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2歳児ママ 押切もえさんが語る「大切な時間」と「不安定だった産後」

子育てに家事と、目まぐるしい忙しさの毎日の中でふと訪れるひとときに、救われたことはありませんか。いつも笑顔で頑張る素敵な人たちにも大切にしている大人時間がありました。
今回は、モデルで現在2歳の男の子のママの押切もえさん。充実した朝時間のこと、育児について語ってくれました。

 

 

前向きに一日を始めるために
必要な朝の大人時間

Cancam時代は5時起きが日常だったので、今も朝型人間。息子が起きる前の1時間ちょっとが自分のための時間です。原稿を書いたり、ストレッチやお茶をゆっくり飲んだり。読書もここで。原稿執筆など、たとえ仕事だとしても、好きなことが仕事になっているのでどれも楽しくて。朝は脳がスッキリしてやる気に満ちているから、寝ているのがもったいないと思っちゃうんですよね。

文章を書く仕事もしているので読書家のイメージがあるかもしれませんが、出産後は読めて月2、3冊。特に産後1年は育児系の本や短編ばかりでした。子どもがいるとインプットの時間をとるのがいかに難しいかを実感します。だからこそ、時間内でやりたいことを済ませるための集中力がついて、朝の1時間でもいろんなことがはかどるようになりました。

 

ブラウス¥56,000スカート¥63,000(ともにforte_forte/CORONET)サンダル¥32,000(About Arianne/アイクエスト ショールーム)

 

産後の不安定な時期を
救ってくれた子育て四コマ

息子は今2歳でイヤイヤ期真っただ中。大変だよねと言われますが、30代後半での出産だったこともあって、精神的な余裕はあるほうかもしれません。でも、ベビーカーに乗りたがるので乗せたら、今度は立ち上がって大泣き、ということも当然あります。そんな時は怒っても逆効果なので、隅に寄って目線を合わせて「どうしたの?」と向き合います。何か上手くいかない時は相手を変えるより自分を変えるほうがいいという思考は、仕事を通じて学んだこと。息子が不安定だなと感じる時は、私が慌ただしくてきちんと時間をとれていないことも多いので、そこでイライラするのではなく、できるだけ自分の行動を変えてみようとしています。

 

そうはいっても、産後数カ月はホルモンバランスのせいか、自分が自分じゃないような感覚でした。私は里帰り出産をしなかったのですが、夫が本当に軽い雑談で「○○(後輩の選手)の家は里帰りしたんだよね」と言った時、自分がしなかったことを責められたように感じてしまって、「そんな意味じゃないよ!」と夫が驚いたことがありました。また、先輩ママの何気ない一言に、駄目の烙印を押されたと感じてしまったことも。出産して家族が増えて孤独じゃなくなると思ったら、むしろ孤独が増す瞬間もあって「あぁ、これがみんなが言ってた孤独ってやつか」なんて(笑)。そんな時の支えはSNSの子育て四コマ。ゲラゲラ笑って共感して、独りじゃないとホッとする。母親1年生だからできなくて当然だと思えるようになりました。

 

たとえば、ベビーカーで階段を上らなきゃいけなくて誰かが手を貸してくれた時、昔の自分なら「大丈夫です、自分でやります」と言っていたけど、今は「ありがとうございます」とお願いできる。人に感謝して、甘えられるようになったのは、母親になってからの大きな変化です。周囲へのバリアも薄くなった気がします。誰しもできなくて当たり前のことがあるし、一人ではできないことがあるのを受け入れられるようになって、自分も他人を許せるようになったのかな。 この先、子どもの成長とともに大変なことも増えるかもしれないけど、上手に甘えて手抜きして、何事も面白がっていけたらいいなと思います。

 

パーソナルトレーニングに通っていますが、ちょっとした隙間に家でストレッチも。ウェアはルルレモンがお気に入りです。最近読んだ本はこの2冊。辻村深月さんの『朝が来る』は代理出産を選択した夫婦の話。家族について考えさせられました。田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。』はユーモアたっぷりの中に名言が光ります。

●押切もえさん Moe Oshikiri
1979年千葉県生まれ。高校時代より読者モデルとして活躍し、その後はファッション誌やテレビ、講演や執筆業など幅広く活躍中。2016年プロ野球選手の涌井秀章さんと結婚。2018年に出産し、現在2歳の男の子のママ。

 

4月から朝日新聞の書評欄で連載がスタート!
2020年1月にYouTubeチャンネルを開設。ファッションや料理レシピ、トレーニング動画などを毎週配信中。4月からは「朝日新聞」毎週土曜の朝刊掲載の書評欄で、随時連載もスタート。

撮影/馬場わかな ヘア・メーク/KITA スタイリング/鈴木千春 取材・文/宇野安紀子 編集/城田繭子
*VERY2020年5月号「自分を大切にできてる? わたしの、たまには大人時間」より。
*掲載中の情報は、誌面掲載時のものです。

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