撮影/須藤敬一
ニューノーマル時代到来で、肌にとってはマスクの着用など、以前とは違った刺激の多い環境に。環境が変わっても安定した肌を保てる基礎化粧品と出合うことは、忙しい私たちにとっては大きな安心材料になります。これから寒さや乾燥など、肌にとってもさらに厳しい季節。その上年齢を重ね肌質の変化、しみ、しわ、たるみ、くすみなどの悩みは増える一方なのに、20代の頃のように自分に時間をかけていられない……。でも必要なポイントを知っておけば、肌の老化も怖くない!
アラサーの肌悩みに応えてくれる人気の多機能化粧水をご紹介、そして、ママ目線でのスキンケアについて、皮膚科医の土屋佳奈先生にお伺いしました。
30代の化粧水はどうやって選べばいい?
顔を洗ったり、お風呂から上がったらスキンケアをするのは、歯を磨くように当たり前にこなしてきた30代の私たちですが、20代の頃に比べ、肌のトラブルは少しずつ増えてきています。これからどのように化粧水を選んでいけばいいのでしょうか。
肌質、肌悩み、テクスチャー、使用感で選ぶ
アラサーから30代は、20代の頃と比べて水分量・皮脂量ともに減ってしまい、肌質、毛穴、シミ、シワ、大人ニキビ等……悩みにも変化がやってきます。25歳と言われてきた「お肌の曲がり角」ですが、30代でもやってくるんです。そのような時は、そのトラブルに対応できる化粧水を選びましょう。
30代はプラス高保湿・美白を選びたい
化粧水は、健やかな肌のうるおいを守ってくれる、洗顔の後のスキンケア最初のステップ。元々の肌質や、抱えている肌悩み、好みのテクスチャー、使い心地・使用感で選ぶのも大切ですが、何よりこれからの季節に、そして30代に大切なのは、減ってしまった水分量を補い、肌内部の乾燥から守ってくれる高保湿アイテムを選ぶこと! それに加えて、シミや肌くすみが気になる時は、美白など、悩みに応えてくれるエイジングアイテムを選ぶのも忘れてはいけないポイントです。
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30代に必要な高保湿・美白の代表成分
保湿成分
- セラミド・・・うるおいを維持してくれる以外にも、シワや肌のバリア機能にも効果が。
- トレハロース ・・・肌に水分を保ち、乾燥トラブルから肌を守ってくれる。
- ヒアルロン酸Na・・・肌の乾燥だけでなく、シワ、たるみの予防に効果的。
- アミノ酸・・・肌の一番表面にある角層の手因縁保湿成分の半分がアミノ酸のため、角層の保湿力やバリヤ機能に効果あり。
- プラセンタ・・・哺乳類の胎盤から採取された成分。最近ではうるおいだけでなく、張り、ターンオーバーに効果があると言われている。導入美容液などに配合されていることが多い。
- スクワラン・・・肌の水分蒸発を防いでくれる成分で、肌への浸透がよく、肌を柔らかくする働きも。
美白有効成分
- ビタミンC誘導体・・・ビタミンCを安定させ、浸透し易くさせた成分。メラニンの生成を抑制するだけでなく、ニキビや毛穴の引き締め、ハリ・シワにも効果◎。
- ハイドロキノン・・・肌の漂白剤と言われる成分。シミができるのを防ぐだけでなく、すでに肌にあるシミにも効果があるが、刺激が強いので使用の際は注意が必要。
- トラネキサム酸・・・メラニンの生成を抑制する働きがあり、最近では肝斑の内服薬としても使用されている。
- アルブチン酸・・・シミの元となるメラニンの生成を抑制し、シミ予防に効果あり。ユキノシタにもアルブチンが含まれており、美白作用があると言われている。
- フラーレン・・・ビタミンCの約172倍以上の抗酸化力をもつアンチエイジング成分。紫外線に強く、美白以外にもシワ対策や保湿効果も。
30代の悩みに答える+αの多機能・高機能化粧水のおすすめ7選
デパート、オンラインショップ、ドラッグストアで人気を集める、これからの季節の必須機能の“保湿”と30代の悩みに答える+αの多機能・高機能化粧水のおすすめをVERY編集部がセレクトしました。
※取材協力/三越伊勢丹化粧品オンラインストアmeeco(売り上げ集計期間2020年4〜9月)、@cosme TOKYO(売上集計期間2020年9月1日〜10月22日)
超ロングセラー!うるおいとトラブル回避、両方が叶う ザ・タイムR アクア
高い保水力を持つアセチル化ヒアルロン酸との複合体である独自成分アクアプレゼンターⅢが、肌に人工的なみずみずしい水の層を作り、角層の水分量を増やしてくれます。アセチル化ヒアルロン酸が水分をホールドしてくれるので、水分が逃げにくく角層に保湿成分が留まり、じっくりと時間をかけて浸透するため、うるおいが持続する効果も。また、トラネキサム酸やグリチルリチン酸塩配合で、乾燥や過剰皮脂の影響で起こる大人ニキビや肌荒れを防いでくれるのだとか。アルコールフリーなのも、デリケートな肌に嬉しいアイテムです。また、おすすめはコットンを使用したケア。ハンドケアより肌が潤うのだそう。meecoでも30代売上1位!ザ・タイムR アクア※医薬部外品[200ml]¥4,000(イプサ)
使い続けるほどに肌の透明度アップが叶う!サブリマージュ ラ ローション ルミエール
©CHANEL
肌の保湿を強化してくれる糖分とミネラルが豊富な白樺由来の有用成分ホワイト バーチ ウォーターに、肌トーンを均質に整える南仏アルプスに生育するアンティリスという植物から抽出されたアンティリス エキス、優れた抗酸化作用をもつヴァニラ プラニフォリアの果実から抽出されるヴァニラ プラニフォリア 濃縮ウォーターを配合した贅沢なブライトニング化粧水。不要な角質を優しく取り除いてくれるL-アルギニンとAHAも豊富に含まれているため、拭き取るように馴染ませると、お肌の不要な角質取り除きながら、瞬時に潤い、柔らかくなめらかに整えてくれます。毎日使用することで、キメも整い、お肌の透明度も。サブリマージュ ラ ローション ルミエール[125ml]¥15,500(シャネル/シャネル カスタマーケア)
朝摘みの希少なローズから生まれた アプソリュ エッセンス ローション
1965年の誕生以来、ローズを主要な成分として進化し続けてきたランコム最高峰のスキンケア、アプソリュ。肌を生まれ変わらせ、明るさを取り戻す作用をもつランコムローズ 幹細胞抽出エキス、肌のバリア機能の修復や鎮静効果を有する選び抜かれたダマスクローズのエッセンシャルオイル、独自に抽出技術により純度の高い成分をそのまま抽出した抗炎症作用があるセンチフォリアバラ花エキスの3つの先進ローズ成分とフレッシュなローズウォーターなど天然のローズ由来成分が80%以上配合された贅沢な化粧水。アンプルのような少しとろみのあるテクスチャーですが、スーッと角質に浸透します。アプソリュ エッセンス ローション[150ml]¥11,000(ランコム)
厳しい冬でもうるおいが持続する、エスト ザ ローション
過酷な環境で、ほとんどの生物が生息できない砂漠にあるエジプトの塩湖も生き抜くことができる小さな極限環境生物が、自らの水分を保ち続けるために生み出すアミノ酸の1種であるエクトインという成分に着目。エクトインは、角層のケラチン線維に水分を抱え込ませ、うるおいを保ち続けてくれるのだそう。また、保水に欠かせない、もともとお肌がもつセラミドの生成促進効果や肌荒れ防止してくれるユーカリエキスも配合なのも嬉しい化粧水です。少しとろみのあるテクスチャーですが、肌に馴染みやすく、過酷な乾燥現場でもうるおいが持続します。meecoではレフィルタイプが30代売上5位に。リピーター率の高さが伺えます。エスト ザ ローション[140ml]¥6,000 レフィル[130ml]¥5,500(エスト)
アジア人女性のために生まれた肌そのものを強くする、マイクロ エッセンス ローション
発酵液×微量栄養素×ペプチドを黄金バランスで配合した、独自成分であるマイクロ ニュートリエント バイオ ファーメントが、お肌の深部にまですばやく浸透し、細胞の再生と肌のバリア機能を高めてくれ、肌が本来持つ機能を活性化。お肌の土台づくりをしっかりと行うことで、シワ、ハリ、毛穴、くすみなどの原因となるエイジングダメージを抑止する力が高まるのだとか。また、うるおいを与え長時間保持し、キメが整い毛穴を目立たなくさせてくれる効果も◎無香料、アルコールフリーなのも嬉しいポイントです。とろみのあるテクスチャーがすっと肌になじみ、保湿力の高さからこの時期人気で、meecoで30代の売上げ上位に! マイクロ エッセンス ローション[200ml]¥12,500(エスティ ローダー)
シンプルな成分でお肌のゆらぎ時期も心地よい!ナチュリエ ハトムギ化粧水
主成分であるハトムギエキスには、もともと角質細胞に存在する天然保湿因子(NMF)の主成分であるアミノ酸が12種も含まれており、NMFを補給し、水分を抱えてお肌のバリア機能をサポート。水分を蓄えやすい肌に導いてくれるので、プレ化粧水として使用するのも◎。香料、着色料、オイル、界面活性剤が含まれていないシンプルな成分なので、季節の変わり目でゆらぎやすい時期も心地良く使えるのも長年支持されている秘密です。@cosme TOKYO売上8位&アンケートでも使用している人多数!手に取りやすい価格なので、全身用化粧水として使う人も多いそう。ナチュリエ ハトムギ化粧水 [500ml]¥650(イミュ)
大人の肌悩みを一気に解決、オバジX リフトローション
先進の再生医療から生まれた「うるおい、ハリ、くすみ、大人毛穴、キメ」の5大悩みにアプローチしてくれる美容液のような化粧水。長年の研究の末たどり着いた、ブーストペプチドが眠っていた脂肪幹細胞を活性化させ、肌の自力再生を促し、表皮にふっくら感をもたらします。また、皮膚から水分蒸発を抑え、肌を柔らかくする成分であるオイルを100ナノメートル以下まで微細化したことで、処方全てを肌奥深くまで素早く浸透させ、内側からうるおった明るい肌に導きます。オバジX リフトローション[150ml]¥5,000(ロート製薬)
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より効果的な化粧水のつけ方
今の自分にぴったりの化粧水を見つけたら、より効果が出るよう、化粧水をつけましょう。化粧水は手にたっぷりと出し、余裕があれば両手のなかで温めて、浸透をよくします。その後はこすらず押し込むように顔になじませ、ハンドプレス。そして肌全体が持っちリしたら完了。乳液やクリームで化粧水にふたをするのを忘れずに。
冬の乾燥に負けないスキンケアのポイントは?
土屋佳奈先生に教えていただきました
- マスク必須の今、セラミドやヒアルロン酸でしっかりと保湿を
- ビタミンAはとても優秀。30代以降の肌のためにも効果的に摂取して。
- お風呂上がりにすぐスキンケアができないことも多いママたち。化粧水をつけてから次のステップまでに時間が空いてしまった時は、もう一度化粧水を。
- 夜のスキンケア、時間がない時は化粧水の後すぐ次のステップに行ってもOK。
- 洗顔の時の湯温は高過ぎないように注意。
「日本の女性は、化粧水、美容液、乳液、クリーム、アイクリームと本当にたくさんのステップでスキンケアを行っていて、とっても大変そうですよね。特に育児に、仕事に頑張っているママたちには、肩の力を抜いて、ぐっとシンプルに、ちょっとくらいズボラくらいで大丈夫ですよ、とお伝えしたいです。」と土屋先生。肌質にもよりますが、夏場は“化粧水+乳液”、冬場は“化粧水+クリーム”のシンプルケアでもいいのだそう。また、疲れてどうしようもない時は、お風呂上がりや洗顔後すぐに保湿効果があるクリームをしてあげるだけで大丈夫なのだとか。
Q.マスクの摩擦でお肌が荒れ気味でこれからの季節、乾燥が心配です。どのように化粧水を選べばいいですか?
A. 水分を何度も重ねづけしても、結局すぐに乾燥してしまいます。保湿、保水成分でスキンケアを選ぶことが大切です。
例えば、セラミド。もともと人が持っているセラミドは、水分をはさみこんで、取り込んでくれるのですが、残念ながら加齢とともに減ってしまいます。なので、スキンケアで補ってあげると良いでしょう。また、ヒアルロン酸や血行を良くしてくれるヘパリン類似物質といった成分も角層に入り、保水してくれる効果があるのでおすすめです。特に乾燥肌の人は、化粧水のあときちんとクリームの油分で蓋をしてあげることも忘れずに。
Q.乾燥以外にもシミ、しわ、たるみ、と毛穴の悩みがつきません。先生のおすすめ成分はありますか?
A.実はビタミンA(レチノール、レチナール、レチノイン酸、パルミチン酸レチノールなどのレチノイド類の総称)がとっても万能!ビタミンAは、シミはもちろん、しわやニキビ跡、たるみ毛穴にも効果的で、自然なツヤも与えてくれます。また、シミにはハイドロキノンや、マイルドな効果を求めるのであれば、ビタミンCやトラネキサム酸、アルブチンなどがありますし、皮脂が多く毛穴が黒ずんでしまう方にはビタミンC誘導体もおすすめです。
Q.とりあえず化粧水だけして、子どもが寝静まった後にスキンケア…時間が経ってからのスキンケア、どのステップから行ったらいいですか?
A.突っ張っている感じがあるのであれば、化粧水をもう一度つけてから次のステップにいきましょう!
化粧水には保湿するだけでなく、次のスキンケアで摩擦が起きないようにすべりを良くする役割もあります。また、選ぶクリームは、ワセリンなどの油分オンリーのものではなく、保湿成分と油分があるものだとうるおいを満たしながら蓋をしてくれるので◎
Q.夜のスキンケア、眠気に負けてしまいつい疎かに。化粧水の浸透を待たないとダメですか?
A.化粧水の後にすぐクリームをしてO K!ハンドプレスやパッティングで肌への浸透率が格段にアップするわけではありません。化粧水をある程度馴染ませたら、早めにクリームをつけて大丈夫です。
Q.時短のため、お風呂で洗顔をすることが多いです。注意するべきことはありますか?
A.水温は体温より少し低い35℃くらいがベスト。それよりも高い水温だと、逆に乾燥してしまいます。冬はただでさえ乾燥してしまう環境なので、水温がとっても大切です。朝洗顔も同様です。
Q.冬場、保湿のためにシートマスクする人が多いそうです。パックをするタイミングはいつがおすすめですか?
A.いつするかより、パックをしている時間が重要です。長い時間パックをしたからいいということはなく、15〜20分程度がベスト。それ以上してしまうと逆に乾燥してしまいます。また、保湿したからそこで終了にしてしまうのはNG。パックの後は、すぐにクリームをつけるようにしましょう。また、お風呂でのシートマスクは浸透が良くなったような気がしているだけであまり効果はありません。お風呂上がり、もしくは洗顔後にパックを行うほうがよいでしょう。
Q.10年後の自分のために投資するなら、何をしておくべきですか?
A.ビタミンAを意識的に取り入れるといいと思います。肌にハリとツヤを与えてくれるし、口周りの吹き出物にも効果があります。使えば使うほど、肌荒れしにくい肌に成長させてくれます。また、ビタミンAには様々な種類のものがありますが、市販のものだと、パルミチン酸レチノールがマイルドで取り入れやすいのではないでしょうか。ビタミンAは基本的に紫外線に弱いので、アイテムによりますがケアは夜がベターです。
土屋佳奈先生
皮膚科専門医。2020年4月に皮膚科・美容皮膚科・小児皮膚科 つちやファミリークリニック浅草院を開業。クリニックに勤務の傍ら、医学的知見に基づいたスキンケア・美容医療を伝えるドクターとして活動中。二児の母。つちやファミリークリニック浅草院HP
まとめ
冬の湿度の低下に加えて、エアコンなどの乾燥の季節到来です。また今年は、マスクによる刺激など、肌にとってよくない環境なのは間違いありません。でも育児に、仕事に多忙を極めるママたちにとって、あれもしなくては!これもしないと!となってしまうより、頼りになる高性能の化粧水とクリームで行うシンプルケアの方が、気負わずにストレスフリーで楽しめるのではないでしょうか。今年の冬はシンプルケアでも悩み知らずのうるおった肌、目指してみませんか?
取材・文/高丘美沙紀
公開日:2021.02.18
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よくある質問
-
30代の化粧水はどうやって選べばいい?
20代の頃より格段に肌悩みの増える30代、まずは保湿力が十分なもの、そして自分の肌トラブルを解決してくれる成分の入っているものを選びましょう。
-
マスクの摩擦で肌が荒れ気味。どのように化粧水を選べばいい?
ラミドなど配合の保湿、保水成分の十分なものを。化粧水をクリームや乳液でフタをするのを忘れずに。
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子供の世話でスキンケアの時間が飛び飛びに。時間が経ってからのケアはどうすれば?
まずは化粧水でしっかりと保湿を。その後乳液までの時間が空いてしまうとその間に水分が逃げてしまうので、スキンケアを再開するときに乾いていると思ったらもう一度化粧水を。次のステップまでに時間を空ける必要はありません。