VERY November 2020
VERY NAVY

VERY

November 2020

2020年10月7日発売

780円(税込)

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「ご主人」「旦那さん」 。今、夫婦の呼び方&呼ばれ方に悩む理由

5年ほど前までは「ご主人」という言葉を使う人が多かったVERY読者の間でも、近年は夫婦の呼称に変化が出てきました。男女問題とも密接な関係がある、夫婦の呼称。今回は、より悩むことが多い相手の配偶者の呼称についての「今」を探っていきたいと思います。

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<LINE UP>

1.200人に聞いた!「夫婦の呼称、知り合い夫婦の呼称」どうしていますか?

2.「夫婦の呼び方、呼ばれ方」の未来とは?VERYモデル 牧野紗弥さんの場合

3.「夫婦の呼び方、呼ばれ方」の未来とは?社会学者 田中俊之先生の場合
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1. SNSでVERY読者にアンケートを実施!

「夫婦の呼称、知り合い夫婦の呼称」どうしていますか?

 

 

 

ポイント1
夫婦間での呼称、第一位は「あだ名」

 

今回のアンケート(285名が回答)で、もっとも多い夫の呼び方は『あだ名』(27%)。次いで『旦那』(21%)。僅差で『主人・夫』(ともに19%)という結果でした。

「『主人』というのは夫婦間に上下関係がある印象。周りには『主人』という人が多いがそのたびに小さな違和感を覚える」

「年配の方の前では『主人』と呼ぶ。抵抗を感じつつ『夫』だと不遜と思われそう」

「『主人』、『旦那』、すべてしっくりこない。海外のように『ハビー(ハズバンドを可愛く言った感じ)』と呼びたい」という声も。

一方で、配偶者からの呼ばれ方は『あだ名』(32%)がもっとも多く、次いで『妻』(26%)『嫁』(22%)でした。

 

ポイント2

VERY世代の3割以上の人が“夫からの呼び方”に違和感を覚えていた

 

夫婦間での呼称はお互い納得していたとしても、ひとたび「ほかの誰かがいる場」での夫の呼び方に違和感を覚えた経験のある人は実に3割以上。

「『嫁』と呼ばれるのが嫌いで夫に伝えたけれど、深い意味はない、と取り合ってもらえず。職場の男性が『嫁』というのも気になる」

「『家内』と呼ばれた際、もう二度と呼ばないで、と伝えました。『かみさん』も旅館じゃないんだから、としっくりきません」など夫呼ばれ方にモヤモヤを抱えるVERY世代の姿も。

 

 

 

ポイント3

夫婦の呼び方以上に悩むのが相手の配偶者の呼び方

 

目上の男性の配偶者の場合は『奥様』(90%)、女性の配偶者の場合は『ご主人』(49%)と『旦那様』(42%)が半数に。夫婦間は『主人』に違和感を覚えて『夫』を使っていても、相手の配偶者となると『ご主人』を使っている人も少なくはないようです。

「夫婦間では『妻』『夫』で合意していますが、上司の配偶者を『妻様』『夫様』と呼ぶのは一般的ではないので、とっさにどう呼ぶか迷いました」

「『ご主人』を避けて『旦那さん』と呼ぶが、しっくりこない。『パートナーの方』というのも違和感があるし、自然な呼称が日本語にない」

「不動産の下見の際に夫婦ともにフルタイムワーカー、購入も折半なのに営業の方から『ご主人様』『奥様』と言われて思わずモヤモヤ。でも、それに代わる呼び方は自分でも見つけられない」

 

以上のアンケートの結果から、夫婦の間では『主人』から『夫』が増えるなどジェンダーにおいてニュートラルな呼び方が広まりつつありものの、他人の配偶者に関してはまだまだ『主人』『奥様』『旦那さん』が一般的。でも、その呼び方・呼ばれ方に納得している人ばかりではないようです。

 

2.「夫婦の呼び方、呼ばれ方」の未来とは?

VERYモデル 牧野紗弥さんの場合

「私は“主人”をやめました。

でも、相手の配偶者の呼び方にはまだ悩んでいます。

まずは家庭の中から言葉を見直していきたい」

 

 

「これまで特に深く考えることもなく『主人』という呼び方を使っていました(親しい人の間では『あだ名』を使っていましたが)。今は『夫』に変わりました。

呼び方を変えたのは昨年のVERYのジェンダーに関する特集企画がきっかけでした。上野千鶴子さんのインタビューを読んで、これまで私が感じていたモヤモヤは私や夫の個人の問題ではなく社会の仕組みの問題であると学びました。不満を持つのは私がわがままだから、私の我慢が足りないから、私が至らないからではない。そして、夫の理解のなさも彼ばかりのせいではない。この気づきは私にとってターニングポイントになり、以来、『育児・家事は女の仕事』などこれまでの思い込みを見直して、自分はどうしたいのかを考え始めました。

当たり前だと思っていた『主人』という呼び方をやめたのもその一つ。主従ではなく対等な関係でいたい、という考えから今はどんなシーンでも『夫』を使っています」

 

夫婦は対等! 家庭の中の言葉から心がけたい

 

「ただ、相手の配偶者の呼び方となると難しいですよね。私も相手の配偶者に関しては今も『ご主人』を使うことが多いです。大人同士であれば本音と建前を使い分けることもできるし、重要なのは夫婦2人の意識なので時代に合わせるのも間違いではないと思います。

今後は『パートナーの方』や『配偶者の方』など男女対等な呼び方が一般的になっていくかもしれない。そうであって欲しいと思いつつ取り巻く環境や社会の常識を今すぐに変えるのは難しいので、まずは家庭から。ママたちが感じたモヤモヤを“そういうものだから”と見過ごさずに夫婦で冷静に話し合っていく一歩一歩が大事だと思っています」

 

 

3.「夫婦の呼び方、呼ばれ方」の未来とは?

社会学者 田中俊之先生の場合

「未だ変わらない相手の配偶者の新しい呼び方はVERY世代がこれから作っていくのかもしれません」

 

「夫婦の呼称という問題は実は歴史が深く、なんと1975年には「行動をおこす会」が夫婦は対等であるという視点から『主人』を『夫、つれあい、配偶者』、『ご主人』を『ご夫君』と呼び方を変えるようにNHKに提案。さらにその20年前の1955年の日本母親大会でもすでに『主人と呼ばず夫と呼ぼう』という提案がされていました。今はジェンダーも問題に敏感な世代を中心にお互いの呼称には対等な『妻』『夫』を使う人が増えてきているようですね。一方で、他人の配偶者の呼び方はアンケート結果を見ても変化しているとは言いがたい状況です。

 

90年代頃から夫婦は対等であるという目線に立って他人の配偶者を『妻さん』『夫さん』と呼ぶ提案もありましたが、なかなか定着しないのは少々語呂が悪いからかもしれません(笑)。ニュートラルな関係を表すなら『パートナー』は既婚未婚を問わないので事実婚などの夫婦の形態・相手の性別も問わない便利さがあります。でも、やはり定着していないのは一歩前を行っている感がまだ少し鼻につくからかもしれません。いずれも従来の呼び方に替わって広まっているとは言いがたい、改まった場で相手の配偶者を呼ぶ場合はとくに失礼がないように無難さから『ご主人』『奥さん』が選ばれがちなのでしょう。

 

ジェンダーの問題に限らず社会を変えようとするには長い時間を要します。『たかが呼び方に目くじらを立てなくても』という圧力はあっても当人が即座に得られる利益はないので、現状の秩序に合わせて生きていこうという方向に落ち着いてしまう。でも、次世代に目を向ければ、今、変えていく必要性が出てくるのでは。『子どものため』と思えば、違和感を放置せずに言葉に対するこだわりを持とうと思えるかもしれません。

使いやすいものがないのであればVERYが提案してしまってもいいのではないでしょうか(笑)。必要は発明の母ですから、今、VERY世代が対等なパートナーを示す言葉を求めるところから始まるはずです」

 

男女問題とも密接な関係がある夫婦の呼称についての議論は歴史があり、最近始まったものではないことを教えてくれた田中先生。

時間をかけて広まってきた『夫』『妻』のように、今後は相手の配偶者の呼び方についても議論を重ねることで変わっていくのかもしれませんね。

10月2日に配信されるVERY Academy第2弾ではお2人も登場し、夫婦の呼称だけでなく家庭内の思い込みについてさらにじっくり話していきます! 

 

■■VERY Academy第2弾10月2日21:00~VERY公式Twitterで配信!■■

「映画『82年生まれ、キム・ジヨン』から考える、夫婦の呼び方、呼ばれ方 〜家庭内の思い込みから自由になるヒント〜」

 

© 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

韓国で130万部を超えるベストセラーを記録し、日本でも大ヒットした話題作が映画化。1人の女性の人生を通し社会に根付く女性差別を描き、過去にVERY内で取り上げた企画も読者から大反響が。劇中では日常に埋め込まれた家族や夫婦、社会での男女の性差が問題提起されています。この作品をきっかけに夫婦の呼び方など、違和感を覚えつつ見過ごしていたり、無自覚に順応している男女問題について改めて考えてみませんか。

■日時:10月2日21時~

■視聴方法:VERY公式Twitterにて

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『82年生まれ、キム・ジヨン』
10月9日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー
配給:クロックワークス

 

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