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眞鍋かをりさんが「ステイホームで気づけた」こととは?

子育てに家事と、目まぐるしい忙しさの毎日の中でふと訪れるひとときに、救われたことはありませんか。いつも笑顔で頑張る素敵な人たちにも大切にしている大人時間がありました。今回は眞鍋かをりさんです。

 

 

頑張り癖がついていて
自分で自分を追い詰めていた

5年前に出産してからつい最近まで、実は大人時間があまりなかったんです。もともと長女だからか、家族のために我慢するのが当たり前と思っていたのと、若い頃から働いていたので頑張り癖がついていて、頑張ってない自分はダメだと思い込んでいて。子育ても「頑張らなきゃ」という思いが強くて、娘が遊んでいるのをずっとそばで見ていて、呼ばれたらすぐ応えられるようにしていたし、スクールのあとは習い事や遊びにと、子どもの予定でびっしり。仕事以外で娘を親や夫に託すことにも罪悪感があって、自分のための時間を持つのが下手でした。美容も、常に深爪でネイルは塗らず、髪はサッと結べる長さと、もちのいいカラーがマスト。5年間それが当たり前だったけど、今回のステイホームでストレスとして一気にのしかかってきて、「あ、平気じゃなかったんだ」って。自分の時間の大切さにようやく気づいて、マインドを変えるために、あらゆることを見直したんです。

 

ほんの小さなことで
驚くほど気分が上向きに

最初はどうやって自分を取り戻したらいいのかわからなくて、好きな色や食べたいものを思い出すことから始めました。やりたかった髪色にチャレンジして、爪を綺麗に塗ってみたら「こんなに?」と思うほど気分が明るくなってびっくり。あとは部屋に花を飾って、食器も素敵なものに替えて心地いい家を作ることに目を向けたら、生活の質もすごく良くなりました。昔から丁寧に生きるのが苦手で、効率を重視してあとは勢いで乗り切っていたので、ちょっとしたことでこんなに生活って変わるんだなと実感しています。

子育ても、思い切って娘をほっといてみたら、今まで見たことがない遊び方を自分で試していてあんなにトゥーマッチに見てることなかったなって。子どもはこんな状況でも楽しそうで「こうしなきゃ」なんて思ってない。もっと柔軟でいいんだと、娘から学びました。

 

 

 

子どもと一緒に寝るしどうせ汚れるからと、ずっと適当な格好で寝ていたのですが、シルクのパジャマに変えてみたら、革命でした!プリンセス気分になれて、めちゃくちゃ上がります。

本は育児書ばかりでしたが、最近、大好きなジェーン・スーさんの『私がオバさんになったよ』や玉川真里さんの『自分思考のすすめ』を読みました。

自分の気持ちに向き合って
フッと肩の力が抜けた

最近、日記も書き始めました。嬉しいことや悲しいこと、何でも書いています。今までは日記にすら本音を書けなくて。ネガティブな気持ちや落ち込んだことに向き合うのが辛いから、見ないフリをしていたんです。でも、悲しかったことにちゃんと気づかせてあげたら、だいぶ楽になりました。スカウトされて流れで芸能界に入って、いただいたお仕事を″ゴロでもいいからとにかく打つ!〟と周りから求められたことを頑張ることで生き延びてきたので(笑)、自分の気持ちを置き去りにして突っ走ってきたんだと思います。ステイホームがなかったらそのまま40〜50代になっていただろうから、本当に重要な時間でした。

先月40歳になったのですが、年上の友人を見ていて素敵だなと思うのは、シンプルに生きている人。先ばかり見ないで今を生きること、自分の好きなものをちゃんと認識して、それがあれば幸せだと思えること。そんな人に憧れます。私もそうやって年を重ねていけたらいいなと思いますね。

 

 

 

撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/里美 スタイリング/関谷佳子 取材・文/宇野安紀子 編集/城田繭子
*VERY2020年8月号「自分を大切にできてる? わたしの、たまには大人時間」より。
*掲載中の情報は、誌面掲載時のものです。

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