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[虫好きのための図鑑]昆虫ハンター牧田習さんのおすすめ2選

夏休みもあとわずか。毎日のように昆虫採集に付き合うママも少なくないのではないでしょうか。せっかく子どもが関心を持ったことなら一緒に掘り下げてあげたいと思うのが親心。そこで東京大学大学院で研究を続ける昆虫博士の牧田習さんにおすすめの図鑑を教えてもらいました! どんな風に図鑑を見れば良いのか、ただひたすら採って終わりにならないためにどんな手助けができるのかアドバイスをもらいました!

教えてくれたのは…

 

昆虫ハンター 牧田 習さん

1996年生まれ、兵庫県出身。3歳の頃に祖父がミヤマクワガタを生きた状態で捕まえてきてくれたことをきっかけに幼稚園の頃には昆虫博士を志すように。大阪の高校を卒業後「北海道で虫採りがしたい」という一心で北海道大学へ。現在は東京大学大学院 農学生命科学 研究科に所属。虫採りの楽しさを世の中に伝えていきたいと考えタレント活動をスタート、NHK『ダーウィンが来た! 』で“昆虫ハンター”として南米ロケに参加するなど幅広く活躍。テレビ神奈川「猫のひたいほどワイド 」毎週水曜 12:0013:30に出演中。

おすすめ① 虫が嫌いなママにもおすすめ!
アート感覚で楽しめる図鑑

世界一うつくしい昆虫図鑑

「世界一うつくしい昆虫図鑑」(宝島社)

 

★牧田さんのコメント

「昆虫の生態よりも造形美に焦点をあてているので見ているだけで楽しめる、昆虫への関心を拡げるのにぴったりな一冊。同じ個体でも光によって青や赤に見えたり変化する、昆虫の色味のバリエーションを見せるきめ細やかが他の図鑑にない魅力です。虫の足を折りたたみ方など細部に至るまでこだわりを感じ、虫を芸術品として扱う姿勢がさすが! 肉眼で見る以上に昆虫の色味や形の良さを美しく捉えているので子どもはもちろん虫が苦手なママでも一緒に楽しめるはずです。」

世界一うつくしい昆虫図鑑(Marley, Christopher:著, 熊谷 玲美:訳, マーレー クリストファー:著/宝島社)

 

おすすめ② 仕組みを掘り下げて
自然と知識が身につく図鑑

小学館の図鑑NEO、昆虫

小学館の図鑑NEO〔新版〕 昆虫 DVDつき(小学館)

 

★牧田さんのコメント

「こちらは上の本とは対照的に昆虫の造形美以外の部分についても詳しく記されています。僕がいいと思ったのはストーリー性があるところです。生態はもちろんなのですが、どのような種がいるか、体の構造・仕組み・生態などまで踏み込んで記されています。この図鑑でいえば昆虫の体の部位の名前をすべて紹介しているページがあって、例えば触覚や複眼とはなにか図鑑を読み解く上で必要な言葉が覚えやすい。また、成虫だけでなく幼虫やさなぎ、オス・メス、季節での変化など一種類の虫でもさまざまな情報が紹介されています。捕まえてきた虫の名前を知っておしまい、ではなくその先が自然に拡がるところがいいですね。」

小学館の図鑑NEO〔新版〕 昆虫 DVDつき <小池 啓一(監修 | 著/文), 小野 展嗣(監修 | 著/文), 町田龍一郎(監修 | 著/文), 田辺 力(監修 | 著/文)

 

昆虫ハンター牧田さんからママたちへのアドバイス

①ママも一緒になって図鑑で調べてみよう

子どもから『どんな本を読んだら虫に詳しくなれるか』と質問されることは多いですが、実は実際に虫を観察してみるのがいちばんだと思います。そして、疑問に思ったことを図鑑で調べてみる。観察する時は分かることよりも分からないことに注目していくと良いと思います。例えば、セミならお腹に白いものが着いているものがいるけどなんだろう?(正解はセミヤドリガという寄生虫の一種)、セミってあんなにうるさいのに自分たちの声って聞こえているのかな?(正解はセミは仲間の音を聞き分けることはできるのですが、音の感覚が人間の感覚と異なります。そのため、人間の感覚で大きな音を鳴らしてもセミには伝わらないことも多くあります)とか。子どもじゃなくても分からないことだらけですよね。ママも疑問に思うことを探して一緒に調べてみたら楽しいと思いますよ。

僕も小さい頃からインターネットがある世代ですが、それでもおすすめは図鑑。それは図鑑の方が情報が正確で網羅的だからです。検索でたどり着く情報は絞り込まれているので局所的になりやすいですが、図鑑であれば似た種類や近しい話題がまとめられていたり知りたかった以外の情報を含めて一覧できるので自然と興味が広がります。

 

②命の大切さは追々理解していけばいい

わざと捕まえた虫同士を対戦させて遊んでいるのが心配という悩みについて、僕は戦わせても良いと思います。『どちらが強いか気になる』という興味が湧くことは自然なことですし、どちらかが弱ってしまったとしても実際に自然界では起きていること。大人が先回りしてしまうよりも『虫って戦わせると弱るんだ』と知ることで学ぶ方が命について考えることにも繋がっていくと思います。『虫はたくさん採って平気なの?』という声も聞きますがよほど希少なものでない限り子どもが採るくらいは問題ないです。とくにセミやカブトムシはたくさんいるので気にせず採らせてあげてくださいね。

撮影/佐藤航嗣(UM) ヘアメーク/堀 紘輔(+nine) 取材・文/増田奈津子 編集/羽城麻子

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