FOLLOW US

  • 今日のコーデや撮影オフショットを毎日更新

    @veryweb.jp

  • オリジナル動画コンテンツを配信中!

    YouTube

  • 週3回VERY的トレンドまとめを配信中♪

    @oa-veryweb

  • 限定プレゼント情報も♡

    @VERY_web

  • VERYWEBの最新記事をチェック

    @veryweb.jp

子育て世代の漫画家「なんで妻が死ななきゃ状況は変わらないの?」鳥トマトさん

「ワーママの生態がリアルすぎる!」とVERY界隈にも話題の漫画『東京最低最悪最高!』。VERY2月号 では、「漫画とほぼ同じ体験をした!」というライターが、作者・鳥トマトさんに取材しました。本誌に掲載しきれなかったエピソードをweb特別公開します!

ワンオペ&激務の日々で「いっそ夫が死んでくれたほうが楽?」と ……

──『東京最低最悪最高!』は東京で働く人々の悲喜こもごもを描くオムニバス漫画。1巻には、家事も育児も押し付ける夫に対し、「いっそ死んでくれたほうが楽なんじゃ」と思うまでに疲れ切ったワーママが主人公の話が。「実は、ワンオペで限界だったときに同じことを考えたことがある!」という読者からの声もありました。

漫画やドラマ作品では「追いつめられた妻が病気になったり、命を落としたりしてようやく夫が反省する」といった展開も見かけます。物語の都合上必要なことがあったとしても「なんで妻が死ななきゃ状況が変わらないの!? 」と思ってしまいます。現実の世界だってしんどいのに、フィクションでそんな悲しいシーンを見るのはツラい……。僕の漫画は、育児中の親たちの阿鼻叫喚シーンが切り取られてSNSでバズッたこともあるけれど、決してバッドエンドだけを描きたいわけではないんです。「すべてどうにかなってみんなハッピー」というのは難しいですが、読後ちょっとだけ明るい気持ちになれるような作品を目指しているつもりです。

🄫鳥トマト/小学館

🄫鳥トマト/小学館

──前述のワーママは仕事とワンオペ育児に疲れ果てて限界を迎え、家出します。実は私(ライター)自身も、子どもが生後数カ月の頃、夫の態度にしびれを切らし家出をしたことが……。行く当てもなかったので、結局は近所のスーパー銭湯で数時間を過ごして帰宅しましたが、漫画を読んだらあのときの気持ちが蘇りました!

本誌のインタビューでもお話ししましたが、「すごくリアル」「私も同じ状況です」という感想が来る一方で「全然共感できない」という意見もいただくんです。どこにリアリティを感じるかは読む人によってまったく違います。ある人には自分のことのようだと思ってもらえる場面も、その経験をしたことのない別の人からするととても信じられなかったり……。万人にとってのリアルを描くことが不可能なのだとしたら、せめて「うそは描かないようにしよう。今の自分にとってのリアルを追求したい」と思っています。そこに共感してもらえることがあるのだとしたらうれしいです。

 

「子育て後の未来」が楽しみすぎるから今、踏ん張る

──「頑張りすぎなくていいよ」と言われても、ママたちはやらなきゃいけないことをたくさん抱えて大忙し。鳥トマトさんご自身も現在、未就学のお子さんの育児中ですが、普段の暮らしはどんな状況ですか?

VERYもそうですが、ファッション誌に登場する読者の家って、どこもオシャレで整っていてピカピカですよね。正直、憧れますが、僕は掃除や片付けが苦手だし、我が家ではとても無理そうです。ただ、近所に「ごめん、本当に散らかっているんだけど……」と言いながらもちょくちょく家に呼んでくれるママ友がいて。「うちと一緒だ」と親近感が湧く一方だし、そんなママ友のキャラが大好きです。

🄫鳥トマト/小学館

🄫鳥トマト/小学館

──その気持ち、わかる気がします。特に子どもが小さな頃は、毎日が綱渡り状態ですよね……。1巻には仕事が押してしまい、保育園のお迎えに間に合わず踏んだり蹴ったりになるエピソードがありますが、過去に、私自身も そっくり同じ経験をしたことがあって。本誌2月号では、「結局自分が頑張るしかない」とママたちが思ってしまうときの発想転換の方法を鳥トマトさんと考えました。取材後の今、思うことはありますか?

先日、家事代行サービスをお願いした際に来てくださった50代後半くらいの女性が、ゴツめのシルバーリングを重ね付けしていました。気になって聞いてみたら、すべて自作のアクセサリーで、販売もしているのだとか。子育てが一段落したタイミングで仕事を再開して、興味のあったアクセサリー製作も始めたと話してくれました。そのエピソードがとても素敵で! 年齢を重ねた後に、新たに夢中になれる仕事や趣味があるのっていいなあと思いました。今着けているリングも彼女が作ったものなんです。

 

──コミックス最新刊の第3巻には、結婚・離婚や育児でのブランクを経て働き続ける非正規雇用シングルマザーの人生の話が。「仕事が終わっても、人生は終わらない」という言葉が印象的で励まされる話でした。

僕自身も、もともと出版社に勤める会社員でした。仕事と育児、さらに漫画の仕事との両立が難しくて迷った末に退職したのですが、3巻の話は、僕が勤めていた会社で見聞きしたエピソードも参考にしています。職場で出会った先輩社員のお姉さま方は、口々に「女は60歳からが楽しいのよ~」と言っていたんです。育児中って、とにかく慌ただしく、こんな日々が永遠に続くような気がするけれど、その言葉を聞いて、将来起きることが今から楽しみになってワクワクしたんですよね。今は未来がまだ見えないけれど「いつか自分の時間や人生が取り戻せるんだ」と思えたら、頑張れそうな気がするんです。

PROFILE
鳥トマトさん
漫画家・小説家。これまで手がけた作品に『俺のリスク』、『アッコちゃんは世界一』、『幻滅カメラ』、『歴史メンタリスト』など。現在「まんがライフオリジナル」にて漫画『私たちには風呂がある!』、「ヤングアニマルWeb」にて漫画『二月に殺して桜に埋める』「週刊SPA!」にて小説『まだおじさんじゃない』を連載中。一人称は「僕」。夫と5歳男の子の3人家族。

東京最低最悪最高!』(鳥トマト・小学館)現在①~③刊発売中

「ビッコミ」にて、驚異の100万PV! 超絶バズ&大論争を巻き起こしたオムニバス漫画。限界ワーママ、非正規雇用のシングルマザー、仕事と家庭の板挟みになる管理職……このなかにきっと自分に近い人がいるはず……。令和の東京残酷物語。

取材・文/小嶋美樹

※本文中の漫画はすべて『東京最低最悪最高!』(鳥トマト/小学館)コミックス第1巻より抜粋

この記事もおすすめ

MAGAZINE