子どもたちとのおでかけや公園遊び、習い事の送迎……。子どもと過ごす夏にどうしても抗えないのが“日焼け”です。この夏こそは「どうしよう！」と慌てなくても大丈夫にしたい！そこで、皮膚科専門医の小林智子先生にVERY的日焼け後のケアについてじっくり教えていただきました。日頃気になっている日焼けに関する素朴な疑問にも答えが！

【STEP1】「焼けちゃった！」と気づいたらすぐの応急処置

日焼けは肌が火傷している状態です。うっかり焼けてしまったことに気づいたら、まずその火傷の炎症を落ち着かせてあげることを最優先に。タイミングは夜まで待つのではなく「すぐ」が正解です。放っておくと、メラニンを刺激し、シミの原因になりかねません。

応急処置の方法は、炎症を抑えるためにしっかりと冷やすこと。顔だけなら、冷やしたフェイスマスクや大きめの冷却シートで、なければ水で冷やしてもOKです。身体も焼けてしまった時は、水シャワーなどで一気にクールダウンしても。ここは時間勝負です！火照りが落ち着くまでしっかり冷やして。

習慣化したいインナーケアアイテム2選

飲む日焼け止めや透明感を底上げしてくれる美容サプリは、夏はもちろんのこと年間通して習慣化しておくのがベストと言えます。抗酸化成分は紫外線ダメージを抑える＆予防する効果があるので、それを踏まえて摂取して。トラネキサム酸が配合されているものであれば、日焼け後の摂取でも抗炎症作用が期待できるかもしれません。

【STEP2】当日夜〜72時間は水分補給と抗炎症系コスメが肝

肌が火傷した状態の時は、体中の水分も持っていかれるので、“飲む”水分補給も重要になってきます。たっぷり水を飲んで、スキンケアでもしっかり保湿し、内側と外側、両方から脱水を防ぎましょう。火傷をした状態なのでシンプルケアが大前提。ワセリンなどは、熱がこもりやすいので避けて、抗炎症作用がある成分（トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントインなど）のサラッとしたテクスチャーのものやジェルでたっぷりと保湿してくださいね。

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日焼け後は、サンバーン（肌が火傷した状態で肌が赤くなる）がおよそ72時間続き、遅れてサンタン（炎症がメラノサイトを刺激し、メラニンを生成し色素沈着が起きて肌が黒くなる）が起こります。サンバーンの時にいかに鎮静させるかが重要なので、「72時間以内にケアすべき」と言われる所以です。

おすすめアイテム2選
保水効果も抜群♡火照った肌もすばやく鎮静化！

【STEP3】本格ケアは日焼け後72時間経過してから

日焼け後、すぐにブライトニングケアを取り入れたほうがいいと思っている人がいますが、要注意。肌が炎症を起こしている状態だと、逆にブライトニング成分が刺激になってしまい逆効果になることも。だから、本格ケアは炎症が落ちついた72時間以降でOKです。メラニンの生成を抑えてくれるハイドロキノン・アルブチン・コウジ酸・アゼライン酸と万能なナイアシンアミドorレチノールから成分をいくつか組み合わせて取り入れてみましょう。

72時間経過後に取り入れたい
ブライトニング系スキンケア2選

【STEP4】秋までに取り入れたいターンオーバー系コスメ

日焼け後に、しっかりと炎症を抑えてあげないと肌を守ろうと角層が厚くなり、乾燥してゴワゴワとした触り心地の悪い肌になってしまいます。この場合にはピーリング成分を取り入れて、ターンオーバーを促してあげましょう。日焼け後であれば、アルファヒロドロキシ酸のグリコール酸や乳酸などのピーリング成分がオススメ。また、この段階でもメラニン排出をしてくれるレチノールをぜひ取り入れてください。

悲しいことに、年齢とともにターンオーバーの日数は長くなってしまいます。20代は28日、40代は40日と言われているので、VERY世代だとちょうど真ん中くらいの日数と予想されます。なので、スキンケアで外からピーリング成分を取り入れて、遅れがちなターンオーバーを促してあげましょう。

攻めのケアに取り入れたい

レチノール入りorピーリングコスメ

皮膚科専門医が回答！日焼けにまつわるアレコレQ&A 11本ノック！

知っているようで知らない日焼けのこと、この機会に正しく知っておきましょう。ママたちが疑問を抱きがちな11の質問に、小林智子先生が丁寧に答えてくれました。

TOMOKO’s Answer

A1.抗酸化作用があるものを
意識して多めに摂って

ポリフェノール、カテキンなどを取り入れて。抹茶、緑茶、そしてぶどうやルイボスティーが日常的に無理なく取り入れられてオススメです。夏場のイチ押しは冷凍ぶどう！　日焼け後の火照った体を内側から冷やしてくれるし、コンビニでも買えて手軽。子どもも大喜びです。

A2.まずは本当に日光アレルギーかを要確認

スキンタイプ的に日焼けすると赤くなる肌質を日光アレルギーと勘違いしている人も。自己判断せず、本当に日光アレルギーなのか皮膚科で診断してもらい、医師の指示に従うのがベスト。日光アレルギーの人は特に予防が重要です。朝はスキンケアの延長として、日焼け止めまでしっかり多めに塗るようにしましょう。

A3.角度的に日光が当たりにくいから
そう感じているだけ！

頰などに比べると角度的に日光が当たりにくい場所だからそう感じているだけの可能性大。また、鼻など皮脂量が多い部分は紫外線で皮脂が酸化し焼けたように見えることもあるので、おでこは比較的焼けてないように感じるのかも。でも油断は禁物！　おでこもしっかり焼けるので要注意です。

A4.抜け毛の原因になることも！
保湿ケアが基本

頭皮も顔と同じように鎮静・保湿をしてあげましょう。保湿は顔用のミストタイプの化粧水でOK。ただし、オイルインのアイテムは熱がこもってしまうので避けましょう。また髪は日焼けが秋以降の抜け毛にもつながるので、髪のケラチンを整えることが大切。日頃からタンパク質を中心にバランスのよい食事を心がけて。

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A5.医薬部外品のスキンケアを
使う時は気をつけて！

レチノール、ハイドロキノン、アルブチンは妊活中や妊娠中の使用は×。レチノールは授乳中、部分使いなら可能ですが、肌状態を見ながら少しずつ使うのがベターです。

A6.残念ながら手遅れ。
皮むけするか否かは日焼け後の鎮静が鍵

炎症を抑える以外に皮むけを回避する方法はありません。だから最初にどれだけ〝冷やす→保湿〟を徹底したかが重要。万が一皮むけをしてしまったら、刺激や摩擦は避け、無理にはがそうとせずになるべくシンプルなケアを心がけて。セラミドやヘパリン類似物質が配合されているものがおすすめです。

A7.日焼けの仕方は主に3タイプ。
ケアの仕方はどのタイプも共通です

スキンタイプ（元々持っているメラニン色素の量）によって焼け方が違います。日本人は赤くなって黒くなる人（Ⅲ）、赤くならずに黒くなる人（Ⅳ）のスキンタイプの人が多いと言われていますが、持っているメラニン色素が少なく、すぐに赤くなるけどあまり焼けない（Ⅱ）のタイプも少数派ですがいます。ただ、どのタイプも基本のケアは変わりません。

A8.レジャーでは直射日光を浴びがちです
海や公園では日陰が少なく、水着や薄着で肌を露出している範囲が多いので、当然直射日光を浴びやすくなります。そんな時は全身が火傷状態になってしまうことも。でもケアは同じ。全身を素早くしっかりクールダウンしましょう。遊びの延長で、子どもと一緒に冷たいお風呂に入るのもオススメ。

A9.子どもはシンプルケアで十分
子どものケアはシンプルでOKです。〝冷やす→保湿〟を徹底してあげましょう。子どもの肌も日焼けで乾燥しやすくなっています。やさしく水シャワーや水風呂で肌のほてりをとってあげて、水分補給とさらりとしたテクスチャーのローションなどでいつもより保湿をしっかりしてあげてください。

A10.炎症を抑えるために
72時間以内がベターです
なるべく早い段階で行くのが正解！　日焼け後は、炎症を抑えることが何より大切なので、必ず火傷している状態の〝サンバーン〟の時に行くようにしてください。72時間以内だとステロイドで炎症を抑えるなどの選択肢がありますが、それ以降はブライトニングにフォーカスした処方などが中心になります。

A10.紫外線量が減る10月以降がオススメ
美容施術後は肌が敏感になるので紫外線ダメージを受けやすくなります。だから日頃のUVケアに自信がない人は、紫外線量が少なくなる10月以降がベスト。肌状態や肌質にもよりますが、シミ対策やブライトニングには、例えばフォトフェイシャルやレーザートーニング、ピーリングなどの選択肢があります。

“日焼けしちゃう”のに美肌なママ3名のレスキューケア

青木彩子さん
38歳 主婦／10歳・7歳女の子のママ

犬を飼い始め、週末の予定はもっぱらドッグラン。日光に当たることが増えた中でも健康的な肌をキープする秘訣は、「焼けたと感じた日はスキンケアをいつもの倍する」という、お風呂上がり＋寝る前の「追いスキンケア」です。

洗顔後の保湿は冷やしたシートマスクで。その後コスメデコルテの乳液、リサージのスキンメインテナイザー、クラランスのダブルセーラム、BIOTIQUEのクリームという工程。乳液以降は寝る前にもう一回繰り返して集中ケア。

吉井育子さん
38歳 助産師／7歳・5歳女の子のママ

幼稚園、姉妹の習い事、仕事、自転車送迎で大忙しの毎日。日差しを跳ね返すハリ肌は、日焼け止めだけに頼らないインナーケアの賜物。

焼けたなと感じた日は水分補給もマストなので肌にいいと聞いた温泉水99を。緑黄色野菜も多めに摂取。たくさん食べられるようスープにすれば、子どもたちも一緒に栄養をたっぷり摂れます。そして就寝前には高濃度のビタミンCとDのワカサプリやLypo-Cを飲んで、寝ている間にダメージをなかったことに。

立石佳奈さん
36歳 ベビーサイン講師／4歳男の子のママ

アウトドア大好き家族で、休みがあればキャンプに行き太陽の下でめいっぱい動くのが楽しみ。それでもシミやそばかすがない透明肌の持ち主でいられる秘訣は、紫外線を浴びたらすぐにメークの上からでも使えるボディショップのミスト化粧水で応急処置すること。帰ってからのケアは普段使いのコスメをいつもより多めに塗って保湿を。

愛用コスメはヨンカの化粧水→ロクシタンのクリームをたっぷり→最後に肌が敏感な息子と兼用のヴェレダの保護クリームも塗ります