10月18日から福岡県北九州市で開催される「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」。テレビ朝日×VERYが体操をテーマに、この6月に立ち上げた「でんぐり返しのその先に!」PROJECTでは、日本を代表する体操の内村航平選手へのインタビューをはじめ、運動に力を入れている幼稚園の取材など、読者の皆さんと一緒に体操への理解を深めてきました。今回は、「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」を1週間前に控え、丸ビル マルキューブにてトークイベントを開催。VERYモデルの辻元 舞さん、VERY編集長と大会メインキャスターを務める松岡修造さん、元新体操選手の田中理恵さんをゲストに行われたトークショーは、体操トークにとどまらず子育てのヒントが盛り沢山でした。
改めて、「でんぐり返しのその先に!」PROJECTとは?
今年6月に、体操と世の中の距離をもっと縮めたい!体操で子どもたちの未来を応援していきたい!という想いから発足したVERY×テレビ朝日の共同PROJECT。
(PROJECT発表の様子はこちら)。
トークショーの始まりに、まずはVERY編集長がプロジェクト発足当時の想いを紹介。
意味も理屈もわかるけど、褒めちぎったところで自信を持ってるように思えないし、わがままになるだけだし…なかなか現実は難しい。
なんか私の子育て、ズレているのかもなんて考えるママは意外と多い。そもそもママの願いは子どもに「自己肯定感」をつけてあげることと言うより、
先の見えないこれからの時代を堂々と楽しむ「強さ」を持ってもらいたいってこと。
そのためには「本物の自信」があればいい。
体操の内村選手を見ているとそう思う。自分の体と心をコントロールする体操って、
子どもが自分で努力してできるようになるしかない。
あとちょっとでできるようになるときの集中力って半端ないし、達成感を味わったときのどや顔も最高!ママが手を出したわけじゃなくて、子どもたちが自分でまたひとつ、自信をつけていく。
子ども達に、たくさんの情報とたくさんのテクニックを詰め込むことになりがちなママが大事なことを思い出すためにも、
今一度「体操」に出会おう。
自分で手に入れた「達成感」、そして新しく出会う「強い自分」。
子ども達に、本物の自信を。
2021年の秋は、でんぐり返しに、鉄棒に、親子で歓喜したくなる。
子育てにちょっと疲れたママたちも、子どもにもらう幸せや原動力に立ち返るようなメッセージに、今日はじめてその内容を知ったママ観覧者は体操の見方が変わりそう!と目を輝かせていました。
ここから、松岡修造さん田中理恵さん、辻元舞ちゃんを交え、トークショーがスタート!
TOPICS1
でんぐり返しをすることで、新しい自分に出会える感覚を味わえる!?
松岡修造さん(以下敬称略)
今朝トレーニングをしていた時に、1人で、でんぐり返しをしてみました。そうすると、気づいたことがあって、それは、”でんぐり返しをすることで目線が一回転する、全く違う景色が出てくる、新しい自分に出会える、そして新しい自分が待っている、出会える”というような感覚に陥ったということです。達成感も加わって子ども達も自分が成長していると感じられる運動なのではないでしょうか。
編集長
そうですね、子どもたちにとっては回るたびに”魔法の力”をもらえるのかもしれないですよね。
松岡
“魔法の力”!舞さんは、実際にお子さまにでんぐり返しをしてもらってどうでしたか?
辻元 舞さん(以下敬称略)
うちの子たちは本当に元気で、パワフルでいつも回転しているぐらい(笑)。保育園にも側転して行くこともあるんです。
一同
え!!??
辻元
でも、今,
松岡さんのお話を伺って、そういう視点で考えれば「早くして!」とか思わないでいられるかなと思うことができました。
松岡
やっぱりこの、子どもの成長を感じられる「でんぐり返し」の入ったPROJECTのネーミングもいいですよね!
田中理恵さん(以下敬称略)
はい!子どもって何でも自慢したい。その自慢大会を私たち親が受け入れて、お母さんお父さんが喜んでくれた!というときに感じた嬉しい気持ちが子どもたちのパワーや自信にも繋がっていくんですよね。体操は心と体をコントロールする競技、成長するステップを一緒に楽しんでいけたらと感じました。
TOPICS2
実は、でんぐり返しを頑張るのは大人?子どもは親がすることを真似する
八木 麻紗子さん(以下敬称略)
田中さんと言えば、「体操ほぐしちゃうぞ」などYouTubeも話題ですね!
田中
ありがとうございます!体操競技、新体操競技をテレビを通してでも見たときに、もう一回体操だったりストレッチだったり、体を動かすことを思い出して欲しいなと思っています。思い出して、チャレンジをするときに、こんなに楽しかったんだ!とかこんなに体が固くなっていたんだ!とか、体の変化も楽しんでもらえたらなと。
松岡
体操って体を鍛える中で心も鍛えられていく。大人になると、そこがどうしてもできなくなってくるから、これをきっかけにチャレンジしてみるのはいいですよね。「まずは大人がチャレンジをしてみる!」という意味でも、でんぐり返しをしなきゃいけないのは大人なんじゃないか。なぜなら、子どもは親がすることをする。まず親自身がすることで、子どもが行動するんじゃないでしょうか。
TOPICS3
実は「頑張る」もG
「頑張る」って、どんなときに言う言葉?
八木
子どもに体操やスポーツを通して、こんなことを学んで欲しい。ということはありますか。
松岡
沢山ありますが、G(重力・逆境)に逆らうということです。すごく難しいことですから。「頑張るって、どんなときに言う?」と子どもたちに聞いてみました。子どもたちは「もう無理だというときに自分にかける」と答えてくれました。そうなんですよね、普通の時は頑張る必要は無いんです。だからこそ、チャレンジする、逆らっていく、というときに頑張りが発生するというのを感じてもらいたいし、大人は子どもたちにそういう環境を作ってあげてほしいと思っています。
八木
Gというのは、”自分の殻”だったり、”壁”というのもあるんですかね。
田中
そうですね。大人から子どもまで、いろんな壁がある中で、どう自分で心と体をコントロールして乗り越えていくっていうのは大事。でも、小さいときから何でも挑戦する、チャレンジすることを経験していれば、何かあったときには自分で乗り越えられる力がついてくると思う。ぶつかりそうになったり、色々な方々と環境を整えながら一歩一歩進んでいくというのも大切だなと改めて最近感じています。
TOPICS4
SDGsモデル都市、北九州市は開催する意義とは?
松岡
北九州市で開催されると決まったとき、日本のスポーツ界が変わると思いました。北九州の方は自信を持っている人が少なかった。地元の子どもたちと一緒にイベントをしたり、オリジナルの応援Tシャツも作りました。北九州の皆さんと一緒に成功させたいという気持ちを、この20年で一番やりがいを感じると言っても過言ではないぐらい強く持っています。
八木
子ども達も一緒に北九州市一丸となって、大会を盛り上げているんですね。実は、北九州市は2019年にアジアで初めて経済協力開発機構から「SDGsモデル都市」に選ばれているんです。今回の大会でも「SDGsを推進する社会貢献型のスポーツイベント」を目指しています。例えば、今回のメダルには使用済みパソコンや廃電子基板から抽出した再資源・都市鉱山を使用、メダルリボンにはリサイクル衣料の再生糸が折り込まれた特産品「小倉織」が使用されています。
松岡
そうですね。例えば、もう廃棄してしまう竹に名前を掘って、蝋燭で灯をつけ小倉城の周りに飾る。そんなイベントも世界体操中に開催されます。北九州市の人が各々SDGsに取り組んでいる、つまり、北九州市の人がSDGsだなという気がしました。この世界大会を通じて、北九州の方の自信に繋がると良いなと、そう思っています。この世界大会が出来たら、何でも出来る!そう感じられると思います。
インスタライブを見て、観覧しに来てくれたママも!
偶然丸の内に来ていたママたちも、トークショーを楽しんでくれていました。
撮影/沼尾 翔平 ヘア・メーク/YUMBOU スタイリスト/竹村はま子 衣装協力/CADUNE、MARIHA、ebure/ebure GINZA SIX 店、 N.O.R.C、Roger Vivier、MAAYA、STELLAR HOLLYWOOD 取材/岡田朋子