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2020年5月7日発売

890円(税込)

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生活は?収入は?ママYouTuber・鈴川絢子さん“ヒットするチャンネルの秘訣”とは

家事の間や出先で、子どもにiPadを渡しておいたりと、ついついお世話になりがちな「YouTube」。今回、親子でYouTubeに出演するカリスマ・ママたちを直撃。生活リズムは? プライベートは? 周りの反応は?そしてあまり詳しく聞けなかったけど、収入は?気になる〝ママYouTuber〟のリアルに迫ります。家庭をすこし世間に開くことによって、みんなが社会性を持つようになりそこにこれまでにない新しいタイプの家族の絆のようなものが見えた気がします。

※取材内容やチャンネル登録者数、動画再生回数はすべて1月24日現在のものです。

◉鉄道系YouTuber・鈴川絢子さん(吉本興業所属)
「鈴川絢子」チャンネルは、鉄道や飛行機といった乗り物を中心に、プラレールやトミカといった玩具、イベントなどを体験するほのぼのチャンネル。鈴川さんと長男の常陸(ひたち)くん&次男の常磐(ときわ)くんが出演し、“子鉄”とそのお母さんを中心に支持を獲得している。

結婚の決め手も「動画」

--YouTuberになったきっかけを教えてください。

 私はもともと吉本興業所属の芸人なんですが、2013年年に吉本がYouTube に参入することになり、若手芸人たちにお声がかかったんです。それまでも趣味の鉄道の知識を活かして「ニコニコ動画」で配信をしていたこともあり、「その延長でできるかな」という感じで立候補しました。しかもYouTube の視聴者は世界中の人たちですよね。だから海外の人に日本の鉄道の魅力を知ってもらえるいい機会になるかも!と思ったんです。

 それからは夫婦で何を撮るか案を出し合い、撮影・編集を夫、私が出演というかたちで、お互いが好きな鉄道をメインに動画を作っていきました。でも最初は本当に手探りで、他の人の動画を見て「YouTube とはなんぞや」から学んでいった感じです。

 

--ご夫婦で動画を作っているんですね。

 実は夫と知り合ったのも動画制作の現場だったんです。彼は以前から映像制作の仕事をしていたので、動画配信のパートナーとしてはぴったりでした(笑)。結婚を決めたのも、そんな部分が大きかったかもしれません。結婚して7年になりますが、毎日20時間くらい同じ空間にいるかな。公私ともに一緒のことがほとんどです。ただ今では夫というより、ビジネスパートナーという感覚のほうが強くなっているかもしれません。

 私は吉本所属ではありますが、自分のチャンネルに関しては私が表に出て、全責任を負っています。そのためクオリティコントロールはかなり厳しくやっていて、そこで夫と言い合いになることも。でもお互いに最善のものを求めてやっていることなので、そこはあまり問題にしていません。

 

--登録者数は100万人に迫っています。ヒットの要因は何だと思いますか。

 夫婦で鉄道を紹介していた時は男性の鉄道ファンの方が多かったんです。でも子どもと一緒に出るようになってから一気に30、40代女性の割合が増えて、親子で見てくださっているんだなと思いました。それをきっかけに、動画内での安全面やマナーに関してさらに気をつけるようになりましたね。

 見ていただくためには、やっぱり毎日更新することが最初のうちは大事なのかなと思います。視聴者の方に動画を見ることを習慣づけてもらうためにも、毎日新しい動画が上がっていることは重要な気がします。

 ただ私のチャンネルはお子さんが多いので、繰り返し同じ動画を見てくれるんです。それに動画が増えてくればくるほど過去の動画がずーっと再生され続ける。そうすると毎日更新しなくても「ここぞ!」という動画に力を注げるようになったので、これは大きな変化でした。

 

「特殊な家族」という認識です

--今では長男の常陸くんも大人気YouTuber ですね。

 いまだに私自身「YouTuber」という感覚はなくて、家族の日記をYouTube につけているような感じなんです。だから妊娠・出産、子育てという流れもそのまま家族のアルバムの続きのような感じでアップしました。

 そんな経緯もあって、子どもをYouTube に出演させるのも自然な流れで抵抗はなかったんですが、他の家庭に比べて変わってるな、という意識はあります。言ってしまえば24時間、いつでも撮影したり編集したりしている環境なので、公私のメリハリもあまりないですよね。でも子どもは幼稚園に行ったり習い事に行ったりしているので、そこでお友だちとの関係や普通の生活リズムを持ち直すというか、おろそかにしないようにしています。

 

--常陸くんは自分がYouTuberだという自覚はありますか?

 YouTube に自分が出ていることや、それを周りのお友だちが応援してくれていることはわかっているようですが、それがどれほど特殊なことなのかは、理解しているかどうかわかりません。もしかすると、他のお友だちも我が家と同じように動画を撮っていると思っているかもしれませんね。

 でも、普通の生活をしていたら街中で見知らぬ子から「あ、常陸くん!」なんて声をかけてもらうことはないですよね。おかげで人見知りだった常陸が、「なんの電車が好きなの?」なんて声をかけてくれたお子さんと会話ができるようになり、変化を感じています。

 今でははっきりと自分の意思で「動画を撮りたい!」と言ってきますし、自分から新しい商品や話題になっているものを見つけてきては、「これで撮る?」なんて企画の提案もしてくれるようになりました。ただ、その興味がいつまで続くかもわからないので、Youtube があってもなくても困らない生活の基盤は作っておきたいなと思っています。

さらけ出しているようで、
見せてません

--お子さんが「もうYouTube には出ない」と言ったら?

 それで終わりですね。こちらから強制することはないですから、楽しんでいるうちはそのまま続ければいいかなと思っています。一方で、子どもをYouTube に出すからには、親として守ることは増えますよね。

 一見プライベートをさらけ出しているように見えますが、そこは非常に気を遣っていて、家の近所では絶対に撮影はしませんし、親子で近場のイベントに参加した帰りは最寄り駅を使わず、違う駅で降りてタクシーなどで帰宅したりもしています。

 あと防犯面と収納スペースの問題から、家はいつでも引っ越せるように賃貸です。YouTuber を始めてから今の家は4軒目。動画で使っているプラレールなどのおもちゃは全部自費で購入して保管していることもあり、年々量が増えて収納場所がなくなってしまって……。結果、引っ越しを繰り返してどんどん部屋ばかり広くなっていく状況です。とはいえ長男が小学校に上がったらフラフラするわけにもいかないので、今後はどうしようかなと考え中です。

 

――誰とも似ていない、オリジナルのライフスタイルですよね。

 もちろん子どもがいる責任はありますが、これまでも勢いでいろいろチャレンジしてきたところはあります。かといって今後あと何年YouTube を続けたいとかは特になくて。生活の延長で続けられるなら続けて、なにかあればすっぱりやめて、別の仕事をすればいいと思っています。

 今はほとんどYouTube を基盤にして生活していますが、YouTube というプラットフォーム自体、規約の変更や追加でころころ変わるものなので、この先どうなっていくのかはまったく予測がつきません。であれば、子どもたちの自由に使える時間があるうちに、興味があるいろんなことを一緒に経験できたらなって。今自分のやりたいことをできて、家族との時間もたくさん過ごすことができて、それで生活ができる。そこはすごいありがたいことだなって思っています。

「鈴川絢子」チャンネルDATA

■名前・年齢:鈴川絢子・28歳
■所属事務所:吉本興業
■チャンネル開始日:2013年7月
■チャンネル登録者数:約77万人
■動画再生回数:約10億回
■家族構成:夫(35歳)、長男(常陸くん/5歳)、次男(常磐くん/2歳)
■撮影機材:カメラ→PanasonicのGH5。ミラーレスの軽量カメラで、荷物が多い中での撮影でも取り回しが抜群(旦那さん談)。鈴川さん一人で撮影する場合は、DJIのOSMO POCKET、GoProのHERO8&HERO7の3台(!)を持っていくそうです。編集機材→MacBook Pro 16-inch、2019・Final Cut Pro
■現在の更新頻度:週3回程度

■自薦イチオシ動画:「ふみきりのうた」
子どもの影響で鈴川さんも好きになったという「踏切」を、オリジナルの楽曲に乗せて紹介。実際に家族で訪れた日本全国の踏切が動画に収められており、「へえ~」が詰まった勉強になる1本。

https://www.youtube.com/suzukawaayako

撮影/古本麻由未 取材・文/小泉なつみ 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2020年3月号「再生回数億単位のレジェンドたちに聞きました! ママYouTuberって、どうですか?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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