VERY July 2024

VERY

July 2024

2024年6月7日発売

930円(税込)

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ノイハウス萌菜さん「自発的にやりたいと思える方法で、ゴミを減らしていきたい」

●のいはうすもな サステナビリティ・コンサルタント。 ゼロ・ウェスト活動を発信する「のーぷら No Plastic Japan」主催。ゼロ・ウェストショップ「斗々屋」の広報、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月〜木、9~13時)でラジオパーソナリティを務める。現在、2歳の女の子ママで、第二子妊娠中。

生活リズムも価値観も自分優先ではなくなったけれど、 本当は誰にでもあるずっと変わらず好きなことをインタビューする連載「ママですが、これが好き!」。Web版では、ノイハウス萌菜さんに、ゼロウェイスト活動をするようになったきっかけからわたしたちが日常的にできるゴミを減らす工夫についてなど聞いてきました!

「日本で一人暮らしをして、ゴミの多さに気づきました」

——ノイハウスさんはドイツ人と日本人とのミックスルーツで、生まれてからイギリスで生活されていて、就職がきっかけで来日されたのですよね。

ええ。大学卒業後に1年ほどロンドンにある日本企業でマーケティングをしていたのですが、たまたま日本でのコンサルティングの求人を見つけ、日本に拠点を移すことを決めました。オファーをいただいて1カ月後には日本に来ていました。

 

——決断力と行動力が素晴らしいですね。

「良い」と思ったものに対しては、フットワークは軽いですね。決断自体も早いほうです。考えすぎてしまう場合は、結果的にはその時に選ぶべきものではないと判断しています。

 

——来日後、使い捨てゴミへの考え方を変えたり、アクションを促すことを目指したブランド「のーぷら No Plastic Japan」を立ち上げられました。ステンレスストローが看板商品ですが、ブランド立ち上げに至った経緯を教えてください。

日本に来て人生で初めて一人暮らしを経験したのですが、そこで自分が出すゴミの多さに気づいたのがきっかけです。ゴミを減らしたいと思っても、都内ではりんごもプラスチック袋に包まれていて、海外のマルシェのように1つずつ買ってバッグに入れるという選択の余地が極端に少ないんですよね。同僚は毎日コンビニでランチを買うので、新しい袋と新しいカトラリーをもらってくるのですが、全部使い捨ての山なんです。それを毎日まとめて捨てる姿を見ていて、「他の方法はないのかな」と考えるようになりました。
そこでたどり着いたのが、ストローでした。家に既にあった繰り返し使えるストローが、使い捨てを考え直すきっかけになると思ったのです。でも当時はまだあまり「マイストロー」を持っている人はいませんでした。

 

——日本のゴミの量は世界で見ても多いほうですか?

お弁当など包装用プラスチックゴミの一人当たりの量は世界で2位です。1位はアメリカ。おしぼりはヨーロッパではそもそも使わないんです。私もおしぼりは手が乾くし、苦手で。それなら洗ったほうがいいなと思ってしまいますね。日本は、当たり前になっているサービスが実はゴミになっている、というケースが多い気がします。ポリ袋にスーパーで買ったものを必要以上に入れられるとか。先回りの気遣いの文化は良さでもあるのですが、ゴミにつながっているのは残念ですよね。

※編集部注/UNEP国連環境計画の報告書「シングルユースプラスチック」

 

——まだ、浸透していないステンレスストローの販売については勝算はありましたか?

軽い気持ちで始めました。もしも売れなくても、自分の使った時間やお金は環境問題への認知を広めるための‘‘寄付,,として考えれば良いと思っていました。Webサイトを作って100本ほどの販売からスタートして、インスタグラムなどのSNSから知ってくれた方が購入してくれて、そこからじわじわと広まっていきました。個人向けだけでなく、企業向けにロゴ入りのストローも販売しました。

本当に必要な人に手に取ってほしい

 

——ストローの販売は、お一人でやっていらっしゃるんですか?

そうなんです、問い合わせからストローの受発注、サイト運営、商品発送まで一人でやっています。アシスタントやスタッフを雇うことに、すごくハードルを感じるんです。きちんと巻き込まなきゃいけないし、意義のある仕事を任せなければって考えるとプレッシャーで、それなら一人でやったほうが楽だなと思ってしまいます。友達が助けてくれる時もあるのですが、基本的にはずっと一人です。

 

——事業拡大は望んでいないということでしょうか。

もっと大きくビジネス展開することも可能なのですが……実は「そこまで売りたくない」という気持ちもあって。たくさん売ることを目的にするなら、可愛い広告を出せば、ポチッとする人もいると思うんです。でも、軽い動機で手に入れたものは結局ゴミになってしまう可能性もあると思うんです。ステンレスストローが家に眠っている状態になってしまっては、残念ですよね。本当に必要で探してたどり着いてくださった人に手に取ってもらいたいと考えています。

 

——巷では紙ストローの店が増えていますが、どのようにステンレスに行きついたのですか?

私の家に竹のストローがあって、最初は竹がいいかなと思っていたんです。バリ島のお店では竹のストローを洗って繰り返し使われていましたし。ただ、日本の飲食店で木製ストローの使いまわしは受け入れられなさそうだなと思ったので、しっかり洗えて耐久性のあるステンレスを選びました。

量り売りでゴミ出しは2~3カ月に1回!

——ノイハウスさんは、京都と東京・国分寺市に展開しているゼロ・ウェイストショップ「斗々屋」の広報も担当されています。食料や調味料などの量り売りで「ゴミが出ない暮らしを自然に気持ちよくライフスタイルに馴染ませる」持続可能な取り組みをしているお店で、日本ではまだ珍しい小売り形態ですよね。

ゴミを出さずに買い物すること自体は、少し時間がかかるんです。容器を持って、何をどれくらい買うかと考える必要があるので、お店でパッケージされているものを買うよりは、やはり時間がかかるんですよ。でも、袋から出して分別してゴミの日に出す、という一連の手間が省かれます。斗々屋の社長はフランス在住なのですが、ほぼ量り売りやマルシェで買い物をしていて、ゴミ出しは2〜3カ月に1回だそうです。生ゴミはコンポスト(※)で堆肥化してるし、プラごみはほぼ出ないと話していました。
※編集部注:コンポストとは、家庭で出る野菜くずなどの生ごみを微生物の働きにより発酵・分解し、堆肥を作ること

 

——イギリスも10年以上前から量り売り専門店がありますし、欧州はゼロ・ウェイストの意識が生活に溶け込んでいるのですね。

日本でも、探せば量り売りのお店は見つかるんですよ。直接自分の容器に入れてくれるお米屋さんだったり、お惣菜屋さんも意外と食品保存容器に入れてくれたり。話してみると案外OKだった、というケースも結構あります。都会だと誰とも話さずに買って帰りがちじゃないですか、近所付き合いも希薄になってしまうのと同じで。お店でのコミュニケーションも恥ずかしかったり、面倒くさかったりするんですけど、話せば意外な発見があるんです。
タッパーで買いに行ったお惣菜屋さんでは、後ろに入ってきた別のお母さんが、「タッパーで買えるんですか」と驚いていました(笑)。

 

——ゴミ問題について、日頃から私たちができることは何でしょうか?

毎日使うものであればあるほど、考え直すという姿勢を持つことです。毎日コーヒーを買うなら、マイカップやマイタンブラーにしたほうが愛着が湧いて美味しいコーヒーが飲めるんじゃないか、割り箸よりもマイ箸を……とか。小さな実感からコツコツと……と思います。とはいえ、「ゴミを減らさなきゃ」とネガティブな姿勢で取り組んでもストレスになるだけなので、やりたい! と自発的に思ったところから取り組むのがいいと思います。

CSAループという新しいサステナブルな取り組みがあって、それに参加しています。農家さんと年間契約した野菜を、月に一度ピックアップ拠点になっているカフェに取りに行くんですが、その時に自分のコンポストを持って行ってもいいんです。農家さんに渡した堆肥は野菜作りに生かされます。都内だと、環境への意識でコンポストを作ったとしても活用できるほどの作地がない。そこで、連携して有効活用していける仕組みができました。

農家さんにとっては、予め契約しておくと売れ残りも出にくいですし、フードロス削減にもつながります。野菜の受け取りで交流も生まれるし、不定期で畑作業もできます。受け取り場所はカフェが多いので、ついでにお茶してコミュニティーも生まれるのでおすすめですよ。

ノイハウス萌菜さんに、ゼロウェイスト活動

プロフィール

●のいはうすもな
サステナビリティ・コンサルタント。 ゼロ・ウェスト活動を発信する「のーぷら No Plastic Japan」主催。ゼロ・ウェストショップ「斗々屋」の広報、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月〜木、9~13時)でラジオパーソナリティを務める。現在、2歳の女の子ママで、第二子妊娠中。

撮影/佐藤航嗣 取材・文/馨都 編集/城田繭子

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