑)。
中野:それでいいと思います。そして、家事支援を使うからと家事を全て手放す必要はない。好きな家事は自分でやればいいのだし。
木佐貫:本当にそうですね。私、SNSで「どうしていつもそんなにポジティブなんですか?」と聞かれることがよくあるんです。でも別に、いつも元気なわけじゃない。抜くところは抜くし、人の手も借りています。やり取りの中で感じるのは、特に日本のお母さんたちは、何でも自分でやろうとしすぎちゃうのかな、部分部分で頼っていいんじゃないかなって。
中野:自分が大切にしたいもののために家事支援を頼む、という発想ですよね。子どもとの時間をつくりたい、自分の時間を持ちたい、好きな仕事をしたい。そのために苦手な部分をアウトソーシングする。そういう姿を子どもに見せることにも意味があると思います。「人に頼っていい」「家事は誰かが無償で当然にやるものではない」「プロにお金を払ってお願いする立派な仕事なんだ」ということも伝わりますよね。
木佐貫:そうですね。家事を全部ちゃんとやることより、自分が機嫌よくいられて、子どもとも気持ちよく過ごせることのほうが、今は大事だと思っています。

PR・お問合わせ先/経済産業省

木佐貫まやさん/ブルゾン¥52,800ジレ¥41,800(ともにパハマン)トップス¥14,960(ブロッサム)パンツ¥33,000(ザハイライツ)ピアス¥66,000(エトワライト)リング¥27,500(マサナ)シューズ¥27,500(リミット ティル トゥエンティスリー フィフティナイン/トーケン)ベルト(スタイリスト私物)
撮影/木村 敦〈Ajoite〉 ヘアメーク/Hitomi〈Chrisantemum〉 スタイリング/山本有紀(木佐貫さん) 取材・文/有馬美穂
衣装協力エトワライト https://www.etoilight.com/
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