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つい子どもを叱ってしまう…どこまでOK?|専門家が答える“教育虐待”Q&A

Q.2

小学校受験のノルマは毎日ペーパー100枚。朝もペーパーが終わらないと登園させないルールだったので、ほぼ毎日遅刻していました。「この問題ができないと小学生になれない!」と脅しめいた言葉をかけたことも。無事合格しましたが、今思うと、追い詰めすぎたかもしれないと反省しています。(9歳・女の子ママ)

 

 

A.暴言は脳にダメージを与える虐待行為です

脳科学の研究で、子どもの自尊心を傷つけるような言い方は、精神的に萎縮させるだけでなく、脳にもはっきりとネガティブな影響が出るとわかっています。自信がない、常に体調不良や不快感がある、自分の気持ちや体調をコントロールできない、対人関係がうまくいかないなど影響は様々ですが、大人になって症状が出ることも。叱ると暴言との線引きは難しいですが、このような脅しは暴言ですね。親は「酷いことを言ってしまって…」と誰かに話すことで負担が軽くなりますが、子どもは誰にも相談できずにずっと残りますから、このような言葉がけは止めましょう。

答えてくれたのは…
●古荘純一先生
小児精神科医。青山学院大学教育人間科学部教授。現在も医療臨床現場において、神経発達に問題のある子どもや不適応状態の子どもの診療を行っている。「親の期待に応え続けることは、子どもにとって本来の姿を否定され続けること」だとし、そういった子どもたちは精神疾患を発症するリスクを抱えてしまうと警鐘を鳴らす。著書に『教育虐待・教育ネグレクト』『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』など多数。

撮影/古本麻由未 取材・文/宇野安紀子 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2020年4月号「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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