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「バアバに貰うからいい」にモヤモヤ!プレゼントを子どもに買う前に

クリスマス目前、プレゼント選びの真っ最中という方も多いのではないでしょうか?クリスマス以外にも、誕生日やご褒美など、プレゼントを貰う機会が多く、気づけば子どもの周りにたくさんのおもちゃが。喜ぶ姿は嬉しいけれど、大切にする心はこれでちゃんと育つのか、心配になるという声も。おもちゃと、それを通して親が子どもに伝え育みたい心について、この機会に考えてみませんか。

【Part1】「バアバに買ってもらうからいい!」と言われたら?

子どもたちのこんなセリフが気になっています

「バアバに買ってもらうからいい!」

イベントに関係なくおもちゃが届くので子供部屋がおもちゃで溢れてきました。欲しいものを我慢させると「バアバに貰うからいいもん」と言うように。我慢もさせたいので複雑な心境です。

「これネットで買って!」

ネットで購入してばかりの我が家、何でもすぐに手に入ると思っているよう。お店に一緒に行き「これはちょっと高いね」とか「売り切れだね」など、親の金銭感覚や我慢も伝えてあげるべきでした。

「捨ててもいいよ、別に」

コンビニなどで気軽に買ったおもちゃやおまけでもらう小さなフィギュアなどが多くなってしまい、一つ一つのおもちゃに思い入れがない様子。大事にしないなら捨てちゃうよ、と言っても効果なし。

「欲しいものはもうない

親が遊んでほしいと思うおもちゃを先回りして買い与えた結果次々とおもちゃが来ることに慣れてしまったみたい。子供の欲しいと思う気持ちが育つのを待って選んであげたら良かったのかなと後悔。

【Part2】いい『おもちゃ選び』って?

おもちゃ選びも学校選びみたいに慎重に。
遊び方も成長できるものがいい。

◉Profile
日本知育玩具協会代表理事
藤田 篤さん

北海道大学にて発達心理学を学び、知育玩具絵本を生かした子育てについて毎年250件以上の講演やセミナーを行い、知育玩具インストラクターも育成。

将棋の藤井聡太三冠が遊んでいたことから火がついたキュボロ・スタンダード¥41,800 https://www.quartett.jp/products/1870.html

学校や塾はきちんと下調べをして決めるのに、おもちゃ選びに対しては、なんでも大丈夫となっていないでしょうか。子どもの発達を親が見極めて、能力や才能に見合ったおもちゃが〝溢れて〟いることは、科学者達が整った環境で力を発揮するように子どもにとってもベストな環境が整っていることと同じです。よくあるのが1歳で積み木を買い与え、2歳で触らなくなったからといってすぐに片付けてしまう。そこを片付けるのは待ってあげてほしい。1歳で積み木に触れた子は3歳で積み始め、新たな遊び方を通して成長します。飽きて新しいおもちゃに目が行く時期は必ずあります。螺旋状に遊ぶ力が育まれていき次にどんな遊び方をするのかを知って見守ることが大切で、能力を縦に伸ばせるおもちゃ選びをしてあげてください。既に簡単に遊べるものを買い与えることが捨てることへと繫がっていくのです。必要なおもちゃを見極めて遊ぶ環境を整えながらも、選ぶのは子ども。夢中になって遊ぶことも、疲れて遊びをやめることも、子どもの主体性が育っていると捉えてみてはいかがでしょうか。つい結果を求めてしまい、良いおもちゃなのに遊ばないと納得がいかず諦めるよりは、遊べないことの価値を認めてあげてほしい。苦手と得意があるからこそ得意が伸びて心が満たされ、そこから記憶力や想像力が伸びるんです。真剣に遊べるおもちゃで満たされているなら、すぐに飽きるなんて悩みもなくなるのではと思います。

【Part3】それは本当に“欲しい”ものですか?

勢い買いの前に「本当に欲しいものかな?」と
子どもと一緒に考える時間を


◉Profile
東京家政大学 子ども学部
子ども支援学科教授
岩立京子先生

専門分野は幼児教育、発達心理学。東京学芸大学教育学部教授、同大学附属幼稚園園長を経て現職。文部科学省の調査研究協力者会議の委員などを歴任し、雑誌やテレビなどにて子育ての助言も行う。

可愛さゆえに我が子が欲しがるおもちゃを買い与える気持ちはよくわかります。私自身も子育て中は何度も、子どもの思い通りに買い与えるとわがままになるのではないかと葛藤しました。欲しがる時に欲しがるだけ与えてしまうことが当たり前になると、子どもは自分の要求がすぐに満たされない時には周りを責めることを覚えてしまいます。我慢して手に入れたものに価値を感じられる子に育てるためには、本当に欲しいのか、お友達が持っているから欲しいのか、子どもの思いを理解し対話することも必要です。子どもがよく理解していないままおもちゃを買ってしまうことは、子どものなぜ買わないのか、なぜ我慢が必要なのかを考える力も奪ってしまいます。いったん考え、我慢する力は非認知能力として注目されています。幼児が幼児なりに納得して我慢する力です。成長と共に子どもは自己コントロールすることが必要になります。学習面でも人間関係でも、それができなければ家庭以外の集団では良い関係性は築けなくなってしまいます。それでも親心としては戦隊もので遊んでいる姿は微笑ましく、買ってしまう時もあると思います。おもちゃが整理されていないことやもらっても見えない場所に片付けてしまうと次々に欲しくなり、子どもがおもちゃを大切にしなくなる可能性もあります。幼児期には親が一緒に子どもとおもちゃを整理しながら「これ大事だね」など対話することも必要だと思います。

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取材・文/古谷沙季 編集/永吉徳子
*VERY2021年12月号「Xmasプレゼントを買う前に改めて考えたい、おもちゃと子ども」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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