子どもを狙う犯罪者は、絵や漫画にあるような〝いかにも不審者〟な雰囲気とは限りません。それなのについ「変なおじさんについていったらダメ」などと教えていませんか? いま、新型コロナウィルスの防止を騙って子どもに近づく不審者のニュースもあります。子どもの中でも不安が多いいま、知っておきたい「子どもを狙う不審者」の声かけ8つのパターンを教えてもらいました。
子どもを狙う人の8つの声かけパターン
➀権威型「校長先生が呼んでいるよ」
②利益型「うちで、新しいカードゲームをあげるよ」
③希少型「(有名人)に会わせてあげるよ」
④特権型「君だけにこのおもちゃをあげるよ」
⑤脅迫型「ついてこないと、殺してやる」「今車を傷つけただろ。こっちへ来い」
⑥緊急型「君のママが交通事故に遭ったから一緒に来て」
⑦親切型「駅までの道を教えて」
⑧興味関心型「猫の赤ちゃんが生まれたから見にこない?」
実際の例で女の子に「スマホを木の上に上げちゃったから、木に登って取って」という例では、多分スカートを覗きたかったか、肩車などをして接触したかったのでしょう。急に呼び止め「頭に何かついているからちょっと来て」といつまでも触っているなどもよくあります。他にも、「家の鍵を隙間に落としちゃったんだけど、大人では届かないから取って」「車に傷がついた。親に言うからちょっと来て」「変な人がついてきてるよ。危ないから車に乗って」など、よくいわれる「飴をあげるからおいで」といったわかりやすいものではなく声の掛け方はとても巧妙です。日本人は断るのが苦手ですが、子どもが断らないのはなぜかといえば、「いい子に思われたい」という気持ちが強いから。ついていったりするのは良くないと心のどこかでわかっていても、つい行ってしまうことがあるんです。
教えてくれたのは……
NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所 理事長
宮田美恵子さん
順天堂大学研究員・放送大学非常勤講師として大学生への講義のほか、児童・生徒への安全体験学習プログラムを推進。著書に『うちの子、安全だいじょうぶ?新しい防犯教育』(¥1,500/新読書社)など。
〝とにかく明るい性教育〟「パンツの教室」代表理事
のじまなみさん
「家庭でできる性教育」を伝えるべく、全国を飛び回っている元ナースママ。著書に『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(¥ 1,400/辰巳出版)などがある。
取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子 イラスト/なおこちゃん
*VERY2020年3月号「”知らない人についていったらダメ”という言葉じゃだめ? 未就学児からはじめたい・防犯、子どもにどう伝える?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。