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「5歳でひらがなが書けない我が子」ママの不安に柴田愛子さんからメッセージ

子育てをしているとつい、自分の子を周りと比べて焦ったり、自己嫌悪に陥ったり…。そんな、比較して疲れちゃうママたちの悩みに、〝子どもの視点〟を何より大事にしている柴田愛子さんから、もっとラクな気持ちで子どもに向き合うための、愛ある処方箋をいただきました。

▶︎柴田愛子さんインタビューはこちら

 

ママの悩み ②

幼稚園で流行っているお手紙交換。
無邪気なやり取りを微笑ましいと思いつつ、
まだひらがなが書けない
我が子が心配に。

みんないつの間にかひらがなが
書けるようになっていてびっくり、
もう今の時点でひらがなが書けていないと
遅いのかと不安になります。

(5歳男の子のママ)

柴田さんからの処方箋

子どもの興味が芽生えるタイミングはそれぞれ。
その子のペースを守ってあげて

 背の高さとか、自転車に乗れる・乗れないとかで自分の子の発達が遅いんじゃないかって不安になるママもいるけれど、発達には個人差があって当たり前。個性があって早さも全然違う。文字に対する興味が芽生えるタイミングだって人それぞれで、どこかで字に興味を持つけれど、それもみんながみんな、「あいうえお」からとは限らないわよ。漢字から興味を持つ子や数字にまず興味を示す子だっているの。だから周りと比べて焦ったりする必要はまったくない、その子のタイミングを待ってあげて。

 そもそも5歳で字が書けて、お手紙交換が成立するなんてすごいわね(笑)。でもね、子どもの世界では、例えば字なんて書いてなくても、ただ折り紙にピンク色を塗っているだけでもそれはあったかい気持ちのこもった立派なお手紙。ニコニコマークだけでもお手紙なの。私も前に女の子から素敵なお手紙をもらったことがあって。ピンク色の折り紙に水色の色鉛筆で字が書いてあるお手紙だったんだけど、「愛子さんの好きな色はピンクでしょ。だからピンク色の折り紙にしたの。でも私の好きな色は水色だから、文字は水色にしたの」って教えてくれました。今思い出しても、その心遣いに感動してあったかい気持ちになる。そうやって手紙を送る相手を喜ばせるために子どもなりに心を砕いて考えてるの。それを、例えば字のない手紙だからって大人の物差しで比較して評価してしまうことが危険。子どもの自己肯定感を下げることになっちゃう。その子のペースを守ってあげることが何より大事よ。子どもの味方になれる最大の存在は親なの。だから、文字が書いていないお手紙でも、「あなたのお手紙とっても素敵ね」って声に出して伝えてあげる。それだけで子どもはニコニコだし、ママから愛されているっていう安心感に満たされるはず。早く字を書けるようにすることより、大切なのはその子のペースを認めて見守ってあげること。子どもの成長を近くで見られるいちばん貴重な時期に、比較して疲れちゃうなんてもったいない! ママももっとおおらかにいきましょう!

【 お話を伺ったのは… 】

保育施設「りんごの木」代表
柴田愛子さん

私立幼稚園に10年保育者として勤めた後、「りんごの木」を立ち上げる。〝子どもの心に寄り添う〟を基本姿勢とし、保育の傍ら、保育者や保護者向けの講演や執筆、またセミナーを通じて子どもたちの育ちのドラマを発信している。

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撮影/前 康輔 取材・文/北山えいみ 編集/羽城麻子
*VERY2021年6月号「柴田愛子さんインタビュー「あなたの子どもが、いちばんすごい」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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