末っ子の双子ちゃんがこの春小学校入学を済ませ、今年最後の七五三を迎える東原亜希さん。フィナーレを飾るハレの日は、「親子で着物!」が目標でした。3歳の頃のドタバタだった七五三を思い返しながら、大きく成長した末っ子たちが節目を迎えた今、“井上家の子育て”について改めてお話を聞きました。
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そろそろ子育て後半戦。振り返って思うこと&
家族の未来予想図は…?
今までも、これからも。〝井上家の
子育て〟になくせないこと。
「子供を比べない」こと。
きょうだいであろうと双子であろうと
それぞれ違う「個」を見る。 康生さん
──この春、末っ子の双子ちゃんも小学校入学。今の心境は?
亜希ちゃん(以下敬称略) もちろんホッとしていますが、長女の中学入学も重なり、引き続き慌ただしい日々です。子供たちが13、12、7歳になり、大変さの内容が変わったにせよ、やっぱり毎日ドタバタ(笑)。
──小学生になった双子ちゃんに変化はありましたか?
康生さん(以下敬称略) 単純に字がきれいになったり、絵が上手くなっていて。それだけで感動です。子供に急激な成長を望むのは酷なこと。ちょっとしたことで十分なんです。
亜希 私は母として、「ここまではできるよね?」と、つい求めてしまうこともあるのですが、パパの黙って待つことができるところは本当に尊敬。「そんなところも褒めてあげられるんだ!」と彼の言動を見て自分を省みることもよくあります。
康生 一番に思うことは、子供それぞれを比べないこと。とかく双子は比較されがちですが、性格はそれぞれ。体も大きく、普段は気の強い姉ながら、妹といつも一緒にいたいと思う姉。一方、妹の方は一人でも平気でいられる性質だったりする。そんな「個」を理解するためには、とにかく「見る」ことが一番大切です。例えば、スポーツなどイベントごと。それぞれの立場で懸命に奮闘している姿を目の当たりにすると、自分たちが思っている以上に子供たちは成長していることに驚かされます。真摯に生きる彼らと接することで、物事に純粋に向き合う気持ちの大切さに気づかされることも珍しくありません。子育てとは、親が〝育てながらともに成長する〟ことなんだろうと思っています。
我が家は〝いい意味で〟適当
なんです。親が無理しない
大らかさも大切! 亜希ちゃん
──指導される選手と指導者をどちらも経験している康生さん。子育てに共通することはありますか?
康生 指導者として、選手たちに何かしら良い影響を与えられる存在でありたいと思う反面、選手たちからも学ばせてもらってともに成長する関係は、子育てに通ずるものを感じます。アスリートに限らず、人生に通底する本質は、常に〝自分との戦い〟だということ。昨今、スポーツの世界でも課題とされているのは、「何が何でも勝つ」という偏った指導姿勢です。周囲が勝つことに固執するよりも、まずは子供自身がその環境を好きになり、勝った・負けた、嬉しい・悔しい、今度は勝ちたい…そんな思いを自然に醸成させることが必要なのではないかと考えています。勉強や習い事などもそうですよね。結局はほかでもない、自分との戦いなんですから。
──井上家では、ジェンダーレスな子育てを意識していますか?
康生 私自身は子育てに性差は関係ないと思っていますが、声の掛け方などアプローチの仕方に若干の違いはあります。でも、やはり性別よりも個性なんです。3歳くらいまではなかなか出てきませんが、とにかくよく見て、よく経験させること。小学生になるまでの感受性豊かな時に、どれだけいろんな経験をさせてあげられるかが、個を伸ばし視野を広げるための大切な要素だと思います。
亜希 我が家は幸いにも色々なジャンルのお客さんが訪れる環境で、そのお子さんとも出会えて。人見知りしてる場合じゃないんです(笑)。
康生 遊びもそう。山にも行くし川にも行くし、家でBBQするのも経験。とりあえずやらせてみる。
亜希 子供が4人もいると、一人一人に手厚くなれないという状況もありますが、我が家はいい意味で適当。子供を信じて、低年齢期から挑戦させる勇気って親として必要なのかな、とも。親が余裕をなくさず、無理しないことも大切ですよね。
女の子だから、何歳だから…と決めつけないで、「とりあえずやってみたら?」の精神でなんでも挑戦させること。 亜希ちゃん・康生さん
──井上家の未来予想図は?
亜希 それぞれが自立して、世界のあちこちに散らばっていながら、どこかで絆を感じるような関係…そんな中で、いろんなパターンの成長過程を楽しめたら理想!
康生 子供が巣立った後は、秘境を旅するなど、夫婦二人の時間を楽しみたいですね。
亜希 子育てが大変大変と言いながら、あと5年も経てば順番に自立していくことを考えると、今の大変さも楽しんでおきたい。そのうち嫌っていうほど孫がたくさん来るような生活も想像できます(笑)。二人とも人が好きだから、それも大歓迎!
これからも「心で動く」
パパのままでいてね
主役である子供の着物と喧嘩しない、淡色で控えめな柄の訪問着をチョイス。ハンカチは、バッグのアクセントにもなるレースハンカチを。
イヤスタッズ¥7,766,000[DIA×PT]リング¥3,487,000[DIA×PT](ともにハリー・ウィンストン/ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション)バッグ¥55,000〈ロド〉ハンカチーフ¥22,000〈和光〉(ともに和光)
いつもありがとう!
感謝しかないです
男性の和装で正装とされる羽織袴。細ストライプにうっすらと唐草模様が織り込まれた黒の着物に、黒の羽織を重ねたシックな佇まいが康生さんの凛々しさを引き上げます。
撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉 モデル/東原亜希、井上康生 スタイリング/安西こずえ〈Coz inc.〉 ヘア/Dai Michishita〈Sun and Soil〉 メーク/佐々木貞江 着付け/藤井洋子、伊藤由利子 和装協力/荒井呉服店 取材・文/鍋嶋まどか 編集/西脇治子 撮影協力/スタジオ バスティーユ
*VERY2022年11月号「最後の七五三は、「着物で王道」に決めました!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。