ママやパパが子どもと一緒に楽しめる“おうち遊び”を毎週金曜日にご紹介している「VERYこども遊び研究所」。
第35回は、井出武尊さんによるお正月遊びの鉄板「すごろく」。小さな子どもでも参加できて、ゴールする順番も関係ナシ!?の、変わりすごろくです!
「年末年始は家族みんなで
お手軽“ボードゲーム”遊び!」
ヨーロッパではアナログなボードゲームが日本に比べて人気が高い。ドイツやフランスでは、ボードゲーム専門店も珍しいものではなく、書店に本が並ぶように、店内にはボードゲームがずらりと並び大人が真剣に選んでいたりします。
ボードゲームはなんといっても、家族や友人と大いに盛り上がれるのが一番の魅力。家族の時間を大切にするヨーロッパで人気があるのもわかります。僕たちにとっても年末年始の家族が集まるこの季節にはぴったりな遊びです。
今回は、昔ながらの「すごろく」をちょこっとアレンジして、最後までゲームの行方がわからない、小さな子どもと大人が一緒に楽しめる「変わりすごろく」をやってみましょう!
作るものはこんな感じです。制作時間はわずか5分です。
用意するのは紙と鉛筆。
これだけでもできますが、ビーズやおはじきなどがあると、ゲームがより一層盛り上がります。なければ綿棒やブロック玩具などでもOK。同じものがたくさん揃うものならなんでも構いません。紙でメダルを作っても良いです。
ルールは簡単。通常のすごろくならば、早くゴールすることを目指しますが、このすごろくでは、ゴールする順番は関係ありません。
サイコロを振ってコマを進めるのは通常のすごろくと同じです。
各マスには「+」のマスと「—」のマスがあります。
「+」に止まればビーズやおはじき(以下ビーズ)をもらえますが、「—」に止まると、その数だけビーズを戻さなくてはなりません。手持ちのビーズが0個のときは、「—」に止まっても減ることはありません。ゴールした時点でビーズを一番たくさん集めたプレイヤーの勝ち。ルールもとってもシンプルです。それでは早速作りましょう。
紙はA4程度の大きさで構いません。最初にグリッド状に線を引きます。5〜6歳以上の子どもならば、大きな紙でチャレンジしても楽しいと思います。
次に、渦巻状に通路ができるように、壁になる部分を太く塗り重ねて、渦の一番外側をスタートに、一番内側をゴールにします。
次はいよいよ数を書いていきます。
「+」も「—」もビーズの数を示す「1」〜「3」を多めに書くとゲームが拮抗(きっこう)して楽しめます。まれに「5」を混ぜたり、「0」を混ぜたりすると盛り上がります。また、「1」ばかりが続くゾーンなんかもあるとゲームの展開を大きく左右することがあります。
完成したら手頃なコマを使って早速ゲームスタートです。
ご家庭にサイコロがあればそれを使ってください。なければ鉛筆に数字を書き込めばサイコロがわりになります。また最近では、インターネットで検索すると、オンラインのサイコロというものもたくさんでてきます。
コマは作ってもいいですし、ブロック玩具の人形や動物のフィギュアなど、サイズの合うものがあればそれで構いません。
ちなみに、もし鉛筆などを使う場合には、サイコロの目の数通りの1〜6ではなく、1〜3をそれぞれ2回繰り返すようにするとゲームの展開が穏やかになり、小さな子どもでも楽しみやすくなります。3歳くらいの子どもと一緒に遊ぶ場合にはサイコロにもそのような工夫をしてもいいかもしれません。
このすごろくの醍醐味は、先にも書きましたが、最後まで勝負の行方がわからないところ。先にゴールしても負ける場合があります。むしろゴールが早いということは、止まる回数が少なかったということですから、負ける可能性が高いともえます。
また、ゲームを盛り上げる要素としては、「ストーリー」を考えても楽しいです。例えば、集めるビーズをりんごに見立てて、「誰がいちばんたくさんりんごを収穫できるか、収穫レースの始まりです!」という感じ。こうなると集めたビーズを置くためのプレートもバスケットの形にして作りたくなってきます。
マスに書かれた数だけビーズが増減するのは、足し算、引き算を遊びながら体験しているとも言えます。数字だけでは抽象的で難しい算数も、こうして実際に目の前にあるものが増えたり減ったりすると、とってもわかりやすいと思います。
今回は3〜5歳くらいの子どもと一緒に楽しめるすごろくにしました。もっと大きな子どもがいるのならば、マスの仕掛けを一緒に考えたり、コースの分岐を考えたりしても楽しいです。逆に、マスの数を少なくすれば小さな子どもにもやさしくなります。
家族みんなですごろくを囲んで、年末年始も楽しく遊んで過ごしましょう。以前ご紹介した「自分の顔で福笑い」も、お正月に家族みんなで大笑いできると思いますので、お試しください!
遊んでみた様子を、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、学校教育以外の選択肢を構築するべく広く活動中。2020年4月現在、4歳3ヶ月の“姫”と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide