子どもが花粉症になる年齢が低くなっているそう。でも、「もしかして花粉症?」と思っても、風邪との見分けが難しかったり、薬に頼りすぎるのもどうなんだろう?って躊躇してしまいますよね。花粉症に効果があると言われているいろんな説の「本当のところ」、ドクターに聞いてみました。
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❝もしかして花粉症?と思ったら
まずは病院で検査を❞
小さな子どもをもつ親御さんの疑問のひとつに、『風邪と花粉症の見分け方が分からない』というものがあります。風邪と大きく違うのは目の症状で、患者さんの約半数は目と鼻の両方に症状が出ます。目のかゆみを訴えたり充血が見られる、また鼻を上下にこすったり、よく鼻血を出すなどがあればアレルギー性鼻炎を疑った方がいいかもしれません。大切なのは病院で検査を受け、何に反応しているのか診断してもらうこと。血液検査や皮膚検査などがあり、アレルギー専門医のいるクリニックに行くのがおすすめです。子どもの花粉症へのアプローチ法は少ないと思われがちですが、今は子どもにも処方できる点鼻薬や目薬、飲み薬もあります。学校の授業に集中できない、外で遊ぶのが辛いなどと悩む前に、相談のため来院することを考えてあげてください。
安藤友久先生
ANDキッズクリニック日本橋院長。日本アレルギー学会アレルギー専門医。日本小児科学会小児科専門医・指導医。
舌下免疫療法
5歳からはじめられる、
スギ花粉への新しい治療法
治療薬(ラムネのように溶ける無味のタブレット)を舌の下に1分ほどおいて飲み込む舌下免疫療法。治療を継続することでスギ花粉に体を慣らしていき、アレルギー症状を緩和または根本から治療することができます。治療期間が3年から5年と長期にわたること、毎日服薬する必要があること、副作用の有無の確認のため1カ月に1度の診察が必要であることなど親も子どもも根気が必要ですが、患者さんの約8割は効果を感じるそう。
\舌下免疫療法、やっています/
最初は毎日服薬できるか不安でしたが、歯磨き後に薬を口に入れるのを習慣化して無理なく続けられています。症状が抑えられて元気に外で遊ぶ息子の姿を見るのがうれしいです。
(キャンベル絵里子さん 39歳・6歳の男の子のママ)
スキンケア
揺らぎがちな花粉時期の肌は
とにかく優しい成分で保湿を
花粉に肌が反応し、かゆみや赤みが出ることも。特に子どもにとって掻かない、触らないのは難しいこと。だからこそスキンケアで柔らかい肌を守ってあげたい。揺らぎやすい時期に必要なのは優しい成分で肌に水分を与えてくれるモイスチャライザータイプ。肌が弱い子には軟膏タイプがおすすめ。保湿だけで治らないようなら病院で外用薬を処方してもらいましょう。
鼻洗浄・吸引
鼻の内部に入り込んだ花粉を
流すこともできる
鼻をかめない小さい子どもをもつママにとって、鼻水吸引器はマストアイテム。鼻水だけでなく鼻水の中に入り込んだ花粉も吸引することができるので花粉症対策におすすめ。鼻をかめるようになったら、鼻の内側に入った花粉を洗い流してくれる鼻洗浄も効果的。水だと鼻の粘膜を傷つけるので、しっかり生理食塩水を使うのがポイントです。
小青竜湯
子どもでも服用できる、
鼻の症状に効く漢方
「症状も軽いし、薬の服用や点鼻などより漢方を使って治療してみたい」と考えるママも多いはず。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は病院でも処方されているアレルギー性鼻炎に効く漢方で薬局でも手軽に購入できます。年齢によって1回の量が異なるため、用法用量をしっかり確認してから服用を。ココアと混ぜるのが苦味を感じにくくなりオススメです。
花粉対策眼鏡
外遊びの多い子どもには
安全な花粉対策眼鏡を!
公園など外にいることの多い子どもにとって、目のかゆみや腫れなどの症状は辛いもの。花粉対策眼鏡は効果的ですが選択を間違えるとケガに繋がることも。花粉をより防げるゴーグルタイプは柔らかい素材のものを選んだり、試着してフィット感を確認するなど慎重な眼鏡選びを。視界が狭まるので最初は自宅内で装着し慣らし、運動時は外すことも大切。
『ローズウォーターで目を拭くと
かゆみが和らぐ』は本当!?
安藤先生に伺ったところ、そういった科学的なデータはないとのこと。むしろ香料が入ったローズウォーターは子どもには刺激になる可能性もあるそう。目のまわりについた花粉を優しく水でふき取ったり、洗顔することは花粉対策としては効果的。
撮影/五十嵐 洋 イラスト/Ryosuke.Nagatomo 取材・文/久保春菜 編集/井上智明
*VERY2024年3月号「「子どもの花粉症」にママがしてあげられること」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。