VERY July 2021

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2021年6月7日発売

780円(税込)

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無痛分娩のメリットって?順天堂医院の麻酔科の先生に聞きました!

人生の一大事、出産。赤ちゃんもママも無事で乗り切れることが何よりですが、“できるだけ痛みを取りたい”“その瞬間をじっくり味わいたい!”というママたちが選ぶ「無痛分娩」。前編に続き無痛分娩にはどんなメリットがあるのか?などを今年7月に2人目を出産したライターが、担当の麻酔科医師に聞きました!

●前編:そもそも無痛分娩ってどういうもの? 順天堂医院の麻酔科の先生に聞きました>

 

 

ー無痛分娩にはどんなメリットがあるのでしょうか?

 

痛みを和らげる以外にも、緊急帝王切開が必要になった時には無痛分娩中に使用していた背中の管を使用して迅速に対応することが可能で、すぐに帝王切開術を始めることができます。会陰切開や裂傷も、痛みなく縫合できます。緊急時に無痛分娩だったからこそ救えたケースもあると思います。

 

 

――硬膜外麻酔と脊椎くも膜下麻酔があるそうですが、どう違いますか?

 

背中側から麻酔を行うというやり方は同じなのですが、薬剤を入れる箇所が違います。

硬膜外麻酔は硬膜外腔に柔らかい管を入れそこから局所麻酔薬を注入しますが、脊椎くも膜下麻酔はくも膜下腔に局所麻酔薬を注入します。

大きな違いは薬の効き方です。硬膜外麻酔は30分ほどで効くのに対し、脊椎くも膜下麻酔は5分程度で鎮痛効果が現れます。お母さんや赤ちゃんにとって安全なお産となるように、様々な状況を考慮して麻酔科医がその違いを活かしながら最善の方法を提案しています。

以前は脊椎くも膜下麻酔を使い素早く痛みを取ることによってお母さんは痛みからすぐに解放されて楽になるのですが、開始直後に一時的に赤ちゃんの具合が悪くなることがよくありました。

以前は麻酔の効かせ方が「早い」「ゆっくり」しかなかったのですが、海外ではおよそ5年前、国内でも2,3年前からこれら2種類の麻酔を用いることで「早い」「中間」「ゆっくり」と使い分けられるようになり、赤ちゃんにもお母さんにもより安全な麻酔となるよう改善され続けています。

順天堂式無痛分娩Q&A50より抜粋「硬膜外麻酔と脊椎麻酔の違い」

 

 

 

―麻酔が赤ちゃんに何か影響してしまうことはありますか?

 

前にもお話ししましたが、硬膜外鎮痛法は薬を使用する方法の中でも鎮痛効果だけでなく赤ちゃんへの安全性も高いことがわかっています。

VERYライターの順天堂医院での出産時の写真

―これからも無痛分娩は増えていくでしょうか? また施設を選ぶときにチェックしたいポイントはありますか?

 

無痛分娩を選択する妊婦さんは増えていくと思います。妊婦さんのこれまでの病気や体の状態を事前に把握し、無痛分娩を行うのに問題がないかどうかを確認しておくことが不可欠なため、かかりつけの施設で緊急時の対応や事前に気になる点も含めてしっかり確認してください。

施設により無痛分娩のやり方や対応に大きな違いがありますので、その施設の方法について十分な説明を聞き、よく納得した上で無痛分娩を受けることをお勧めします。

麻酔科医が産科医、助産師と一緒に一人の妊婦さんのお産にかかわることは、お産の痛みを和らげるだけでなく緊急帝王切開を含む緊急時にすぐにチームとして対応できることが安全なお産への最大のメリットだと実感しています。これから出産される皆様に少しでもお役に立てたらと願っています。

VERYライターの順天堂医院での出産時の写真

 

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2007年埼玉医科大学卒業。

臨床研修終了後、熊本大学医学部附属病院をはじめ熊本県内の病院で周術期麻酔管理を研修。2013、2014年埼玉医科大学総合医療センターで産科麻酔フェローとして周産期麻酔を研修。2016年より、順天堂医院にて主に無痛分娩を含む産科麻酔を担当。

取材・文/有馬美穂

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