撮影/長谷川怜実〈S-14〉
産後、髪をゆっくり乾かす時間がないからと、ボブにするママが増えています。扱いが簡単なだけではなく、いつものコーデが垢抜けるというメリットも。きれいめママも甘派ママもカジュアルママも、みんなに似合うボブを提案します。
長さの正解は? どんな形がある?
知れば沼る、ボブの世界
ボブの基本は、肩につかない長さで真っ直ぐ切り揃えられたヘアスタイル、または表面と内側の段差が少ないヘアスタイルのこと。丸みのあるフォルムが特徴です。いわゆる“おかっぱ”のことですが、長さやカットライン、フォルムの違いでさまざまな呼び方があり、それらを組み合わせることでバリエーション豊かなボブが生まれます。詳しく見てみましょう。
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
長さ別ボブの種類
ボブ
ボブは、あごライン〜肩上の長さが目安。あごラインで水平にカットされた短いボブは、ミニボブと呼ばれます。
ショートボブ
ボブよりも短いショートボブは、リップライン〜あごラインくらいの長さ。顔まわりにボブのシルエットを残しながら、バックにかけて短くカットし、ウェイトがキュッと上がったスタイルです。
ロブ
ロブは、肩につく長さが特徴。ロングボブの略です。ミディアムと混同されやすいのですが、カットラインがまっすぐ切り揃えられている場合は、ミディアムではなくロブと呼ばれます。
撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉
カットライン別ボブの種類
水平ボブ
サイドとバックが同じ長さで切り揃えられているのが水平ボブ。おしゃれな雰囲気を出しやすく、ストレートや外ハネにスタイリングするのが今のトレンド。
前上がりボブ
バックが長く、サイドが短くなるようカットした前上がりボブ。顔まわりが短いので表情が明るく見えます。カジュアルなファッションと相性◎。前髪〜顔まわりをつなげてカットし、丸みをもたせたスタイルはマッシュボブと呼ばれます。
前下がりボブ
サイドが長く、バックが短いのが前下がりボブ。シャープなカットラインなので、大人っぽくモードな印象になります。顔まわりに長さがあるので、フェイスラインをカバーする効果も。
撮影/須藤敬一
フォルム別ボブの種類
ワンレンボブ
内側の髪と表面の髪に段差をつけず、切り揃えるのがワンレンボブ。ワンレンボブを水平にカットしたのが人気の切りっぱなしボブです。プツンとした切り口がこなれた雰囲気を演出します。
グラボブ
グラボブは、内側の髪よりも表面の髪が長くなるようカットしたスタイルのこと。重さと丸さのあるフォルムが特徴で、落ち着いた雰囲気になります。毛先にまとまりが出て収まりが良いのでスタイリングしやすいのも魅力。
レイヤーボブ
グラボブとは逆に、表面の髪が短くなるようカットするのがレイヤーボブです。軽さと動きが生まれ、ナチュラルで抜け感のあるスタイルになります。ひし形シルエットにすれば小顔効果も抜群。
ボブウルフ
最近注目されているのが、ボブウルフ。ボブの重さとカットラインは残しながら、顔まわりと表面に長短をつけたレイヤーを入れたスタイルです。おしゃれで難易度高めのウルフですが、ボブと組み合わせることで挑戦しやすくなります。
ツヤとまとまり、
洒落感まで手に入るボブは、ママの相棒
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
ミディアムやロングなど長めレングスが定番になっている人は、ボブに対するハードルが上がっているかもしれません。きちんとスタイリングしないとサマ見えしないのでは? と敬遠されがちなボブですが、実はその逆で、丸みのあるボブスタイルは収まりがよく、髪が硬くボリュームが出やすいのが悩みという人でもスタイリングに手がかかりません。アイロンで巻かなくても、オイルをつけるだけでツヤとまとまりが生まれ、そのうえ洒落て見えるから言うことなし。
30代40代に似合うオーダー法は?
計算されたフォルムバランスに学ぶ
大人の気品を纏う
ウェイト低めのグラボブ
撮影/須藤敬一
短めでもエレガントさはキープしたいコンサバさんにおすすめなのがグラボブ。ウェイトを低めにすることでたぷんと丸いフォルムが首元で揺れ、品のある女性らしさを演出します。乾かすだけで丸く収まるのがグラボブのいいところ。ハレの日には毛先にカールをプラスして華やかさをプラスしても。
シンプルおしゃれを狙うなら
切りっぱなしボブ一択
撮影/須藤敬一
洒落感ボブといえば、やっぱり切りっぱなし。肩にギリギリつかないくらいの長めレングスにすると子どもっぽくならず、大人シンプルなファッションに合わせやすくなります。広がりやすいのが気になる人は、内側を少しだけ短くしておくと収まりがよくなり、毎日のスタイリングがラクになります。
切りっぱなしと差がつく
ワザありちょいレイヤー
撮影/来家祐介〈aosora〉
切りっぱなしボブに飽きたら、レイヤーをちょい足しすると新鮮な表情に。リップラインの低めの位置からレイヤーを入れることでボブのシルエットを崩すことなく毛先に表情が生まれます。時間に余裕のある日はアイロンで毛先にワンカール入れるとより動きのあるスタイルに。
着こなしを洗練させる
ミニボブに夢中
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
ボブで垢抜けたいなら、ミニボブにトライするのもひとつの手。中途半端な長さにせず、襟足ギリギリの長さで水平にカットするのがポイント。難易度が高そうに見えますが、頭が小さく見えてスタイルアップが叶うから、いつものコーデが洗練されて見えるといいことづくめ。それだけでなく、寝グセがつきづらくスタイリングが簡単なのでママに人気です。
自分に似合うボブが見つかる
30代40代のおしゃれボブSNAP
収まりのいいナチュラルボブは
オフィスでも好印象
撮影/沼尾翔平
短めボブが爽やか。毛先が内に入るようグラデーションを入れておくと、アイロンいらずでスタイリングが完成しやすくなります。シースルーバングを合わせることで抜け感と今っぽさのあるスタイルに。(下村知絵さん)
重めレイヤーボブで
多毛さんに柔らかさとまとまりを
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
髪が硬い、多い、広がりやすいなどの悩みがある人が重めのボブにするとのっぺりした印象になりがち。その場合はレイヤーボブがおすすめです。長めにカットした前髪からサイドにつながるようレイヤーを入れると軽やかさと流れが生まれ、柔らかい雰囲気に。(福島恵理子さん)
きれいめママに寄り添う
大人の品格ボブ
撮影/久保嘉範
シャツやジャケットなど、襟元にデザインのあるファッションを邪魔しないボブは、きれいめママにおすすめのヘアスタイル。大ぶりなアクセをtu
けても派手になりません。収まりのいいグラボブなら、アイロンで毛先を内巻きにするだけで品よくまとまります。毛先に向かって明るくなるグラデカラーにすると抜け感も生まれます。(堀内里穂さん)
切りっぱなしボブは
タイトにまとめて差をつけて
撮影/イ・ガンヒョン、杉本大希、沼尾翔平
定番となった切りっぱなしボブをおしゃれに見せるなら、タイトなフォルムがマスト。潔くセンターパートにし、根元からボリュームを抑えるようにオイルを塗布。ボリュームが気になる場合はストレートアイロンでの仕込みがおすすめ。タイトなボブはモノトーンルックをモードにまとめてくれます。(苅込実紀さん)
オフィス対応OKな
さりげないアクセカラーで遊んでも
撮影/イ・ガンヒョン、杉本大希、沼尾翔平
髪を下ろしていると隠れ、耳にかけたりアレンジしたりすると見えるインナーカラーは働くママでもトライしやすく人気があります。耳下に入れることで個性的になりすぎず、アクセのようにヘアやファッションのアクセントに。(関根香里さん)
ボブは時間がない朝の救世主!
あご上のミニボブでおしゃれに、重めのグラボブでラグジュアリーに、インナーカラーでカジュアルに。自分のなりたい印象や似合うスタイルに合わせて選べるのもボブのいいところ。そして、なんといっても寝グセがつきづらく、オイルをつければ“それなりに”見えるボブは、忙しい朝の救世主。髪型がキマらない、朝スタイリングしている時間がない…と嘆いているなら、ぜひボブに!
文/永尾真理子
*本記事の一部は過去掲載記事を元に再編成したものです。