使い込んだバッグの色あせや傷を“味”とし、ヴィンテージ=貴重なものと捉える美学と同様に、ジュエリーメゾンでも、壊れてしまった石を繫ぎ合わせ、その歪さや不完全さを“美”と再解釈する取り組みが始まっています。
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アップサイクルして生まれ変わった
メゾンのジュエリーは、
プレシャスな一点ものとして、
ここぞという時の指先を彩ります
1967年、イタリア・ミラノで創業されたジュエリーブランド「ポメラート」から日本の伝統的な修復技術である金継ぎという手法を用い、割れてしまったジュエリーをアップサイクルしたジュエリーコレクションが誕生しました。クリエイティブディレクターであるヴィンチェンツォ・カスタルドが日本を訪れた際に金継ぎに触れ、日本の考え方の優雅さと、壊れたものがこの修復工程を通し、より尊くなるという考えに惹かれ、日本の金継ぎの女性アーティストとコラボレーション。割れてしまったジェットやカショロンに愛情を込めて、尊さと新しい命を吹き込み完成する2つとないジュエリーは、不完全さや個性を唯一無二の魅力とする新たな哲学を私たちに教えてくれそうです。
リング¥1,870,000(ポメラート/ポメラート ブティック 銀座店)ブラウス¥31,900(エリン/クルーズ)ピアス(スタイリスト私物)
POMELLATOの「金継ぎ」リング
リングのボリューム、そして金継ぎされたカショロンを一周ぐるっと囲うブラウンダイヤモンドが圧巻の存在感でありながら、優しい雰囲気も感じさせてくれるのは、すっと肌に溶け込むローズゴールドのおかげ。黒のジェットVer.もまた素敵。リング¥1,870,000(ポメラート/ポメラート ブティック 銀座店)
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉(人物)、清藤直樹(静物) スタイリング/岩田槙子 ヘア・メーク/シバタロウ〈P-cott〉 モデル/優木まおみ 取材・文/木村幼奈 編集/太田彩子
*VERY2021年5月号「いま、イケてるFASHIONには愛がある!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。