撮影/倉本侑磨<Pygmy Company>
子育てを通して今まで以上にお金の大事さを実感するようになったけど、お金の使い方や貯め方なんて学校では教えてくれなかったし、みんなはどうしているの……?そんなママたちの悩みにこたえるべく、元外資系金融会社勤務、現在は社長としても活躍されているVERYモデル・申真衣(しんまい)さんに、毎月読者から寄せられたお金に関する質問に答えてもらうコラム連載。第23回は「子ども服」がテーマです。(過去の連載はこちらから)
【第23回】今月の質問
保育園のお着替えや、キャラものの服。シーズンごとに子ども服がたくさん必要なので大変です。
平日は「上下モノトーンのユニクロ」だけで乗り切る
イヤイヤ期はお着替え一つでも大変ですよね。保育園はお昼寝の前後で着替えることも多いので、洋服のストックもたくさん必要です。わが家は上の子、下の子ともに「平日の洋服はワンシーズンごとに、ユニクロで上下8枚ずつ買う」というやり方で乗り切ってきました。子どもの洋服は穴が開くまで着倒すものだと思っているので、丈夫でお手頃価格なユニクロ一択なんです。
初夏から秋の初めまでは半袖、それ以外の季節は長袖の白のコットンTシャツと、下は黒いレギンスが定番。色違いを買うこともせず、上下8枚、全く同じサイズで買いそろえます。サイズアウトしても、次は一つ上のサイズを買えばいいだけなので分かりやすい。最初から8枚と決めておけば、買いすぎて無駄にすることも足りなくて買い足すこともありません。
白と黒って本当に便利なんですよ。休日はワンピースの下にタイツがわりにレギンスを穿かせることもできるし、白いTシャツをジャンパースカートのインナーにすることもできます。「白は汚れるのが心配」という人もいるかもしれませんが、漂白もできます。絵の具などで大胆に汚すことだってあるけれど気にせずザブザブ洗っています。
撮影/渡辺謙太郎
平日も休日も「白いスニーカー」を履かせる理由
スニーカーも迷わず白を買います。子どもって、お出かけ用のきちんとした靴を履きたがらないんですよね。やっぱりスニーカーのほうが歩きやすいし、ラクだから。それならいっそ白いスニーカーにして、白い靴下を合わせてしまえば、休日に着る花柄のワンピースにも馴染みます。アシックスの白いスニーカーを0.5cm刻みでそろえて、保育園の行き帰りと週末には少し大きめのものを履かせています。サイズがぴったりになり、少し汚れが目立ってきたころに保育園の置き靴にするようにしています。
保育園に着ていく服はモノトーンなぶん、週末のお出かけ用の服は色や柄もさまざま。ワンピースもよく着せています。クリーニングに出すことを考えるだけで気が重くなるので、洗濯しやすいコットン素材を選ぶことが多いです。子ども服は自宅で洗えると思うだけで気持ちがラク! 子どもなら、カーディガンやタイツを合わせれば、冬でもコットンワンピースで過ごせます。
洋服はほぼ私が一人で買っています。子どもが選ぶと時間がかかるし、お買い物自体に飽きてしまうことが多いんですよね。「ふわっとしている服」「キラキラがついているもの」など、子どもが今好きなテイストは把握しているので、それを基準に選んでいます。
よく購入するブランドはボンポワン。ちょっと値が張るので、あえてたくさん着せます。連載の第4回でもお話ししましたが、高い服こそ、しまっておいてサイズアウトするよりたくさん着たほうがお得な気がしませんか。 例外はウールのコート。これはクリーニングにも出して、大事に着てお下がりにしています。もっとも子どもたちはウールコートよりもパタゴニアのジャケットのほうが好きなようですが……。
「おしゃれしない自由」が認められたっていい
上の子も何年か前に「○○ちゃんが持っているプリンセスの服が着たい」とリクエストしてきたことがありましたが、「どこに売っているんだろうね?」と、そっとスルーしてやり過ごしていました。子どもの希望を無視しているように見えるかもしれないのですが、これにはちゃんと理由があります。
朝、着替えを出したら、「あのキャラのTシャツしか着たくない」「昨日着たブルーのワンピースがいいの」なんて言われて支度がはかどらない。そんな経験はありませんか? 今から洗濯して乾かすわけにもいかないし、親にとっても子にとってもストレスになりますよね。子どものリクエストに常に応えてあげるのは難しい。それなら最初から選択肢が多すぎないほうがいい、というのが私の考えです。
以前、「平日は同じ服を着せている」という話を知人にしたら「女の子はもうちょっとおしゃれしないとね」と返され、違和感を覚えました。「なぜ女の子だからという理由で、洋服に気を遣わなければならないの?」と性別を前提とした話にモヤモヤすると同時に、誰にだって「おしゃれしない自由」が認められてもいいのにと感じました。洋服が大好きな人、逆に服に関心のない人は男女問わずいます。単なる好みの問題ですよね。
私の子どもたちが将来洋服が好きになるかどうかは分からないけれど、「幼いうちからファッションセンスを磨いてあげなきゃ」なんて気負いは一切ナシ。今はただ、親も子もストレスなくハッピーに過ごせるのが一番ではないかと思っています。
取材・文/樋口可奈子