生活リズムも価値観も自分優先ではなくなったけれど、 本当は誰にでもあるずっと変わらず好きなことをインタビューする連載「オトナになっても好きなこと」。今回はマイコさんにお話を伺いました。2022年9月に第2子出産を発表したマイコさんに、Web版では、子育てと仕事の両立についてやきょうだい育児での上の子のメンタルケアなどについて語っていただきました。
仕事復帰に悩んだ時期もありました
——お二人のお子さんを子育て中のマイコさんですが、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」など連続ドラマにも出演されています。仕事と子育てはどのように両立されていらっしゃいますか?
仕事の終わり時間は周りのスタッフの方々に配慮していただいています。夫も忙しいのですが、お互いの家族が協力的なので、朝から帰宅までは面倒を見てもらうこともあります。ただ、復帰を決断するまでにはとても悩んだ時期もありました。子どもは、やっぱりママじゃないとダメな部分もあるというのを感じたり、「子どもたちの母親は私しかできない」という思いがどうしても拭えずに躊躇してしまったりしたことも。
でも、家族は、やる以上はプロに徹しなさいと言ってくれていて。産後の仕事復帰に関しても、せっかくこうしてブランクがあるなかでお声がけいただいているんだから頑張りなさい、と支えてくれているんです。「おかえりモネ」に関しては家族が背中を押してくれたのもあり、チャレンジできました。
——キャリアと子育てのはざまで悩む女性はとても多いと思います。
本当に周りの助けがないと、(仕事と子育ては)回らないと実感しています。近くに面倒を見てくれる人がいるということは恵まれているので、両親たちには感謝を忘れないようにしています。今はまだ子どもたちが幼いので母親として過ごす時間の割合のほうが多いですが、40代は頑張れる範囲でお仕事に注力したいと考えています。たとえば子どもたちが小学校に通い始めたら、もっと自分自身のチャレンジもしてみたいです。
上の子がママを独占できる時間を確保する
——きょうだいの子育てでは、妊娠中や産後の上の子との関係に悩む読者も多いのですが、マイコさんはそのような悩みはありますか?
実は下の子の妊娠中にトラブル続きだったこともあり、上の子を抱っこできない時期もあり、かわいそうな思いをさせてしまいました。そのこともあって、産後は特に上の子のメンタルケアには心を砕いています。
——具体的には声がけなど、どのようなケアをしていますか?
ほめて肯定してあげるということを意識しています。寄り添って声をかけるようにはしていますが、まだまだ子育てに関しては私も勉強中の身です。でも、いかに愛しているか、ということはしっかり伝えたいので、スキンシップは意識的にしています。ちょっとハグするだけで、子どもにも安心を感じることのできる脳内物質のオキシトシンが出ると本で読んだので、忙しくても5分だけでもぎゅっとするようにしていますね。私がハグをしたいだけ、というのもありますが(笑)。
それから、赤ちゃんを家族に見てもらって、3歳になる上の子と二人きりの時間を作っていますね。妊娠中の我慢を見ていたので、なるべく早くケアしてあげたくて産後落ち着いたころに、二人でディズニーランドにも行きました。
——コロナ禍の中での子育ては母子ともにストレスが大きいと思いますが、お母さんを独占できる時間は何よりの精神安定剤になりますね。
そうですね。一人目を出産したのはコロナ禍の直前だったのですが、子育ては真っただ中で、周りの大人の表情がマスクで隠されてしまうことが心配で。そこで、家の中では口元をはっきり動かして表情を見せるように家族みんなで意識しました。
——ほかにも子育てで心掛けていることはありますか?
親はやっぱり我が子のこととなると、焦りが出ることもあると思うのですが、比べるのではなく自分の子の良さをしっかり見る、という点に尽きると思います。「みんな違ってみんないい」じゃないですけど。でも、本当にそう考えられれば優しい世界になると信じているので、子どもにも、他の人のいいところを見つけて自分と違うことを素敵だと思えるようになってほしいと思います。
プロフィール
●マイコ
女優。映画「山のあなた〜 徳市の恋〜」でヒロインデビューして以来、抜群の透明感と演技力で CMやNHK大河ドラマなどで活躍。 夫は俳優・妻夫木聡さんで2022年 9 月に第二子の出産を発表したばかりの二児のママ。