家事育児は〝手伝う〟から〝シェアする〟時代に。頑張るパパの悩みに応える新連載がスタートします。りゅうちぇるさんの愛ある叱咤激励と、ジェンダー論のプロ・東大人気No.1講義の瀬地山 角先生の分析を、ぜひ夫婦でシェアしてみてください。
今月の悩めるパパ
古川敦史さん(仮)/41歳。IT系ベンチャー企業の役員。大学時代はラグビーで全国大会に出場した経験もあるスポーツマン。妻は大学の同級生。子ども好きで優しい印象のため周りからはイクメンと評判。
家事や育児、どこまで
やっても認められません
5歳・3歳・1歳の子どもがいて専業主婦の妻に疲れが見えるので、平日は朝食、週末は洗濯、風呂掃除、夕食を自分が担当し、妻が一人の時間を取れるよう子どもたちと外出もしています。自分なりにサポートしていますが、妻に感謝されることはなく、やって当たり前という態度。世の中も家事育児を頑張る男性に対し、認めるよりも要求がエスカレートしているようで納得がいきません。
ジェンダー論のプロ・瀬地山さん
から悩めるパパへのアドバイス
たくさん稼いでいれば
家事育児は妻任せという
古い頭を切り替えて
この男性は収入が多く、妻が家のことをやって当然という思いがありそうですね。専業主婦世帯が共働き世帯の半分以下となった現代では珍しい家庭で、世間はとっくに変化しています。2015年の出生動向調査によると、女性が結婚相手の男性に求めるものの1位が(人柄を除くと)家事育児の能力で2位が仕事への理解。昭和の高度経済成長期とは違うのだと頭を切り替えたほうがいいですね。この家庭の問題点はゴールがわかっていないこと。ゴールは家庭によりけりなので話し合いで解決しなきゃいけないのにそれが行われていません。どう分担したら妻は満足するのか確認せずに夫が空回りして、機嫌を損ねまいと腫れ物に触るようになる悪循環。面倒だとか照れ臭いのもあるのでしょうが、やはり手っ取り早いのは話し合いです。話し合いの際は内閣府男女共同参画局が作っている「◯◯家作戦会議」というシートが便利です。月に一度など会議をルール化するのもお勧めです。夫婦関係がどれほど変わるかはわかりませんが、少なくとも何をどこまで目指せばいいかはわかるはず。夫婦間の落とし所を探しましょう。
瀬地山 角先生
東京大学大学院総合文化研究所教授。専門はジェンダー論で、東大での人気講義No.1と評判。自身も2児の父として10年間保育園の送迎をし、現在も普段の夕食作りを担っている。
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撮影/杉本大希 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 イラスト/N.Ryosuke 編集/井上智明
*VERY2021年10月号「【新連載】りゅうちぇるのパパの子育て悩み相談室」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。