VERY March 2025

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March 2025

2025年2月7日発売

1000円(税込)

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YouTube漬けキッズに『10秒ニュース』が効くらしい【News Pick Education蒲原慎志さん】

ニュースに触れる機会が減った今の子どもたちへ、親ができることはある?NewsPicks Educationの蒲原慎志さんに効果的な時事問題のシェア方法を伺いました。

「見たい動画」ばかり観る姿にふと不安になることも…
どうやって子どもを
ニュースに触れさせればいいですか

世界を巡るニュースのイメージカット

「動画漬けの我が子。将来、ニュースを理解できますか?」

小さい子なら、ニュースよりも絵本を
読んで感情をシェアするほうが大事

子どもも大人も、「ニュース」のイメージが狭いのかも、と思います。政治、経済、国際的な話題が主で、知っておくべきことだけど、難しくてよくわからない。わからないからもっと遠ざかる、の悪循環。でも、ファッションもお菓子の新発売も、生きている社会そのものが全部ニュースなんです。誰もが必ず触れている。まずは「わからない」「よく知らない」という罪悪感を手放して欲しいです。 その上で、子どもが動画ばかりでニュースを全然知らないのでは、という漠然とした不安もよくわかります。ただ小学校低学年くらいまでの時期は、ニュースに触れた時に動く心、感情を育むほうがよほど大切。成長すれば語彙が増え、自然にニュースを理解します。その時に、感じる心がなければただの情報。例えば戦争のニュースを目にして「ふーん、人が死んでるんだ」だけになるのは怖いですよね。その出来事の先に誰がいるのか、どんな感情があるのか。思いを馳せられる人になるには、ポジティブもネガティブも多様な感情を感じて、表現して、受け取ってもらう経験をたっぷり積むことが大事です。

だから小さいうちは、絵本にたくさん触れて欲しい。絵本は想像力と語彙力を養うための絶好のアイテム。感度の土壌を育むのにうってつけです。子どもが夢中になるニュースメディアがあれば助かるのに、との声も理解できますがなかなかないのが現状です。ただ、子どもにとって最大のメディアはやはり親。「忙しくてそんな余裕は」と身構えてしまいますが、必要なのは解説ではなく感情のシェア。ニュースに出合った時「ママはこれを知って辛い」「おかしいと思う」「嬉しいね」などの気持ちを伝えればいいんです。父親はまたそれと違う感情かもしれない。ニュースを通じて身近な大人の感情に触れ、子どもは自身の感情を知っていきます。

毎日ひとこと、「10秒ニュース」なら
誰でも実践できるはず

実践するなら家庭で「10秒ニュース」はいかがでしょう。NewsPicksが中高生向けに取り組んでいる「10分ニュース」のライト版。親が触れたニュースを10秒でいいので、日頃から口に出して子どもに伝えるだけ。「あのお菓子の新しい味出たんだって」「お米が高くて困った」「また選挙あるんだよ」とか。解説も答えもなくていいんです。毎日数秒ならきっとできる。子どもの土壌に雫を落としていく感覚です。

蒲原さんも推奨!

担当ライターが10秒ニュース、やってみた

[Before] 3歳ごろ、ニュースの映像が怖いと泣き出した娘。それ以来8歳になる今までニュースをほぼ見ない生活。YouTube漬けの姿に一抹の不安……。
[After] 「なんで戦争してるの?」などド直球な質問にきちんと答える自信がなくニュースの話題を避けてきたけれど、解説ではなく感情のシェアを10秒するだけでいいとわかり、親側がプレッシャーから解放されたことが大きかった。「大統領選どうなるのかな?」から「推しがパリコレ行ってる!」まで、自分の中で完結させていた話題を娘に気軽に話すように。ふとした時に娘からその話題が出ることも増え、こんな自分でも種まきできるんだと実感!

PROFILE

蒲原慎志さん

蒲原慎志さん
かもはら・しんじ NewsPicks Education 事業責任者。全国の小中高で、総合の時間や教科の時間で講師を務め、教員研修も担当。中高生向けのプログラム「10分ニュース」(5分で各自ニュースに触れ、残り5分で気になったニュースを仲間と分かち合う)に取り組む。

イラスト/STOMACHACHE. 取材・文/西原 章 編集/中台麻理恵
*VERY2025年1月号「今、どうやって子どもをニュースに触れさせれば」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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