VERY6月号で、東原亜希さんの不定期対談連載がスタート! 世の中の「それっておかしくない?」と思うことを識者や専門家のみなさんと語り合います。記念すべき一回目のゲストはジャーナリスト、キャスターとして活躍する安藤優子さん! 今回は、本誌では載せきれなかったエピソードをご紹介します。
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視聴者からの批判が殺到したことも
──かつて安藤さんはニュース番組のメインキャスターを務めることに対して、「1800万回くらいは女のくせにと言われてきた」そう。東原さんもまた、「スポーツ選手の妻はこうあるべき」とことあるごとに批判を浴びたそうで……。
安藤さん:報道番組のキャスターに女性がほとんどいなかった当時は「なんで現場に女がいるんだ」ってものすごいハレーションでした。でも、東原さんもご結婚されたときにさまざまなことを言う方がいたそうですね。
東原さん:それはもう、匿名のメッセージが山ほどきました。第一子を出産した当時は、今ほど共働きが多くなかったこともあり、一部の方からは「子どもが小さいのに働くのか」「派手なネイルをしているから夫が試合で負けた」「アスリートの妻たるものは……」というようなことを言われたこともありました。
安藤さん:それは、傷ついたでしょう……。
「自分で自分を褒める」と見えてくるもの
安藤さん: 私はこれまでのキャスター人生のなかで一度や二度は、「全世界が敵だ」と思うようなメンタリティになったことがありますよ。「鉄の女」といわれるほどメンタルが強いわけでもないんです。でも、多くの人が共感できる悩みでもないと思ったので、誰にも相談しませんでした。そういうときは、ただただ自分で自分を褒めてあげるだけ。
東原さん:自分で自分を褒める、大切ですね。
安藤さん:はい。自分が満たされていないと、誰しも人を攻撃するほうに向かいがちですよね。自己肯定感という言葉がありますが、これは他者との比較で自分を優位に感じたときに生まれるものではなくて、自分を丸ごと受け入れることで育めるものだと思います。「どんな自分も、まるっと自分だからね」と。
東原さん:SNSがあるとなおさら、他人と比べたりしがちですよね。
安藤さん:そうですね。自己肯定感は「高いか低いか」で語られることが多く、間違った認知を与えていると思います。「広いか、狭いか」のほうが当たっているんじゃないかな。自己肯定感が「広い」と、いいところも悪いところも、これが私だよねって思えます。自己受容することは、いちばんの自分の応援団になると思いますし、自己受容ができる人は、余裕があります。ああいう人もいるよねと他者も受け入れて、リスペクトできる。
東原さん:すごく納得です! 今すごく大切なことな気がします。それにみんな真面目だから、「私がこんなにやってるのに、なんであなたは……」って思っちゃうこともあるのかも。完璧にできない自分もまるっと許して、みんなで自己肯定感を上げて、優しい社会になっていけばいいですよね。
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撮影/須藤敬一 ヘア・メイク/徳田侑、KIKKU<Chrysanthemum>(東原さん分) 取材・文/有馬美穂 *衣装はすべて本人私物