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【申真衣さん】が最後にママたちに伝えたい「お金の不安の解決法」とは?

撮影/倉本侑磨<Pygmy Company>

子育てを通して今まで以上にお金の大事さを実感するようになったけど、お金の使い方や貯め方なんて学校では教えてくれなかったし、みんなはどうしているの……?そんなママたちの悩みにこたえるべく、元外資系金融会社勤務、現在は社長としても活躍されているVERYモデル・申真衣(しんまい)さんに、毎月読者から寄せられたお金に関する質問に答えてもらうコラム連載。第30回の最終回は「生き方、考え方」がテーマです。(過去の連載はこちらから)

 

【第30回】今月の質問

先日結婚しました。子どもが生まれたら育児に専念したいという思いがあるのですが、今の仕事も好きだし、収入面でも不安があるので迷っています。

 

 

「正解の生き方」は存在しない

 

お金のことを考える上では、改めて自分の働き方や生き方で「何を大事にしているのか」価値観を定義することが欠かせません。とくに若い世代の人たちと話すと実感するのですが「何歳まで働いたらいいの?」「老後資金はいくらあればいいの?」など、悩みを挙げればキリがないという人も多いようです。今回は「若い世代と話していて感じたこと」にも触れたいと思います。

母校の現役学生と話す機会も多いのですが、彼女たちの新しい価値観にハッとさせられることがしばしばあります。仕事、結婚、出産など「○歳までにかなえたいことがあるなら、今何をすべきか考えて戦略的に動く」ことができる人が増えているように感じる一方で、「自分たちの時代とこれほどまでに変わらないのか」と切ない気持ちになることも。今後の人生について語るときに、必ずと言っていいほど「ライフイベントがあるから」という言葉が出てくるのです。

結婚や出産は確かに人生の大きな転機です。でも「将来彼氏が留学すると思うので、帯同のためにTOEFLを取るべきか」「新卒2、3年で出産する可能性があることを会社に伝えるべきか」などの相談を受けながら、結婚が決まっているわけでも妊娠しているわけでもない時点では、そこまで先回りして考えなくてもいいのではないかと感じました。男性はおそらくそんなことを考えていませんよね。

 

撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉

 

お金や人生について備えるのはとても大事なこと。でも条件付きの人生だけしか模索できないのは、もったいないのではないでしょうか。出産に関して言えば、確かに産める年齢は限られていますし、先行きが不透明な世の中で、「最適解」にかっちり当てはめていきたいという気持ちもわかります。でもテストには答えがあるけれど、万人にとっての正解の生き方なんてない、というのが私の考え。人生は自分が幸せかどうかに尽きるのです。

実は私も、学生時代は「将来、専業主婦になる可能性あるかも」と思っていました。母親が子育てや家のことを一生懸命にしている姿を見て育ったからです。でも就職して仕事が面白くなり、結婚は二の次に。このまま結婚しない未来を想像していたのですが、縁があって家庭を持ちました。20代前半では全く想像しなかった人生でしたが、とても幸せを感じています。

若いうちに80代までの最適解を考えて生きていくより、どんな方向にも進める柔軟性を持つこと。それこそが、これからの時代を生き抜く力になるのではないでしょうか。

 

先行きが見えない時代だからこそ、お金の常識のアップデートを

 

先ほども申し上げたように、人生をゴールまでかっちり決める必要はないと思います。でも、お金のことはきちんと常識をアップデートすることをお勧めします。終身雇用の時代であれば、会社がきちんと設計してくれていたので、周りと同じように行動していれば大きな問題が起こりませんでした。でもキャリアが多様化した今、「周りと同じ」生き方は存在しなくなっています。その上で、寿命が長くなった分、かかるお金も増えています。自分でこの先の人生の収支を考えなければなりません。

運用、節約というやり方もあるのですが、いちばんシンプルなのはなんらかの形で働き続けて収入を得ることだと思います。目先の年収を増やすのが難しくても、長く働くことがきっとこの先の人生の助けになるはず。

例えば80歳でも年金に加えて月に5万円稼げる力があれば、生活にゆとりが生まれます。今から毎月5万円収入を得る生活を80歳まで続けると、トータルで数千万円。これはかなり大きな金額です。仕事について悩んでいる人は、一度視点を変えてみるといいかもしれません。

 

あの時、転勤を選べなかった自分。それが大きな糧になった

 

これまでこの連載では、その時々で私が考えること、思うことを話してきました。そのせいか、さまざまな人に「シンマイさんは物事に迷わないですよね」なんて言われることもありますが、私にも後悔や挫折はあります。

今でも忘れられないのが、社会人2年目でロンドン転勤を打診されたこと。特に根拠もないのに、うまくいかなかったら恥ずかしい、怖いという思いから、結局その選択肢を取りませんでした。もしあの時にロンドンに行っていたら、仕事を通じて出会った今の夫とも結婚していなかったかもしれません。運命は不思議なもので、そう思うと結果オーライですが、勇気を出さなかった自分がかっこ悪いと思っているのは確かです。だから、その失敗を糧にして生きようと決意しました。それ以来「なんとなく怖いから踏み出さない」ことがほぼなくなったような気がします。

 

撮影/須藤敬一

 

前職を辞めて起業する際も、リスクが大きいと散々言われました。うまくいかなかったからといってすぐに無一文になるわけでもないのに、リスクってなんだろう?と考えたとき、「失敗したと思われるのが恥ずかしいだけ」と気づきました。それだけのことだと思うと、もう迷う理由はなくなります。

ビジネス書のベストセラー作家の水野敬也さんが仰っていた、「アウェイな場所でも、通い続ければ慣れてくる」という言葉に深い感銘を受けました。小さい失敗を積み重ねていくと、心が失敗に対して強くなります。少なくとも「何だか怖いから動けない」ことはなくなるはず。生まれつきのメンタルの強さなんて関係ないのです。これからも私と一緒に、小さい失敗を繰り返しながら前に進み続けていきましょう。2年5ヶ月の間、ご愛読いただきありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

取材・文/樋口可奈子

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