毎週、親子の楽しい遊びをご紹介しているVERYweb「こども遊び研究所」。今週は、コミュニケーションが盛り上がる遊びです。
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コミュニケーションゲーム
描いて答えるお絵描きクイズ
その物の名前は言わずに特徴を言葉で伝えて、相手に描いてもらいます。伝える相手はママやパパはもちろん、きょうだいでやっても楽しいですね。伝える側は相手が正しいものを描けるように伝えることが求められます。言葉で伝えることの難しさを楽しむお絵描きゲームです。
まずは簡単な問題からやってみましょう。最初のお題は「りんご」。お題は絵に描きやすいもので、果物、野菜、動物、乗り物、道具…など具体的なものがいいですね。まずは僕が伝える役。「りんご」という言葉は使わずに…
・丸くて赤い果物です
・皮をむいて切って食べます
という感じで伝えてみました。他の赤い果物ではなくりんごに限定するために、2つ目の「皮をむく」と言う説明も加えました。結果はこちら、見事成功。上手い下手は関係ありません。「伝える」ことが主眼の遊びです。
少しイチゴと迷ったそうです。言葉で説明することがポイントとなる遊びですからできるだけ具体的に伝えることが大切です。
2〜3度やって6歳の娘もしっかり理解できました。このお題は「ホットケーキ」。料理方法で説明したら見事に伝わりました。
慣れたところで、今度は娘の説明で僕が描きます。説明はこんな感じでした。ははーん、あれだな。
・三角の形のご飯です。
・中に鮭とか梅ぼしが入ってます。
・鮭が好きです。
というわけで「おにぎり」の絵を描いて正解。答えを絵で描くから言葉のクイズよりも楽しく取り組めます。
また、例えば下記はクイズのように当てるだけならば「スイカ」と答えれば正解ですが、描くとなるとその形状も描きたいところ。
・緑色で黒いシマシマの果物です。
・カットしてあって中の赤い果肉が見えています。
・たくさんの種がくっついています。
という感じで説明して、カットされたスイカの絵が描けて初めて正解となります。ただスイカを説明するだけならば最初の質問だけで十分ですが、絵を合わせるためには「状況」も説明しないといけません。
小学生くらいならばもっと複雑にしても楽しめます。例えば、個数や位置の違いも加えてみましょう。下記のイラストを言葉で伝えるならばどう伝えるかな?もの同士の関係も伝えられるかな?
・左に赤いフルーツ、右に黄色いフルーツがあります。
・黄色いフルーツは水色と白の縞々の布の上にあります。
と言う感じ!
この遊びは発達段階に応じて難易度を変えることができます。答えを絵で描くというところがポイント。今度は出題側は最初に絵を描きます。置かれた場所や物の関係性などの「状況」もそっくりに描いてもらうように言葉で伝えます。より一層具体的な説明が必要になります。
プログラミング教育って気になる方も多いと思います。プログラミングとはコンピューターにあらかじめ用意された行動をしてもらうために、入力する説明のようなものです。言葉で説明して絵を描いてもらうという今回の遊びとそっくりです。
コンピューターには極めて具体的に説明する必要があります。「りんごの絵を描いて」だとコンピューターは困ってしまいます。先程のスイカの例と同様に「個数」「状態」「位置」などを細かく伝える必要があります。この遊びのまんまでしょう?
言葉で伝えることの難しさを楽しみましょう。伝わらないのも面白いものですよ。
遊んでみた様子は、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、遊びのプログラムの開発、ノウハウの提供、情報発信などに幅広く従事。子どもの表現教育のためのミュージアム設立が目標。2021年1月現在、5歳の娘と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide