こんばんは。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事・のじまなみです!
皆さんは、コンビニやドラッグストアに行った際、意外にも子どもの目線の高さにある「コンドーム」に、ドキッとした経験はありませんか?
コロナ禍に入り、10代の子どもたちの性に関する相談件数が倍増したと聞きます。避妊についての選択肢がコンドームかピル(経口避妊薬・緊急避妊ピル)のほぼ二択と少ない日本では、子どもたちにコンドームについての正しい知識を伝えていくことは急務と思われます。
たとえばオランダでは、小学校高学年でコンドームの装着訓練までを教える授業があります。
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一方、『性教育後進国』といわれる日本では、性について本気で学ぶ機会は高校生になってからしかなく、またその内容も不十分であると指摘されています。性に興味を持った子どもが、知識を持たぬまま興味を行動に移してしまえば、“望まない妊娠”によって本人同士も周囲も傷つくことになります。
また、コンドームの役割は避妊だけではありません。淋病やクラミジア、性器ヘルペス、そしてエイズといった性感染症から「命を守る」方法であることも大きなポイントです。
つまり、【コンドームは命を守るもの】なのです。
「コンドームってなぁに?」と聞かれたら…
ここまでの話を踏まえた上で、まだ幼い子には
「自分の体と、大切な相手の体を守るものだよ」と伝えてあげてください。
もしすでにお子さんが性交渉について理解できるようなら、『精子と卵子が出会うと妊娠するっていうお話をしたよね? コンドームは、精子と卵子が出会わないようにするもので、さまざまな理由でまだ妊娠できない、したくないというときに使うものなんだよ。
もう一つ大切なことは、自分や相手にもし性感染症という病気があった場合、移し合ってしまわないように予防するものでもあるの。お互いの命を守るものだから、必ず使うことが大切だよ』
こんなふうに、未来を守るための知識として伝えてあげてくださいね。
では、最後に質問です!
「皆さんはご自身でコンドームを購入したことはありますか?」
私が講演会や講座などでよくする質問ですが、「買ったことがある」と答える人は2割もいません。「コンドームはパートナーや夫が買ってくるもの」と思う人は多いかもしれませんが、コンドームは命を守るもの。そこに性別は関係ありません。まずは、お母さんたちがコンドームに対する意識を変える必要もあるのかもしれませんね。
その上で、これからの時代を生きていく子どもたちには、世界基準の性教育として「自分とパートナーを性感染症から守る手段」であることを伝えていきたいところです。
イラスト/おぐらなおみ 出典:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)
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◉のじまなみさん
性教育アドバイザー。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師としてのキャリアを経て、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」を設立。夫と3人の娘の5人家族。著書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)『男子は、みんな宇宙人! 世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)がヒット中。
『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』のじまなみ/著 おぐらなおみ/イラスト(辰巳出版)¥1,400