ファッションのプロであり、子育てを楽しむママでもある彼女。豊富な知識×ロジカルな割り切りというフィルターにかけられたアイテムを紐解けば、カジュアル上手への道が開けるはず。夏のこなれ見えに欠かせないヴィンテージT、カジュアル上手な小島令子さんならどう選ぶ?
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ファッションディレクター
小島令子さんのカジュアル塾
ヴィンテージTシャツは首のつまりと
生地の厚さで選ぶべし
「何も気にせず着ていた若い頃と比べ、Tシャツのセレクト基準は年々シビアに(笑)。特にヴィンテージものは状態も趣も様々で、ハードルを高く感じてしまう人も多いはず。どう選べば部屋着見えしてしまう失敗を回避できるのか……長年のコレクションを眺めていたら、いくつかの法則を発見! まずは、首のつまった太めフライスであること。ここが開きすぎていたり弛んでいると、だらしなく見えてしまいます。次に生地は厚手、ボックスシルエットであること。肉感を拾わずすっきり着こなせます。
そしてそれらの条件を兼ね備えているのが、’80年代後半〜’90年代のTシャツたちでした。プリントはキャラ系よりアート系、もしくは企業のロゴ系、ミュージシャンのバンドTなどが大人っぽくておすすめ。さらにボディの色が白や黒のモノトーンならいつものキレイめボトムスと合わせやすく、ジャケットのインにも活躍します。ディレクションしているブランド・k3の実店舗や、サンタモニカ表参道店、ベルベルジンなどは、良質なヴィンテージTに出会えるイチオシショップ。とにかく試着して、着心地やグラフィックの風合いをその目で確認できたらベストですね」
すべてメンズのMからLのオーバーサイズ。ホワイトタイガーのTシャツはラスベガスのお土産。インパクトがあり使いやすい(上左)。タブロイドの一面風プリント。文字と写真のバランスがよくお気に入り(上中)。おそらくなにかの映画の宣伝T。古着じゃないと出会えないグラフィックも楽しい(上右)。伝説的なフェスのTシャツはプリントが好みで購入(下左)。Hanesのボディにザ・アメリカンなプリントを施したTはデッドストックで比較的新しめ。コーディネートのハズしアイテムとして活躍(下中)。大好きな歌手カート・コバーンのTシャツは宝物。洗いすぎてピンクを帯びたグレーに色落ちしていて、コントラストが弱めなのも合わせやすいポイントに(下右)。
REIKO’s Coordinate
肘までかかる太めの袖は
ロールアップしてバランスよく
T-SHIRT:Vintage
PANTS:BALENCIAGA
SHOES:Maison Margiela
BANGLES:HERMÈS etc.…
BELT:No Brand
ニュートラルなグレーのパンツと相性のよいモノトーンTシャツ。ボーイッシュなアイテムだからこそ、細ベルトやヒール、アクセサリーなどの小物で女性らしさをプラスして。
◉この記事の講師は
小島令子/REIKO KOJIMA
モードかつリアルなカジュアルスタイルが素敵とVERY誌面に登場するなり注目の的に。ヴィンテージショップでのバイヤー経験を生かし、2022SSよりセレクトショップk3のオリジナルブランドk3&co.のディレクターに就任。2児の母、身長156㎝。
撮影/魚地武大〈TENT〉 取材・文/遠藤彩乃 編集/藤田摩吏子
*VERY2023年8月号「ファッションディレクター 小島令子さんのカジュアル塾」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。