あんなに小さかった子どもたちにも、いつの日かやってくるママの手を離れる〝初めて〟の日。子どもたちの頑張る姿に胸が熱くなります。その日を迎えるには、ママの念入りな準備や送り出す日までの葛藤も。今回は三者三様の冒険ストーリーを伺いました。
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\初めて、子どもの手を離したのはいつですか?/
みんなの冒険STORY
子どもの「はじめてのお泊まり」見守る親の心構えって?
お泊まり編
#祖父母のおうち
口数の少ない息子からの
感想が止まりませんでした
あれは息子が5歳の時。年末の帰省時に私と夫に用があり、帰宅が遅くなるからと息子だけが祖父母宅へお泊まりすることに。口数が少なく大人しい子で、一度ママと離れた経験をさせたかったという思いも。準備したのはお土産や着替え、慣れた枕など。迷惑をかけたりワガママを言わないか、トイレに行きたいと伝えられるかなど心配は絶えず。私は携帯を手放せませんでしたが鳴ることはなく、帰ってきて私に会った瞬間、遊んだ内容をたくさん話してくれて嬉しかったことを覚えています。パパが迎えに行った帰り道は「ママのお土産何にしようかな〜」と話していたそうです。2023年小5の息子は、ひとり新幹線デビューをして、祖父母宅へ2泊して帰ってきました!
(松田枝里さん 11歳男の子、5歳女の子のママ)
#おともだちのおうち
子どものやる気を尊重したら
好き嫌いも克服!
引っ越し準備、夫の激務、長男の行き渋りが重なった時期。よく行き来していた近所のママ友が、引っ越し間近だから子どもたちを預かるよと提案してくれました。長男は家に残りましたが、当時4歳の次男は「いつでも家まで送るよ!」とのママ友のひと言で「行ってみる!」と決意。かくいう私は、寝かしつけやおねしょの心配、好き嫌いが多いことなど親として不安要素がたくさん。それでも息子の意思を尊重してみると、家では食べない野菜も完食して元気に遊び、ひとりでもしっかり寝て笑顔で帰ってきました。息子の成長とママ友の優しさが心に沁みた忘れられない思い出です。
(窪嶋真弥さん 12歳、15歳男の子のママ)
#幼稚園のお泊まり保育
人生で初めて離れた一夜
親子ともに成長できました
性格が控えめな長女なので、困ったら先生に言えるかな? 髪の毛結べるかな?など、私の方がソワソワ。娘は意外にも不安な様子はなく、ただ喘息持ちなので吸入器の使い方を一緒に練習したり、先生には伝えてるから大丈夫と安心させて当日を迎えました。お見送りの時は親子ともに緊張した表情で手を振りましたが、帰りは「花火のとき少し寂しかったけど楽しかった!」とひと皮むけたようなすがすがしい表情で話す娘。でも寝不足の腫れぼったい目を見た時、頑張ったんだなと感動しました。私自身も、娘を信じて手を離してみるのも大事なことだと学んだ2日間でした。
(C.Hさん 10歳、8歳女の子のママ)
子どもの「乗り物デビュー」親はどう見守る?
電車&バスデビュー編
#市内のばあばの家
2人で初めての電車旅
兄妹の絆が深まりました
2023年の夏、祖母の家に集まって一緒に夜ご飯を食べるため、徒歩と電車で約1時間の道のりを兄妹で行ってみるという冒険を。持たせたのは携帯と500円の交通費だけ。自分たちで考えてほしくて、必要な材料以外は最小限の準備に。乗り換え時に切符を間違えて買ったり、改札口を通れず駅員さんに聞いて泣きながら頑張ったりと、なんとか無事に辿り着いた2人。息子は「行くのは大変だったけど、困った時に駅員さんなど周りの大人に聞けるようになれた」と。娘は「お兄ちゃんが頑張ったんだよ」と兄を褒めていて、2人とも心が成長し、兄妹愛も深まった体験でした。
(中谷香奈江さん 10歳男の子、8歳女の子のママ)
#習いごと教室
分からないときは躊躇せず
人に聞くことができるように
娘が小3の時から、親子ともに気に入ったお絵描き教室に通うことに。そのためには徒歩とバスで片道45分の道のりをひとりで行かねばならず、念入りに事前準備を。エアタグと子どもパスモを新調し、1回目はパパ自作のMAPで目印を細かくレクチャー。2回目は私は自転車、夫は車でこっそり後を追いながら見守っていました(笑)。今まで2度ほど乗り過ごしたこともありましたが、道が分からなくなったら必ず女性に聞くこと、乗り過ごしたら来た道を戻りなさいなどの教えを守り、無事に帰宅。自ら人に聞く力や、サバイバル能力があがったように思います。
(A.Gさん 9歳女の子、5歳男の子のママ)
飛行機デビュー編
#習いごとの夏合宿
自分で覚悟を決めたことなら
やり遂げられる
2023年、小2の娘が九州3泊4日の夏合宿へ。飛行機も祖父母宅以外へのひとりお泊まりも、何もかも初めて。今まで慎重派で心配性だった娘が初めて自分の意思で「行きたい」と伝えてくれたので、思い切って参加させることに。私が懸念したのは夜尿症のこと。事前に先生にも相談して、パジャマを多めに持たせたりと本人が不安にならない下準備をしました。合宿中は携帯電話の持ち込みNGで親の方が緊張した4日間。到着口から出てきた娘がキリッと逞しい顔つきになっていて、夫婦ともに感極まってしまいました。一人でなんでもこなして、問題なく楽しく過ごせていたと先生から聞き、今まで過保護すぎていたと反省も。もっと娘を信じて全力で応援しようと改めて思いました。
(Y.Sさん 8歳、3歳女の子のママ)
#遠く離れたばあばの家
ANAの見守りサービスを
利用して小1でひとり帰省
2022年の夏、早めに大自然の中で過ごしてほしくて小1の娘にひとり帰省を提案。「平気! 早く行きたい!」とやる気満々でしたが、本当は不安もあったと思います。申し込んだANAのジュニアパイロットは、搭乗口までは私が、そこからはグランドスタッフの方、そして到着口で直接祖母に引き渡すというシステムに。事前に荷物は送り、当日はリュックひとつだけ。携帯と気圧対策の飴やグミ、機内で読む新しい本などを準備しました。前日から私の方が緊張していましたが問題なく到着し、祖父母宅では髪の毛を自分で洗ったり結んだり、自ら勉強したりと、自分のことは自分でできるように成長。一方、姉を見送り大泣きした弟は、暫くすると初めての一人っ子体験に甘え放題でした(笑)。
(松田奈巳さん 7歳女の子、5歳男の子のママ)
【東原亜希さん】双子の娘が短期留学へ!
\東原さんも!/
#カナダへ短期留学
リアルタイムで追える時代だから
親も送り出せた
小2の双子の娘が、2023年の夏に2人でカナダへ2週間留学しました。長女も小4の時に経験していたので、2人一緒ならと送り出しました。航空会社のサービスを利用して2人にスタッフ1人がつく手厚いアテンドの中、カナダの空港まで到着。泊まるのは夏休みに使わない大学の寮。今回、1人は行きたくない、1人は行きたいというテンションだったので、1日目は持たせたアイパッドから大泣きで電話が。本当に無理なら迎えに行くつもりでしたが、数日経つとすぐに慣れ、2週間後にはメールも無視状態(笑)。今は位置情報も連絡もリアルタイムで取れるので、親子ともに冒険がしやすくなったと思います。感想は「楽しかった!」しかないけど、きっと2人なら、何があっても乗り越えていくんだろうなと思えた、ひと夏の経験でした。
(VERYモデル東原亜希さん)
イラスト/別府麻衣 取材・文/はなむらあや 編集/太田彩子
*VERY2024年1月号「初めて、子どもの手を離したのはいつですか? みんなの冒険STORY」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。