卒入園をきっかけに着物デビューするママも増えている様子。でも、着物の難関は「髪型」かも知れません。〝女将さん〟にならず、盛りすぎにもならない、着物ヘアアレンジをご紹介します。
◆ロングヘア
センターパートは後ろにボリューム感を
一歩間違えると「女将さんや極妻」になってしまいそうな、着物のまとめ髪。気をつけたいのは頭頂部の膨らみ。ここを大きくしすぎることが、老けて見えたりする原因になりがち。トップのボリュームは控えめに、まとめた部分にボリューム感をもたせるのが、フォーマルでありがなら若々しく見えるポイントに。
◉Point1
センター分けでフロントはすっきりでも、頭頂部がペタンコではフォーマル感に欠ける。ひとつ結びをしてから、少しトップに膨らみを出す。
◉Point2
ひとつ結びを三つ編みお団子に。そのうえに、三つ編みの「ブレード」という付け毛を巻き付ける。ネットでも購入可能、ヘアサロンにも相談を。
こなれて見える喜びも♡古風で小粋なボブアレンジ
たまには着物でおでかけ、なんてときに挑戦したいのが「ボブアレンジ」。上品でありながら粋でもあり、こなれた着こなしに見えるのも嬉しい。両耳の後ろあたりでブロッキングして、半分より下を三つ編みのお団子に。半分より上をふたつにわけ、緩い三つ編みをして内側に入れ込み、お団子の部分に留めていく。
◉Point3
内側に入れ込む際は、サイド、バックともに〝ふっくらとしたボリューム感〟に気をつけて。最初に作ったお団子は、生け花でいうなら剣山の役目。
◉Point4
両耳を出すのはスッキリしすぎ、両耳を隠してしまっては個性的に見えてしまう。このアシンメトリーな作りが、上品で洗練されたベストバランス。
◆前髪ありロングヘア
前髪ぱっつんにせず、「7:3分け」に流して上品に
前髪をまっすぐおろすのも粋な感じで素敵ですが、卒入園などの母として出席する行事なら7:3分け、もしくは8:2分けの方が品よく決まる。シンプルなお団子は一歩間違えると老けて見えがちなので、三つ編みで可愛らしさと、着物ヘアに必要な華やかさを足していくといい。
◉Point5
三つ編みお団子で若々しいボリューム感をプラス。全部で5つにブロッキングし、それぞれを三つ編みして後ろの部分にお団子を作っている。意外と簡単で崩れにくいというメリットも。
◉Point6
三つ編みがアクセサリーのような効果を果たし、横顔も華やかに。後れ毛などを出すのは遊び感が強く、子供っぽく見えるのでNG。
◆セミロング&レイヤー
レイヤーでも作りやすい、NOT 女将さんな〝夜会巻き〟
ひとつ結びするにも毛束が乏しく、おろすにも半端なセミロング&レイヤーにおすすめ。センター分けにすることで艶っぽくもならず、母らしい品よい仕上がりに。ふたつに分けた髪を、まず半分を反対サイドに流しピンでとめ、もう半分を被せるようにして毛先を内側に入れ込む。
◉Point7
どのヘアスタイルも共通で、老け見え理由は「高さを出す位置」。この場合は、ちょうどつむじの位置に程よく高さを出すのがコツ。
◉Point8
毛先を内側に入れ込んでしまうので、セミロングやレイヤーヘアでも付け毛などをつけなくても、美しいまとめ髪を作ることが可能。
◆ボブ
結べない長さこそ「手をかけた感」が大切
ショートやボブは、普段のヘアスタイルでもそれなりに……と思われがちですが、フォーマルの場合は「短いからこそ手をかけた感が重要」。美しいフォルムを作る、ボリュームを出す、衿足を美しく仕上げるなど、シンプルながらも丁寧さの伝わる仕上がりを目指して。
◉Point9
フェイスライン以外は、根元からしっかりと立ち上げるようにブローをする。毛先を巻いたあとに、逆毛で程よいボリューム感を足して。
◉Point10
毛先をしっかりときれいに内側に巻くことで、後ろ衿の部分も美しく見え、着物の着こなしもより素敵に演出してくれる。
撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/平元敬一〈NOBLE〉 スタイリング/秋月洋子 モデル/滝沢眞規子、来摩綾乃、本田珠規、高 陽子 取材・文/櫻井裕美 構成/渋澤しょうこ
※VERY 2018年2月号「滝沢眞規子さんが体験。VERY世代のための着物&ヘア入門」より。
※掲載中の情報は、誌面掲載時のものです。